機械工学実習・実験IV

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工学実習・実験IV
科目番号 0089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 自作テキスト,新版 機械実習2(実教出版),新版 機械実習3(実教出版),機械工学実験実習テキスト(東海大学機械工学実験実習テキスト編集委員会)
担当教員 小杉 淳,川村 淳浩,樋口 泉,関根 孝次,中村 誠

到達目標

・熱力学や熱機関,機械力学,流体工学および材料力学に関する実験テーマにおいて示される,到達目標をクリアできる 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 熱力学や熱機関の実験について、実験準備と実験装置の操作ができ、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめることができる.熱力学や熱機関の実験について、実験準備と実験装置の操作ができ、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめ、口頭でも説明ができる。熱力学や熱機関の実験について、実験準備と実験装置の操作ができ、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめることができる。熱力学や熱機関の実験について、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめることができない。
評価項目2 機械力学に関する実験操作および報告書実験における基本操作を理解でき,報告書において独自の視点による図や考察が加筆されている.実験における基本操作を理解でき,報告書において必要項目に対する記述が充足している.実験における基本操作を理解できず,報告書において必要項目に対する記述が不十分である.
評価項目3 流体工学の実験について、実験理論の理解と実験装置の操作でデータが取得でき、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめることができる。 流体工学の実験について、実験理論の理解と実験装置の操作でデータが取得でき、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめ、口頭でも説明ができる。流体工学の実験について、実験理論の理解と実験装置の操作でデータが取得でき、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめることができる。流体工学の実験について、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめることができない。
評価項目4 材料力学の実験について、実験理論の理解と実験装置の操作でデータが取得でき、実験内容と実験結果の整理・考察をレポートにまとめることができる。 1.ひずみゲージによる測定が理解できて引張試験を通して材料特性が求められ応力集中についても理解できる.2.マイクロメータの検査ができ,さらに精密な寸法測定ができる.3.歯車の幾何学的な計算ができ歯厚の検査ができる.1.ひずみゲージによる測定ができて引張試験を通して材料特性が求められ応力集中についてもわかる.2.マイクロメータの検査ができ寸法測定ができる.3.歯車の歯厚の検査ができる.1.ひずみゲージによる測定ができない.求めたひずみと力の関係から材料特性が算出できない.2.マイクロメータの検査および評価ができない.3.歯車の歯厚の意味が理解できず測定も出来ない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる
JABEE d-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学実習・実験Ⅳは,4学年までに学習した機械工学実験をベースとして,さらに高度な実験技術の習得と,その背景にある物理法則等の理解および機械工学への応用について認識を深める.また,より高度な専門的知識を応用してさまざまな問題解決能力を養う上で重要となる.最終的に実験報告書にまとめる力を養う.これによ り計画性,自然現象の的確な把握力を身に付け,講義により得られる専門知識を確認し,それを応用できる力を習得する.
授業の進め方・方法:
熱力学や熱機関,機械力学,流体工学および材料力学実験の実験装置の構成,測定機器の取扱い方法を理解し,実験 データの処理・現象の解析を遂行する.4研究室を3または4週ごとに巡回する.

定期試験は実施しない。

合否判定:各実験テーマのレポートがすべて提出され,その平均評点が60点を超えてい
ること.ただし,未提出レポートが一通でもある場合,評点は60点未満となる.
各実験テーマのレポートは,全体内容40%+考察30%+課題30%として評価され,その合計が60点を超える場合の
み受講態度を±10%を加算して評価する.
最終評価:合格・不合格;合否判定と同じ.再試験:未提出レポートの提出により合格(60点)とする.
関連科目:機械工学実習・実験Ⅱ,Ⅲ
注意点:
各教職員の指示に従い,筆記用具と電卓やレポート用紙,グラフ用紙などを持参すること.服装は実習服の着用を義務付ける(上着のみでもよいが,ラフな格好やハーフパンツなどの着用,サンダル履きなどは事故につながる恐れがあるので厳禁とする).事前に教室掲示されているスケジュール表(班編成と実験テーマ)を確認すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 可搬型ガスエンジン発電機の燃焼排出ガスと電力の計測を通して、熱機関の性能調査方法に対する理解を深める。 可搬型ガスエンジン発電機への理解を深め、燃焼排出ガスや電力の計測方法を学ぶ
2週 家庭用ペレットストーブの燃焼排出ガスと熱出力の計測を通して、木質バイオマス燃焼器の性能調査方法に対する理解を深める。 木質バイオマス燃焼器への理解を深め、燃焼排出ガスや出力の計測方法を学ぶ
3週 放射温度計の使用を通して、放射と放射温度計に対する理解を深める。 放射に対する理解を深め、放射温度計による計測方法を学ぶ
4週 熱力学や熱機関の実験についてまとめ 熱力学や熱機関の実験についてまとめる
5週 FFT(高速フーリエ変換)アナライザを用いて梁の固有振動数を測定し,その測定値と理論値を比較検討する. FFTを用いた梁の固有振動数測定法を理解し,梁の固有振動特性について同定検証できる
6週 フライホイールの慣性モーメントをねじり振動における固有周期から算出する。
フライホイールの慣性モーメントについて測定方法を理解し,測定・理論値を同定検証できる
7週 加振された片持ち梁の先端部の振幅を記録し,共振曲線(周波数応答関数)について考察する. 片持ち梁の共振曲線(周波数応答関数)を求め,理論による固有振動数との同定精度を考察できる
8週 機械力学実験についてまとめ 機械力学実験についてまとめる
2ndQ
9週 平板境界層の流速分布測定実験を通して,境界層の理解および,層流と乱流による速度分布の違いについて理解を深める. 境界層中の流速分布測定の注意点と層流と乱流の速度分布の違いおよび実験データの規格化による比較方法について学ぶ
10週 円柱抵抗係数の測定実験を通して,円柱表面圧力分布およびその分布から流体抵抗を算出する手法について理解を深める
風洞実験の注意点と円柱の表面圧力分布から数値演算により抵抗係数を算出する手法とその際の注意点について学ぶ
11週 PIVによる渦輪の速度ベクトル測定を通して,PIVの特徴や原理について理解を深める. PIVによる渦輪の速度ベクトル計測を通して,PIV計測の優位性と実験基礎技術や注意点について学ぶ
12週 流体工学実験についてまとめ 流体工学実験についてまとめる
13週 マイクロメータ試験および三針法によるネジの測定.
オプチカルパラレルおよびブロックゲージを使いマイクロメータの検査ができる.三針法でネジの有効径の測定ができ、その原理がわかる
14週 マタギ歯厚法およびオーバーピン法による歯車の精密測定.
マタギ歯厚法およびオーバーピン法で歯厚の測定ができ評価できる
15週 ひずみゲージによるひずみ測定および応力集中の測定 ひずみゲージの測定を理解して、材料特性を求め,応力集中について説明できる
16週 材料力学実験についてのまとめ 材料力学実験についてのまとめる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000