計測工学

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:計測工学入門 第3版(中村邦雄,森北出版),参考書:1.はじめての計測工学 改訂第2版(南茂夫 他,講談社),2.計測工学(谷口・掘込,森北出版),3.入門工業計測(谷口修,実教出版)
担当教員 中村 誠

到達目標

様々な工業計測量の測定原理と測定時における注意点や誤差の扱いについて理解できる。
計測器の諸特性を理解でき、測定に適当な測定機器を選択できる。
計測値は信号処理等によって様々な情報を抽出したり演算することができ、現象の理解につなげられることを理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測工学の必要性とSI単位系およびその標準供給,トレーサビリティについて十分な説明できる.誤差の考え方と分類が理解でき説明でき,その評価を計算で行うことができる.計測工学の必要性とSI単位系およびその標準供給およびトレーサビリティについて理解できる.誤差について分類し,その扱い方の基本がわかる.計測工学の必要性とSI単位系およびその標準供給およびトレーサビリティについて理解できない.
評価項目2機械工学分野で主として計測される各種物理量の計測方法・原理を理解・説明でき,応用的な問題に関しても必要な計算を通して目的となる物理量を算出することができる.機械工学分野で主として計測される基本的な各種物理量の計測方法・原理を理解・説明でき,必要な計算を通して目的となる物理量を算出することができる.機械工学分野で主として計測される基本的な各種物理量の計測方法・原理を理解・説明できない
評価項目3静・動特性の違い,およびそれらを評価する方法とその結果について理解し説明できる.また,フィルターの処理の種類・効果,信号処理の方法や効果について理解・説明できる.基本的な静・動特性の項目および,その意味がわかり説明できる.また,基本的なフィルターの種類や効果を説明できる基本的な静・動特性の項目およびフィルターの種類や効果を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学で要求とされる幅広い基礎知識の一環として、各分野における物理量の計測方法・原理ならびに取得した値の扱いなどに関する能力を養うことは重要となる。このため計測に対する考え方や応用方法について広く学ぶとともに、計測器の特性や適正を把握した上での計測作業の実際についての能力を養うことを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿った自作のプリント配布し,プロジェクターを利用して行う.資料には空欄があり,プロジェクター見ながらそして話し聞きながら適宜必要なことを書き込んでいく.ほぼ毎回授業に沿った演習を別途配布する問題用紙で行う.演習の際には必要に応じ,グループを作りアクティブラーニング的に行うこともある.
合否判定:2回の定期試験結果の平均が60点を超えていること.
最終評価:2回の定期試験結果の平均点を90%,授業中の小テスト等を10%とし,その合計値で評価.
ただし,最終評価は定期試験結果の平均点を下回ることはない.

再試験:再試験は前期末再試験を1回行い,不合格のものは,学年末再試験を行う.
再試験の試験範囲は全範囲とし,再試験において60点以上の場合に合格とする.
注意点:
4学年までに履修した各種工学実験の計測方法や物理量の取扱い方法について十分理解していることが望ましい。 講義終了後,自宅学習等により復習をすること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、計測工学の歴史と必要性について. 計測工学の必要性と役割りを説明できる.
2週 単位系と標準供給とトレーサビリティおよび誤差の種類 SI単位系と標準供給、トレーサビリティの説明ができる.誤差の分類ができ,それらの基本的な性質と表す方法を説明できる.誤差率について計算で求められる.計算で評価を行うことができる.
3週 測定器の基本構成と特性(静特性・動特性)について 零位法,変位法など計測器の基本構成を説明でき,その代表的な計測機器がわかる.また、測定器の性能を表すパラメータを静特性と動特性にわけて説明できる.
4週 信号処理について(A/D変換と各種フィルタ) A/D変換の必要性および,サンプリング定理,量子化について説明できる.また,各種フィルタの種類と効果について説明できる.
5週 長さの測定 長さ計測の基準や誤差要因や様々な拡大方法を説明できる.また,端度器,線度器の用途と使い方が説明できる.レーザなど光や流体を利用した長さ計測の方法について説明できる.
6週 長さ・角度・水平の測定とその誤差要因とゲージ,デジタルスケールの利用について 長さ・角度・水平計測における種々の方法を説明できる.計測における誤差要因と各種ゲージによる長さ角度の測定,デジタルスケールのメリットについて説明できる.リニアスケールやデジタルエンコーダの原理と特徴を説明できる.
7週 総合演習-1 学習した範囲の演習問題を解くことができる.
8週 前期中間試験を実施する
4thQ
9週 材料系の性質(物性・化学反応性・機械的特性)計測について 材料の代表的な物理特性,化学特性,機械特性の種々の計測方法を説明できる.
10週 力(質量)と動力の測定 力(質量)計測について種々の測定方法を説明できる.また,質量計測に与える影響因子について説明できる.動力計測の必要性と測定原理を説明でき,種々の動力計について説明できる.
11週 流体の測定(圧力・真空・流速・流量・液面・粘度の測定) 代表的な圧力・真空測定器の原理と特徴が説明できる.流量・流速計・液面計の原理や選定上の注意を説明できる.また,ニュートン、非ニュートン流体の特性と粘度計測上の違いを説明できる.
12週 振動の測定 サイズモ系と振動計の原理、特性を説明できる.また,様々な振動センサーの原理と特徴を説明できる.
13週 温度・湿度の計測(温度計の原理,各種温度計) 温度計測に関係する物理現象とそれを応用した温度計の原理を説明できる.また,湿度の表し方が説明でき,各種湿度計測の原理を説明できる.
14週 汎用センサーの種類と原理 センサーの役割と種々の汎用センサの原理・特徴を説明できる.
15週 総合演習-2 学習した範囲の演習問題を解くことができる.
16週 前期末試験を実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010300100
基礎的能力0000000
専門的能力600010300100
分野横断的能力0000000