応用物理

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子工学分野 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:初歩から学ぶ基礎物理学「電磁気・原子」(大日本図書) 初歩から学ぶ基礎物理学「力学II」(大日本図書) 参考書:初歩から学ぶ基礎物理学「熱・波動」(大日本図書) 電磁気・原子 問題集(大日本図書) 単位が取れる電磁気学ノート(橋元淳一郎,講談社) 単位が取れる力学ノート(橋元淳一郎,講談社) 物理学(三訂版)(小出昭一郎,裳華房)
担当教員 小久保 慶一

到達目標

電流の作る磁場,電流間や荷電粒子に働く磁気力を計算できる.
電磁誘導の法則を理解し,誘導起電力を導出できる.
簡単な運動方程式を微分方程式として解くことができる.
剛体の回転運動やつりあいを記述できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電流周辺の磁場の基本的な計算公式を,電磁気学の基本法則から導出できる.基本的な公式を用いて,電流周辺の磁場の値を向きも含めて求められる.基本的な公式を用いて,電流周辺の磁場の値をおおむね求められない.
評価項目2電磁誘導が関わる簡単な電気回路での電流を,電磁誘導に基づいて求めることができる.ローレンツ力や誘導起電力を向きも含めて値を求めることができる.ローレンツ力や誘導起電力を公式を用いて,値をおおむね求められない.
評価項目3摩擦力,速度比例力がある場合の運動を解くことができる.重力だけ,弾性力だけの場合の運動を解くことができる.変位,速度,加速度の値を微積分を用いておおむね計算できない. 微分方程式として運動方程式をおおむね立てられない.
評価項目4回転運動方程式を解き,角加速度を求められる. 簡単な立体の慣性モーメントの公式を積分を用いて導出できる.つりあいの条件を立式できる. 回転運動方程式を立てられる. 簡単な立体の慣性モーメントの値を求められる.回転に関する物理量の値を,定義式からおおむね求められない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日常に起こる現象,様々な物理現象をを視覚的,数理的にとらえる力を養う.
4学年では特に磁気,質点運動,剛体運動を扱う.
授業の進め方・方法:
演習・実験・試験の際には,関数電卓が必要です.
数値化,図示をする場合は約束事(授業で指示)をふまえた表現が必要です.
ベクトル・微積分の基礎的知識が必要です.
予習として教科書を熟読してください.
復習として授業中に解いた問題を自身で解き直す習慣を身につけてください.
レポート提出は期日を厳守してください.
合否判定:4回の定期試験(90%)と4回のレポート(10%)とで評価し,満点の6割以上であること.
最終評価:合否判定と同じ.
再試験は,定期試験で60点に満たなかった範囲の試験を受け,60点以上であれば合格.
再試験で合格した者の最終評価は60点とする.
用語や記号を覚えてしまうことで,授業の内容の理解も早まります.
授業は,新しい概念を得るだけでなく,誤った概念や先入観を正す場です.
皆さんの活発な発言が内容を豊かにします.
注意点:
前関連科目:物理

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 数式で議論していくための準備をする.
2週 磁気量と磁気力 磁荷の間にはたらく磁気力を計算できる.
3週 磁場,磁力線 磁場,磁力線を図示できる.
4週 電流が作る磁場 電流が作る磁場を図示できる.
5週 ビオ・サバールの法則 直線電流,円電流の作る磁場を導出できる.
6週 アンペールの法則 対称性の高い電流の作る磁場を導出できる.
7週 アンペールの法則 対称性の高い電流の作る磁場を導出できる.
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 直線電流にはたらく磁気力 直線電流にはたらく磁気力を導出できる.
10週 平行電流間にはたらく磁気力 平行電流間にはたらく磁気力を導出できる.
11週 ローレンツ力,磁場中の荷電粒子の運動 荷電粒子にはたらくローレンツ力を導出できる.
12週 電磁誘導の法則 誘導起電力を算出できる.
13週 電磁誘導の法則 誘導起電力を算出できる.
14週 電磁誘導が関わる回路 電磁誘導が関わる簡単な回路を流れる電流を導出できる.
15週 電磁誘導が関わる回路 電磁誘導が関わる簡単な回路を流れる電流を導出できる.
16週 前期期末試験:実施する
後期
3rdQ
1週 位置・速度・加速度 座標を時間で微分し,速度や加速度を求められる.
2週 微分方程式としての運動方程式 微分方程式として運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
3週 微分方程式としての運動方程式 微分方程式として運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
4週 微分方程式としての運動方程式 微分方程式として運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
5週 連成振動の運動方程式 連成振動する質点の変位を用いて運動方程式を連立できる.
6週 波動方程式 固定端,自由端の場合の固有振動を導出できる.
7週 波動方程式 固定端,自由端の場合の固有振動を導出できる.
8週 後期中間試験:実施する
4thQ
9週 回転に関する運動方程式 角運動量を算出できる.
10週 剛体の重心 剛体の重心を算出できる.
11週 剛体のつりあい 剛体のつりあいの式を立てて解ける.
12週 剛体の慣性モーメント 剛体の慣性モーメントを算出できる.
13週 剛体の慣性モーメント 剛体の慣性モーメントを算出できる.
14週 剛体に関する運動方程式の適用例 定滑車,斜面上物体などの回転運動の加速度を算出できる.
15週 剛体に関する運動方程式の適用例 定滑車,斜面上物体などの回転運動の加速度を算出できる.
16週 後期期末試験:実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
運動の法則について説明できる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
電場・電位について説明できる。2
クーロンの法則が説明できる。2
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力90000100100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000