電子工学

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学分野 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:電子工学基礎,中澤達夫,藤原勝幸,コロナ社 、参考書:電子・イオンビーム工学,電気学会 、参考書:プラズマ理工学入門,高村秀一,森北出版、参考書:半導体の基礎理論,堀田厚生,技術評論者 、参考書:ファインマン物理学V,ファインマン,砂川重信,岩波書店
担当教員 伊藤 光樹

到達目標

一様な静電界・磁界中の単一電子の運動を計算できる.
ボーアの理論を理解し,孤立した水素原子の電子軌道を計算できる.
導体,半導体および絶縁体のエネルギーバンド構造を理解し,電気伝導性を説明できる.
ダイオード・トランジスタなど半導体素子の動作原理を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1一様な静電界・磁界中の単一電子の運動を計算できる.一様な静電界中の単一電子の運動を計算できる.一様な静電界・磁界中の単一電子にはたらく力を説明できない.
評価項目2孤立した水素原子の電子軌道のエネルギーを計算でき,発光スペクトルとの関係を説明できる.孤立した水素原子の電子軌道のエネルギーを計算できる.電子の波動性と電子軌道の関係を説明できない.
評価項目3エネルギーバンド構造を図示しその意味を説明できる.さらに,電気伝導性との関係を説明できる.エネルギーバンド構造を図示しその意味を説明できる.エネルギーバンド構造を図示できない.
評価項目4ダイオード・トランジスタに加え、発光ダイオードやフォトダイオードなどの半導体素子の動作原理を説明できる.ダイオード・トランジスタの動作原理を説明できる.ダイオードの動作原理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子工学の中で,その基礎となる電子の諸現象について学び,その現象を応用した身近な
機器の動作原理を理解する.
また,ダイオードやトランジスタといった半導体素子についても学び,情報化社会を支え
るコンピュータ技術の基礎を理解する.
授業の進め方・方法:
電子の発見から,原子の構造,電子の運動と諸現象,その応用である素子および部品というように,基礎から応用という流れで学んで行くので,前後のつながりを考えながら
学ぶこと.
合否判定:4回の定期試験の結果の平均が60 点を超えていること.
最終評価:4 回の定期試験の結果の平均(100%)と授業態度(±10%)の合計
再試験:再試験成績が60点以上を合格とする.
電子デバイスの動作原理を理解するためには,物理の理解が大切です.
必要な物理学とそれを記述する数学の知識は,適宜補いながら授業を進めます.
並行して履修する力学・電気磁気学・波動現象および微積分に関する講義をしっかりと
理解し,電子工学の理解に役立ててください.
前関連科目:電気回路Ⅰ
後関連科目:電子回路、電気材料、電気工学実験Ⅳ、電気工学実験Ⅴ
注意点:
特に無し。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 エネルギーバンドの形成 エネルギーバンドの概念を説明できる.
2週 エネルギーバンドと電気伝導性 導体,半導体および絶縁体のエネルギーバンド構造の概略を図示し,電気伝導性を説明できる.
3週 ホール素子 ホール効果について説明できる.
4週 pn接合1 pn接合の帯構造を図示し,ダイオード内のキャリアの流れを説明できる.
5週 pn接合2 pn接合の帯構造を図示し,ダイオード内のキャリアの流れを説明できる.
6週 pn接合3 pn接合の帯構造を図示し,ダイオード内のキャリアの流れを説明できる.
7週 pn接合4 pn接合の帯構造を図示し,ダイオード内のキャリアの流れを説明できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 バイポーラトランジスタ1 バイポーラトランジスタの構造を理解し,動作原理を説明できる.
10週 バイポーラトランジスタ2 バイポーラトランジスタの構造を理解し,動作原理を説明できる.
11週 バイポーラトランジスタ3 バイポーラトランジスタの構造を理解し,動作原理を説明できる.
12週 電界効果トランジスタ 電界効果トランジスタの構造を理解し,動作原理を説明できる.
13週 半導体発光素子・光起電力素子 pn接合型の太陽電池やフォトダイオード,発光ダイオードの構造を理解し,動作原理を説明できる.
14週 CMOS論理回路 CMOS論理回路の動作を説明でき,論理回路の組み合わせでデジタル回路が成り立つことを理解できる.
15週 CPU(中央演算装置)と論理回路 CPUの基本的な動作原理を説明できる.
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000±1000100
分野横断的能力0000000