送配電工学

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 送配電工学
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学分野 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「よくわかる送配電工学」田辺茂 著(電気書院)/「送配電の基礎」山口純一、家村道雄、中村格 共著(森北出版)、「送配電」前川幸一郎、荒井聰明 共著(東京電気大学出版局)、「送電・配電」道上勉 著(電気学会)、「送配電工学」道上勉 著(電気学会)
担当教員 鈴木 俊哉

到達目標

1.三相交流の基礎を理解し、基本的な計算ができる。
2.送電線・配電線の電気的特性および設備構成を理解する。
3.電力系統における故障発生時の電気的現象を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1三相交流の基礎を理解し、基本的な計算ができる。三相交流の基礎を理解し、基本的な計算 が理解できる。三相交流の基礎を理解できない。
評価項目2送電線・配電線の電気的特性および設備 構成を理解し、数学的な定式化に基づく 定量的な評価ができる。送電線・配電線の電気的特性および設備 構成を理解し、数学的な定式化に基づく 定量的な評価が理解できる。送電線・配電線の電気的特性および設備 構成を理解できない。
評価項目3電力系統における故障発生時の電気的現象を理解し、数学的な定式化に基づく定量的な評価ができる。電力系統における故障発生時の電気的現 象を理解し、数学的な定式化に基づく定 量的な評価が理解できる。電力系統における故障発生時の電気的現象を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
発電所で作られた電気を工場や家庭などに届ける電気設備が送電線・配電線である。
この送電線・配電線が、電力系統として、どのように構成され、
運用されているのか理解できることを第一の目標とする。
また送電線・配電線は重要なライフラインの1つであり、
災害発生時などに復旧が急がれる重要な役割を担っていることから、
電気技術全般に関連する事項についても理解を深める。
授業の進め方・方法:
第3学年の電気回路Iで学ぶ対称三相交流の正確な理解が大前提となるので、十分に復習しておくこと。
授業は教科書に沿って行われるが、理解定着のための問題を宿題として課すので、必ず自分で解くこと。

前関連科目:電気回路1(第3学年)、電気機器1(第3学年)
後関連科目:エネルギー変換工学(第5学年)

成績評価方法:
合否判定:2回の定期試験の得点を各50点満点に換算し、合計点数60点以上を合格とする。
最終評価:合否判定に用いた得点が最終評価点となる。
再試験は60点以上を合格とする。
注意点:
数学を多用するので難しい科目だと思いますが、
分からないことがあれば教員に質問するなどして、解決していきましょう。
電験の認定に必要な科目。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
送電系統
この科目の目的、日程について理解できる。
送配電系統の基本的な構成について理解できる。
2週 架空送電線路の構成
地中送電線路
架空送電線路の特徴や構成要素を理解できる。
地中送電線路の特徴や構成要素を理解できる。
3週 送電線路定数 送電線路のR・L・Cの値の導出の基本と概略値を理解する。
4週 送電線路の等価回路と送電特性(1回目) 送電線路の電気的な表現方法を学び、電力円線図、調相について理
解する。
5週 送電線路の等価回路と送電特性(2回目) 単位法による計算が出来る。
6週 電力系統の安定度 負荷変動に対する同期発電機の安定運転維持の判定手法について理
解できる。
7週 送電系統の電圧と無効電力 電圧を安定に維持する必要性、電力の変化量の計算法、電圧不安定
現象について理解できる。
8週 前期中間試験 60点以上をとる。
2ndQ
9週 故障計算と設置方式(1回目) 事故が発生した時の電圧・電流の計算ができる。
10週 故障計算と設置方式(2回目) 各種の設置方式の
基本が理解できる。
11週 過電圧と絶縁強調 過電圧の発生機構と抑制対策を理解できる。絶縁協調の概念を理解
できる。
12週 電力系統の保護 送配電系統の保護の構成と方策について理解できる。
13週 電力系統による障害 電磁誘導障害、静電誘導障害、コロナ障害について理解できる。
14週 直流送電 直流送電の特徴と、動作原理、構成、制御の基礎を理解できる。
15週 配電系統 送電系統とは異なる配電特有の技術について理解できる。
16週 前期期末試験 60点以上をとる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000