計測工学

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0102 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 計測システム工学の基礎 第4版(松田康弘・西原主計,森北出版)
担当教員 渡邊 聖司

到達目標

さまざまな工業計測量の測定原理と計測器の諸特性について理解することができ,測定に適切な測定機器を選択することができる.
計測量の誤差の処理法および有効数字の処理法について理解することができ,誤差および有効数字の処理を実行することができる.
測定値の信号処理の基礎について理解することができ,簡単な信号処理を実行することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1さまざまな工業計測量の測定原理と計測器の諸特性を理解し,説明することができる.また,レンジ等を考慮して測定機器を正しく選択することができる. さまざまな工業計測量の測定原理と計測器の諸特性を理解し,測定機器を選択することができる. さまざまな工業計測量の測定原理と計測器の諸特性が理解できず,測定機器の選択をすることができない.
評価項目2計測量の誤差の処理法および有効数字の処理法について理解し,誤差および有効数字の処理を適切かつ正確に実行することができる. 計測量の誤差の処理法および有効数字の処理法について理解し,誤差および有効数字の処理を実行することができる. 計測量の誤差の処理法および有効数字の処理法が理解することができず,誤差および有効数字の処理も実行することができない.
評価項目3測定値の信号処理について理解し,信号処理を実行することができる.測定値の信号処理の基礎について理解し,簡単な信号処理を実行することができる.測定値の信号処理の基礎を理解できず,簡単な信号処理も実行することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種の物理量の計測方法・原理ならびに取得した計測値の扱いなどに関する能力を養うことは,機械工学のどの分野においてもたいへん重要である.
本科目では,さまざまな工業計測量の測定原理と計測器の諸特性について広く学習するとともに,計測工学の普遍的な知識・技能(誤差の処理法,有効数字の処理法および測定値の信号処理)を習得することを目的とする.

学習到達目標C 100%,JABEE目標c 100%
授業の進め方・方法:
①2~5年前期までに学習した一般科目(数学,物理など),専門科目のさまざま知識が必要です.
②教科書の章末問題を演習レポートとして課すことがあります.

成績評価方法
 ①合否判定:演習レポート(課題)と定期試験をそれぞれの平均点を下式の割合とし,算出した評点が60点を超えていること.
  成績評価式 演習レポート(25%)+定期試験(75%)
 ②最終評価:合格 合否判定+受講態度(最大+10点) , 不合格 合否判定
 ③再試験:後期末再試験は,再試験の代替となるレポート提出,または授業実施範囲の再試験を実施する.(複数回)
      なお,再試験の詳細は,実施前にも説明する.
      後期末再試験の受験条件:未提出のレスポンスシートおよび演習レポート(課題)の提出
      後期末再試験は60点以上で合格とする.

①出席確認は,入室時に「出欠確認シート」にてセルフチェックします.授業資料は,「出欠確認シート」の横にありますので,各自で取ってください.
②授業(90分)は,解説や説明,演習を70~80分,レスポンスシートの記入10~20分で実施します.
③教科書の章末問題を演習レポートとして課すことがあります.また,毎授業終了時には「レスポンスシート」を作成して,授業内容の理解を学生ー教員間で確認します.
④この授業は,学修単位1ですので,内容の理解を深めるためには,復習が必須です.
⑤計測工学に関するグループディスカッション(アクティブラーニング)も行う場合もあります.
⑥演習レポートは,再提出となる場合もあります.演習レポートは,返却しませんので必要に応じてコピーを取るなどしてください.
⑦オフィスアワーの時間を利用した積極的な復習や自学自習を歓迎します.また,必要な者には別途の補習を実施します.(Teams個別チャットでの質問も可能です.)

前関連科目 機械工学実習・実験Ⅲなど
注意点:
参考書
①計測工学入門 第3版(中村邦雄・石垣武夫・冨井薫,森北出版)
②はじめての計測工学 改訂第2版(南茂夫・木村一郎・荒木勉,講談社)
③計測工学(高偉・清水裕樹・羽根一博,祖山均・足立幸志,朝倉書店)
④計測工学(改訂版)-新SI対応ー(前田良昭・木村一郎・押田至路,コロナ社)
⑤絵ときでわかる計測工学 第2版(門田和雄,オーム社)
⑥図解 よくわかる機械計測(武藤一夫,共立出版)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス,計測工学の歴史と必要性 シラバス(授業計画)を理解することができる.
計測工学の必要性を理解することができる.
2週 測定と計測,物理量の単位 量,計測と測定,基本量と組立量,次元,国際単位系(SI)などを理解することができる.
3週 機械工学におけるSI組立単位,電気工学・熱力学におけるSI組立単位系 速度と加速度,質量と重量と力,周波数と振動数,ばね定数,電気工学および熱工学で用いる単位,電気と熱の関係などを理解することができる.
4週 測定の誤差と有効数字,計算過程の誤差 誤差,数値の丸め,有効数字とそのしくみ,誤差率を考慮した測定,四則演算の桁どり,計算機での誤差,算術の工夫などを理解することができる.
5週 測定の精度,精度の表し方,関節測定と誤差,測定の不確かさ,計量計測トレーサビリティ,測定精度の向上 誤差の種類,誤差の正規分布,精密さと正確さ,信頼性,ばらつきの程度,誤差の定義式,確率誤差の計算,測定の不確かさ,計量計測トレーサビリティ,測定精度の向上などを理解することができる.
6週 最小二乗法 最小二乗法を理解することができる.
7週 データの補間 ラグランジェの補間,スプライン補間法を理解することができる.
8週 前期中間試験
4thQ
9週 計測量の関係 回帰分析と相関,分散分析などを理解することができる.
10週 機械的計測 長さ,角度と面,質量・力・圧力,流速と流量,衝撃と材料硬さ,振動の測定方法や計測機器などを理解することができる.
11週 センサとセンシング① センサとセンシング,機械量[空間量]の計測などを理解することができる.
12週 センサとセンシング② 機械量[力],磁界,光,温湿度の計測などを理解することができる.
13週 信号の計測法と信号の処理① 信号出力の方式,アナログ前処理,フィルタなどを理解することができる.
14週 信号の計測法と信号の処理② ダイナミックセンシング,ノイズ対策,サンプリングなどを理解することができる.
15週 演習 グループディスカッション等のアクティブラーニング手法を用いて,卒業研究や実習・実験などで利用した計測手法を他者に説明することができる.
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4後2
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4後4,後5
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4後2,後3
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4後10,後11,後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力0000000
専門的能力75000025100
分野横断的能力0000000