電子回路Ib

科目基礎情報

学校	釧路工業高等専門学校	開講年度	令和03年度 (2021年度)
授業科目	電子回路Ib
科目番号	0037	科目区分	専門 / 必修
授業形態	講義	単位の種別と単位数	履修単位: 2
開設学科	電子工学分野	対象学年	3
開設期	通年	週時間数	2
教科書/教材	コロナ社　電子回路　検定教科書、参考書 ：コロナ社‘基礎電子回路‘　原田耕介他　オーム社‘電子回路（1）、電子回路（2）　雨宮好文等
担当教員	大前 洸斗

到達目標

基本的なアナログ回路の種類や動作を理解、説明することができる。
電子回路で使う等価回路を記述でき、これを用いた基本的なアナログ回路の電気的特性を計算できる。
増幅回路などの基本的な電子回路の回路設計ができる。

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1 ダイオード回路の種類と動作	基本的なダイオード回路の種類や動作を等価回路を用いて理解、説明することができ、入出力電圧波形を適切に考察できる	基本的なダイオード回路の種類や動作を理解、説明することができ、出力電圧を計算できる	基本的なアナログ回路の種類や動作を理解、説明することができない
評価項目2 トランジスタ増幅回路	トランジスタ増幅回路の動作点や最大出力電圧電流を計算でき，等価回路を用いて電圧増幅度や入出力インピーダンスを計算できる	等価回路を用いて，トランジスタ増幅回路電圧増幅度や入出力インピーダンスを計算できる	トランジスタ増幅回路の動作を説明できない
評価項目3 トランジスタ回路の電力効率と電力計算	基本的な増幅回路の電力効率を計算でき， 適切に考察できる	基本的な増幅回路の電力効率を計算できる	基本的な増幅回路の電力効率の定義について説明できない
評価項目4 FET回路	JFET増幅回路の動作点や最大出力電圧電流を計算でき，等価回路を用いて電圧増幅度や入出力インピーダンスを計算できる	等価回路を用いて，JFET増幅回路電圧増幅度や入出力インピーダンスを計算できる	JFET増幅回路の動作を説明できない
評価項目5 演算増幅回路	基本的な演算増幅回路の動作を等価回路を用いて説明でき，回路設計ができる	基本的な演算増幅回路の動作を等価回路を用いて説明でき，入出力の関係を計算できる	演算増幅回路の動作を説明できない
評価項目6 発振，変調，復調回路および同調増幅回路	発振，変調，復調回路および同調増幅回路の回路設計ができる	発振，変調，復調回路および同調増幅回路の動作が説明できる	発振，変調，復調回路または同調増幅回路の動作が説明できない
評価項目7 電源回路	電源回路の基本的な機能と動作が説明できる	電源回路の基本的な構成を説明できる	電源回路の基本的な構成を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C （（技術的課題を解決できるように）　工学の幅広い基礎知識（数学，自然科学，情報技術，基礎工学）を修得し，それらを応用する能力を身につける。）

教育方法等

概要:

能動部品の代表であるダイオード，トランジスタ，JFET，OPアンプの電気特性や、それを用いた基本的回路の構成と電気的特性を理解する。電化製品に使われている基本的増幅回路等の機能やその回路動作を学習し、回路設計の基本を理解するとともに、工学の幅広い基礎知識を取得する。

授業の進め方・方法:

授業は講義形式で行い、電子工学分野で用意した演習書をもとに、概要で説明した内容を学ぶ。
合否判定　4回の定期試験（80％），小テスト（20％）で評価し，満点の6割以上であること。
最終評価　合否判定と同じ。
再試験は　定期試験で60点に満たなかった範囲の試験を受け，60点以上で合格とする。
《関連科目：電子工学基礎、電子回路Ⅱb》

注意点:

講義と演習を組み合わせながら授業を進める。演習時に電卓が必要となるので持参すること。
電気回路の知識や電子工学基礎で学んだ知識が必要になる。
基礎的な回路計算の方法や素子の特性を理解しておくことが必要となる。

遠隔授業対応のため当初のものから変更箇所があります．

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	1．電子回路授業のガイダンス	授業の進め方や2年時までに学んだ内容（ダイオードとトランジスタ）を復習し確認する。
		2週	2．ダイオードによる波形変換回路（１）	ダイオード素子の電気的特性を説明できる。 並列型クリッパ回路とリミッタ回路の役割と入出力特性を説明できる。
		3週	2．ダイオードによる波形変換回路（２）	ダイオードとコンデンサを組み合わせた回路（クランパ回路）の役割と入出力特性を説明できる。
		4週	2．ダイオード特性と波形変換回路の演習	ダイオード特性と波形変換回路の演習問題が解ける。
		5週	3．トランジスタ増幅回路（１）	NPNバイポーラトランジスタ素子がなぜベース電流でコレクタ電流を制御できるのか説明できる。
		6週	3．トランジスタ増幅回路（２）	固定バイアスのエミッタ接地回路の動作点を計算できる。
		7週	3．トランジスタ増幅回路（３）	エミッタ接地回路を等価回路で表現でき，増幅度、入出力インピーダンスの計算ができる。
		8週	3．トランジスタ増幅回路（４）	エミッタ接地回路の電源から供給される平均電力を計算できる。
	2ndQ
		9週	3．トランジスタ増幅回路（５）	エミッタ接地回路の交流出力電力と電力効率を計算できる。
		10週	3．トランジスタ増幅回路の復習（１）	ここまでの内容を復習する。
		11週	3．トランジスタ増幅回路の復習（２）	ここまでの内容を復習する。
		12週	前期中間試験
		13週	3．トランジスタ増幅回路（６）	A級とB級の電力増幅回路の動作を説明できる。
		14週	4．電界効果トランジスタ（１）	JFETの特徴，特性，動作原理，A級増幅の回路構成を説明できる。
		15週	4．電界効果トランジスタ（２）	A級増幅回路の等価回路が書けて、電圧増幅度とインピーダンスを計算できる。
		16週	前期末試験
後期
	3rdQ
		1週	5．発振・変調・復調回路（１）	コレクタ同調形発振回路の動作原理を説明できる。
		2週	5．発振・変調・復調回路（２）	コレクタ変調回路の動作原理を説明できる。
		3週	5．発振・変調・復調回路（３）	ダイオード復調回路の動作原理を説明できる。
		4週	5．発振・変調・復調回路の演習	発振・変調・復調回路の演習問題が解ける。
		5週	6．周波数選択増幅回路（１）	周波数選択増幅回路の動作原理を説明できる。
		6週	6．周波数選択増幅回路（２）	周波数選択増幅回路の同調周波数と電圧増幅度を求められる。
		7週	6．周波数選択増幅回路（３）	周波数選択増幅回路に関する問題が解ける。
		8週	後期中間試験
	4thQ
		9週	7．OPアンプ（１）	OPアンプの特徴，特性，動作原理を説明できる。 反転増幅回路の入出力関係を計算できる。
		10週	7．OPアンプ（２）	OPアンプを使った非反転回路の出力電圧を計算できる。
		11週	7．OPアンプ（３）	OPアンプを使った積分回路の出力電圧を計算できる。
		12週	7．OPアンプの演習	OPアンプ回路の演習問題が解ける。
		13週	8．電源回路（半波整流，全波整流，平滑回路）	直流電源回路の特徴，特性，動作原理を説明できる。
		14週	8．電源回路（三端子レギュレータ，電圧変動率）	三端子レギュレータの使い方を説明できる。直流の電圧変動率を計算できる。
		15週	8．電源回路の復習	ここまでの内容を復習する。
		16週	後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類		分野	学習内容	学習内容の到達目標	到達レベル	授業週
専門的能力	分野別の専門工学	電気・電子系分野	電子回路	ダイオードの特徴を説明できる。	4
				バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。	4
				FETの特徴と等価回路を説明できる。	4
				利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。	4
				トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。	4
				演算増幅器の特性を説明できる。	3
				演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。	3
				発振回路の特性、動作原理を説明できる。	4
				変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。	4

評価割合

	試験	発表	相互評価	態度	ポートフォリオ	小テスト	合計
総合評価割合	80	0	0	0	0	20	100
基礎的能力	0	0	0	0	0	0	0
専門的能力	80	0	0	0	0	20	100
分野横断的能力	0	0	0	0	0	0	0