電気回路IIIb

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電気回路IIIb
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 電子工学分野 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 〈教科書〉 「続 電気回路の基礎(第3版)」西巻正郎,下川博文,奥村万規子 共著(森北出版) 〈教材〉 「エッセンシャル電気回路 工学のための基礎演習」安居院猛,吉村和昭,倉持内武 共著(森北出版), 「電気回路を理解する(第2版)」小澤孝夫 著(森北出版), 「例題と演習で学ぶ 続 電気回路」服藤憲司 著(森北出版)
担当教員 中村 隆,渡邊 駿

到達目標

1)2端子対網による回路解析をすることができる
2)分布定数回路の簡単な解析をすることができる
3)微分方程式を用いた過渡現象解析をすることができる
4)ラプラス変換を用いた過渡現象解析をすることができる
5)非正弦波交流回路解析をすることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12端子対回路のパラメータ相互変換と2端子対回路の並列・直列・縦続接続の解析,等価回路を計算することができる2端子対回路のパラメータ計算と2端子対回路の並列・直列・縦続接続を解析することができる2端子対網による回路解析について説明することができない
評価項目2分布定数回路における波形伝搬に関する解析と基礎方程式を用いた計算から,無損失線路上での波形伝搬に関する解析をすることができる分布定数回路における波形伝搬に関する解析と基礎方程式を用いた計算をすることができる分布定数回路の簡単な解析について説明することができない
評価項目3LR回路,CR回路,LCR回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができるL回路,C回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができる微分方程式を用いた過渡現象の解析法について説明することができない
評価項目4LR回路,CR回路,LCR回路の過渡現象をラプラス変換を用いて解析することができるL回路,C回路の過渡現象をラプラス変換を用いて解析することができるラプラス変換を用いた過渡現象の解析について説明することができない
評価項目5非正弦波と非正弦波交流回路に関する計算と非正弦波電圧が印加された回路に流れる非正弦波電流について計算することができる非正弦波の実効値,ひずみ率,波高率,波形率の計算と非正弦波交流回路の瞬時電力,有効電力,皮相電力,力率,有効電力について計算することができる非正弦波交流回路の解析法について説明することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで学んできた電気回路網(2端子網)の知識を基礎として,「2端子対網」の考え方に基づく回路解析法,分布定数回路における波形伝搬に関する解析法,インダクタンスやキャパシタンスを含む回路の過渡現象に関する解析法,非正弦波交流回路における解析法を理解することを目標とする.
この科目を習得することにより,電子工学技術者としての基礎的な回路解析技術を修得する.
授業の進め方・方法:
〈授業の進め方について〉
座学形式
〈必要な用具について〉
筆記用具,電卓
〈前提知識について〉
電気回路Ⅰb,電気回路Ⅱbなど
〈成績評価項目について〉
定期試験,課題(毎期1回以上)
〈合否判定について〉
合格条件:4回の定期試験(前期中間試験と前期末試験,後期中間試験,後期末試験)の平均点が60点以上
〈成績評価方法について〉
合格条件を満たした者は定期試験に課題点を加減したものが最終成績となる
〈再試験評価方法について〉
合格条件を満たさない者は60点未満の定期試験(前期中間試験と前期末試験,後期中間試験,後期末試験)に再試験を課し,再試験の全てが60点以上で合格(最終成績60点)
〈関連科目について〉
応用数学Aなど
注意点:
課題は期限までに提出すること.
他の科目も含め,回路について学んだ知識は,コンピュータを利用したハードウェア記述言語による回路設計において,理論的に裏付けされた回路解析技術へとつながるので,しっかりと学んでほしい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気回路の復習 電圧,電流,インピーダンス,アドミタンスと直列接続,並列接続,キルヒホッフの法則について正しく回路計算をすることができる
2週 電気回路の復習 重ねの理,テブナンの定理,電磁結合回路,変圧器結合,電力について正しく回路計算をすることができる
3週 2端子対回路 2端子対回路の特性としてZ,Y,G,H,Fパラメータを説明することができる
4週 2端子対回路 2端子対回路の特性としてZ,Y,G,H,Fパラメータを回路計算から求めることができる
5週 2端子対回路 2端子対回路の特性としてZ,Y,G,H,Fパラメータを相互に変換することができる
6週 2端子対回路 2端子対回路の直列接続,並列接続,縦続接続について回路計算から解析することができる
7週 2端子対回路 2端子対回路について入力と出力のインピーダンス,電圧と電流の増幅度を計算することができる
8週 2端子対回路 2端子対回路のT形とπ形等価回路と等価電源について回路計算をすることができる
2ndQ
9週 伝送線路 集中定数回路と分布定数回路について説明することができる
10週 伝送線路 分布定数回路での正弦波の伝搬について説明することができる
11週 伝送線路 分布定数回路での入射波,反射波,進行波,定在波について説明することができる
12週 伝送線路 分布定数回路での伝搬定数,伝搬速度について計算することができる
13週 伝送線路 分布定数回路の基礎方程式について説明することができる
14週 伝送線路 分布定数回路の基礎方程式を用いて無限長線路,無ひずみ線路について計算することができる
15週 伝送線路 分布定数回路の基礎方程式を用いて平行線路,同軸線路について計算することができる
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 伝送線路 無損失線路上での開放と短絡,波動の反射と透過について計算することができる
2週 伝送線路 無損失線路上での進行波と定在波,定在波非について計算することができる
3週 定常現象と過渡現象 定常現象と過渡現象について説明することができる
4週 過渡現象 L回路,C回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができる
5週 過渡現象 LR回路,CR回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができる
6週 過渡現象 LCR回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができる
7週 過渡現象 回路の微分方程式や信号波形をラプラス変換及び逆変換することができる
8週 過渡現象 ラプラス変換を用いてL回路,C回路の過渡現象を解析することができる
4thQ
9週 過渡現象 ラプラス変換を用いてLR回路,CR回路,LCR回路の過渡現象を解析することができる
10週 過渡現象 ラプラス変換を用いてインディシャル応答とインパルス応答について説明することができる
11週 非正弦波交流回路 非正弦波交流とそれらをフーリエ級数展開した直流とcos,sin成分,スペクトルについて説明することができる
12週 非正弦波交流回路 非正弦波の実効値,ひずみ率,波高率,波形率について計算することができる
13週 非正弦波交流回路 非正弦波交流回路の瞬時電力,有効電力,皮相電力,力率,有効電力について計算することができる
14週 非正弦波交流回路 非正弦波電圧が印加されたR回路,L回路,C回路に流れる非正弦波電流について計算することができる
15週 非正弦波交流回路 非正弦波電圧が印加されたRL回路,RC回路に流れる非正弦波電流について計算することができる
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合9000550100
基礎的能力0000000
専門的能力9000550100
分野横断的能力0000000