電磁気学I

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学I
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子工学分野 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 テキスト  小塚 洋司: 電気磁気学(森北)参考書安達,大貫:電気磁気学(森北) 演習電気磁気学(森北) 金古:電磁気学の基礎と演習(学献社)後藤 他:詳解電気磁気学演習(共立)
担当教員 斉藤 直輝

到達目標

1 真空中の電界,電位などの数式的な取り扱いができる.
2 クーロンの法則に基づく計算ができる.
3 ガウスの定理を理解し,計算できる.
4 誘電体中の電界,電位などの数式的な取り扱いができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1真空中の電界,電位について数式的に理解し,空間的な場と対応づけて把握し取り扱うことができる.真空中の電界,電位について数式的に理解し,取り扱いができる.真空中の電界,電位についての数式的な表現が理解できない.
評価項目2実際の場を理解したうえでクーロンの法則を適用し計算ができる.クーロンの法則に基づく計算ができる.クーロンの法則が理解できない.
評価項目3ガウスの定理を電気力線と対応付けて理解し計算することができる.ガウスの定理を電気力線と対応付けて理解できる.ガウスの定理が理解できない.
評価項目4誘電体中および真空中の電界,電位の違いを理解し,空間的な場と対応付けて把握し,数式的に取り扱うことができる.誘電体中および真空中の電界,電位の違いを理解し数式的に取り扱うことができる.誘電体中および真空中の電界,電位の違いが理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第2学年までに学習した電圧,電流の概念を発展させ,電界,磁界といった場の概念を理解する.電界や磁界に関わる諸現象を物理的,数学的に捉えることによって,その本質と電子工学のつながりを理解する.
第3学年では主に静電界について学習する.
授業の進め方・方法:
合否判定:4回の定期試験の結果の平均が60点以上であること.
最終評価:4回の定期試験の結果の平均(90%)+ 提出課題点 (10%)
前期末試験終了後に2回の定期試験の平均点が60点未満の者については,再試験を行う.再試験の点数が60点以上で前期中間試験および期末試験の点数を60点として合否判定を行う.
後期末試験終了後の合否判定で「否」の者については,再試験を行う.再試験の点数が60点以上で合格とする.
なお,各再試験の受験資格は全ての演習課題の提出を条件とする.
また,合否判定に再試験の点数を考慮した場合の最終評価は60点とする.
注意点:
内容が抽象的なので,その描像を自分なりにイメージするよう努力すること.
ベクトル演算,偏微分,積分といった3学年までの数学で学習する内容が必要となるため適宜,数学の予習・復習を行うこと.
難しく感じる内容を取り扱うが,演習問題を数多く解くことで,ある程度対応できるため,授業中の演習には積極的に取り組むこと.
演習課題は期日までに提出すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電荷とクーロンの法則(1) クーロンの法則を説明できる.
2週 電荷とクーロンの法則(2) 複数個の電荷間に働くクーロン力をスカラーで計算できる.
3週 電荷とクーロンの法則(3) 複数個の電荷間に働くクーロン力をベクトルで計算できる.
4週 電界(1) 電界の定義を説明できる.
5週 電界(2) 複数個の点電荷により生じる電界の強さをスカラーで計算できる.
6週 電界(3) 複数個の点電荷により生じる電界をベクトルで計算できる.
7週 電気力線 電気力線から電界のイメージをつかめる.
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 ベクトル解析の基礎 スカラー場とベクトル場の違いについて説明できる.
スカラー場の関数について勾配が計算できる.
10週 電位(1) 電位・電位差の定義を説明できる.
11週 電位(2) 電界の強さを利用して電位・電位差が計算できる.
12週 電位(3) 電位・電位差を利用して電界の強さが計算できる.
13週 真空中のガウスの定理(1) ガウスの定理を説明できる.
14週 真空中のガウスの定理(2) 帯電体の形状が球・円筒である場合に,ガウスの定理により電界が計算できる.
15週 真空中のガウスの定理(3) 帯電体の形状が平板である場合に,ガウスの定理により電界が計算できる.
16週 前期期末試験:実施する
後期
3rdQ
1週 電気双極子 電気双極子によって生ずる電界を計算できる.
2週 導体と静電界(1) 導体における電荷の分布と電界の関係を説明できる.
3週 導体と静電界(2) 中空導体の電界と電位が計算できる.
4週 導体と静電界(3) 導体系の電位係数と誘導・容量係数が計算できる.
5週 静電容量(1) 静電容量の定義を説明できる.
6週 静電容量(2)
導体球の静電容量が計算できる.
7週 静電容量(3) 導体円筒・平行平板コンデンサの静電容量が計算できる.
8週 後期中間試験:実施する
4thQ
9週 誘電体と誘電率(1) 誘電体と誘電率について説明できる.
10週 誘電体と誘電率(2) 誘電体中の電界と分極の関係を説明できる.
11週 電束についてのガウスの定理(1) 電束についてのガウスの定理を説明できる.
12週 電束についてのガウスの定理(2) ガウスの定理を用いて誘電体の電束密度と電界の強さが計算できる.
13週 誘電体の境界条件 複数の誘電体が互いに接しているときの電束密度と電界の強さが計算できる.
14週 可変コンデンサの原理と構造 可変コンデンサの原理と構造を説明できる.
15週 電界の特殊解法の概要 電界の特殊解法の概要を説明できる.
16週 後期期末試験:実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2前1,前2,前3,前8,後1
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前16,後1,後12
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2前9,前13,前14,前15,前16,後13,後14,後16
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。2後2,後3,後4,後8
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2後5,後6,後7,後8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力5000001060
分野横断的能力400000040