科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理
科目番号 0016 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子工学分野 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】『初歩から学ぶ基礎物理学 力学I』(大日本図書)/【参考書】『よくわかる物理基礎+物理』(学研)/【問題集】『NEW PROGRAM 物理(上・下)』(秀文堂)/図書館に物理の参考書コーナーがあります
担当教員 松﨑 俊明

到達目標

◇数値を適切に扱うことができる
◇等加速度運動を理解できる.
◇力を図示し力の大きさを求めることができる.
◇運動方程式を立式できる.
◇運動量保存則を立式できる.
◇仕事と仕事率を求める事ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理計算の中で,有効桁数・単位の接頭語に注意をして適切な数値表記ができる.物理量を指定された有効桁数・単位で科学表記できる.単位を含んだ科学表記ができない.
評価項目2正負の速度・加速度に対し,実際の運動を想像し説明することができる.等加速度運動に対して三つの基本公式を適用し,計算ができる.「加速度」の定義式を用いた計算ができない.
評価項目3複数の力が働いている場合の図示及び力の合成,分解を計算をすることができる.2力の合成,2成分への分解を図示及び計算をすることができる.2力の合成を図示及び計算ができない.
評価項目4複数の力が作用している複数物体系の連立運動方程式を立式し,加速度や張力などを算出できる.1物体系の運動方程式を立式し,加速度を算出できる.運動方程式を立式できない.
評価項目5運動量保存則,反発係数の2式を連立し,衝突後のに物体の速度を算出できる.運動量保存則を立式し,一つの物体の速度を算出できる.運動量保存則を立式できない.
評価項目6力の大きさが一定でない場合,移動方向が異なる場合において仕事と仕事率を算出できる.力,移動距離,時間から,仕事と仕事率を算出できる.仕事と仕事率の値を算出できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理現象を実体験として理解し,それを数量的,数式的にとらえる能力を養う.
科学的思考力を養うとともに,学ぶことの楽しさを実感してほしい.
1学年では特に力学を扱う.
授業の進め方・方法:
中学理科と比べると,数値・文字式の計算が格段に増えます.
授業で扱った問題をその日のうちに再度解き直すことで,知識・計算技術の定着を図ってください.
【準備するもの】教科書,ノート,ファイル・バインダー(演習プリントの整理),後期には関数電卓
【合否判定】定期試験(4回)80%,課題(8回程度)20%の合計平均が60点以上を合格とする.
【再試験】得点率が6割未満の範囲の再試験で60点以上を合格とする.
【最終評定】合否判定点と同じ.ただし再試験で合格した場合は60点とする.
【コミュニケーション】誤った理解・先入観に気づくためには,他者とのコミュニケーションが不可欠です.授業やその他の機会を使って,級友との学び合い,先輩や先生へ質問をしてください.
【日々の勉強】学問の約束事や公式は「暗記・活用・理解」を繰り返すことで知識として定着します.図書館やインターネット上の教材も積極的に活用してコツコツと繰り返し勉強してください.
【試験で必要な力】状況設定を読み取る「言葉の力」,どの法則を用いるべきかを「選択する力」,法則に沿って立式し解を求める「計算する力」が必要となります.自分の弱点を意識して勉強してください.
注意点:
後関連科目:物理(2年生),応用物理(3,4年生)

「I:初期状態」に「A:作用」を加えてどんな「F:終状態」になるか?関連性を見出すのが Science です.
目標とするFの為にどんなAを加えるかを逆算するのが Technology です.
「どんなFを目標としようか?」まで考え,実際に行動するのが Engineering です.
この違いを意識して学習を進めてください.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,科学量の表し方 pp.157-159 量記号,単位記号の違いを理解できる.
2週 有効桁数 pp.160-161 有効桁数,科学表記,接頭語の使い方を理解できる.
3週 演習 与えられた数値を指定された表記で表す事ができる.
4週 速度・変位 pp.8-12 速さと速度の違いを理解し,算出できる.
5週 速度・加速度 pp.13-19 等加速度運動を理解し,加速度を算出できる.
6週 演習 使う公式を選び,速度・変位・加速度を算出できる.
7週 演習 使う公式を選び,速度・変位・加速度を算出できる.
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 答案返却,力の表示 pp.34-37 力の3要素を説明でき,力の矢印を正しく書く事ができる.
10週 力の合成と分解 pp.34-37 2力の合成,2成分への分解を図示および値を計算できる.
11週 力のつりあい・作用反作用 pp.38-43 力のつりあい・作用反作用の関係を説明できる.
12週 【実験】「3力のつりあい」 測定結果をグラフに描き,三角比を用いて実験結果を説明できる.
13週 重力,弾性力 pp.44-48 重力と弾性力について理解し、その大きさを計算できる.
14週 抗力,摩擦力 pp.49-55 抗力と摩擦力について理解し、その大きさを計算できる。
15週 演習 与えられた状態において物体に働く力を図示し,その大きさを算出できる.
16週 前期期末試験:実施する
後期
3rdQ
1週 運動の三法則 pp.56-64 運動の三法則の概要を説明できる.
2週 運動の第二法則(運動の法則) pp. 58-70 一物体に力が働く場合の運動方程式を立て,物体の加速度を算出できる.
3週 演習(様々な力) 一物体に重力,張力,弾性力,摩擦力など複数の力が働いている場合において,運動方程式をたて,加速度を求める事ができる.
4週 演習(複数物体) 物体が連結している状態において,作用反作用の法則を適用しながら張力や加速度を求める事ができる.
5週 演習(自由落下,鉛直投げ上げ)pp.25-28 重力による鉛直方向の運動について正負を意識して運動方程式から,加速度,速度,変位を求めることができる.
6週 【実験】「自由落下」 x-tおよびx-vの測定結果をグラフにし,重力加速度を求めることができる.
7週 演習(総合問題) 与えられた状態に対して,物体の運動の様子を計算する事ができる.
8週 後期中間試験:実施する
4thQ
9週 答案返却,力積と運動量 pp.76-80 力積と運動量を理解し,運動量を計算できる.
10週 運動量保存則 pp.81-86 衝突,合体,分離前後の運動量が等しいことを立式できる.
11週 反発係数 pp.87-92 物体同士の衝突後の速さを算出できる.
12週 演習(力積と運動量) 与えられた状態に対して,物体の運動の様子を計算する事ができる.
13週 仕事 pp.94-99 物理における仕事を理解し,仕事を計算できる.
14週 仕事率 pp.94-99 力,移動距離,時間から仕事率を計算できる.
15週 演習(総合問題) 与えられた状態に対して,物体の運動の様子を計算する事ができる.
16週 後期期末試験:実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2前5,前6,前7
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。2前4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2後5
物体に作用する力を図示することができる。2前9
力の合成と分解をすることができる。2前10
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2前12
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2前12
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。2前11
慣性の法則について説明できる。2後1
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3後1
運動方程式を用いた計算ができる。2後2,後3,後4
運動の法則について説明できる。2後1
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前13
最大摩擦力に関する計算ができる。3前13
動摩擦力に関する計算ができる。3前13
仕事と仕事率に関する計算ができる。2後12
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後13,後14
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13,後14
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13,後14
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後13,後14
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後5
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3後5,後11
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000