電子回路Ib

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子回路Ib
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子工学分野 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電子回路 検定教科書(コロナ社) / 参考書 :なっとくする電子回路 藤井信生(講談社),教えて?わかった!アナログ電子回路 小浜/輝彦(オーム社)
担当教員 大前 洸斗,渡邊 駿

到達目標

基本的なアナログ回路の種類や動作を理解、説明することができる。
電子回路で使う等価回路を記述でき、これを用いた基本的なアナログ回路の電気的特性を計算できる。
増幅回路などの基本的な電子回路の回路設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 ダイオード回路の種類と動作基本的なダイオード回路の種類や動作を等価回路を用いて理解、説明することができ、入出力電圧波形を適切に考察できる基本的なダイオード回路の種類や動作を理解、説明することができ、出力電圧を計算できる 基本的なアナログ回路の種類や動作を理解、説明することができない
評価項目2 トランジスタ増幅回路トランジスタ増幅回路の動作点や最大出力電圧電流を計算でき,等価回路を用いて電圧増幅度や入出力インピーダンスを計算できる等価回路を用いて,トランジスタ増幅回路電圧増幅度や入出力インピーダンスを計算できるトランジスタ増幅回路の動作を説明できない
評価項目3 FET回路FETの特徴を説明でき,等価回路で表現できるFETの特徴を説明できるFETの動作を説明できない
評価項目4 発振,変調,復調回路発振,変調,復調回路の回路設計ができる発振,変調,復調回路の動作が説明できる発振,変調,復調回路の動作が説明できない
評価項目5 演算増幅回路基本的な演算増幅回路の動作を等価回路を用いて説明でき,回路設計ができる基本的な演算増幅回路の動作を等価回路を用いて説明でき,入出力の関係を計算できる演算増幅回路の動作を説明できない
評価項目6 直流電源回路直流電源の基本的な機能と動作が説明できる直流電源の基本的な構成を説明できる直流電源の基本的な構成を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
能動部品の代表であるダイオード,トランジスタ,JFET,OPアンプの電気特性や、それを用いた基本的回路の構成と電気的特性を理解する。電化製品に使われている基本的増幅回路等の機能やその回路動作を学習し、回路設計の基本を理解するとともに、工学の幅広い基礎知識を取得する。
授業の進め方・方法:
並行して行われる電子工学実験の回路を扱う。
合否判定 定期試験の合計の平均で評価し,満点の6割以上であること。
最終評価 合否判定と同じ。
不合格の場合は再試験をおこない,60点以上で最終評価を60点とする。
ただし,前期の成績が55点以上の場合には追加課題を提出することで前期分を60点とする。
《関連科目:電子工学基礎、電子回路Ⅱb》
注意点:
2年生で学んだ内容を適宜復習しながら授業を進める。 高専は座学で学んだ内容を実験で確かめる教育法を採用している。電子工学実験の進捗に合わせて授業を進めるため,実験やレポートの考察に役立ててほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期範囲の概論 授業の内容について確認する
2週 ダイオードの応用 ダイオード素子の電気的特性を説明できる。
正弦波を方形波にする方法を説明できる
3週 トランジスタ回路の復習 バイポーラトランジスタの機能を説明できる
交流信号の電圧増幅の必要性を説明できる
4週 トランジスタ増幅回路 固定バイアスについて説明できる
5週 トランジスタ増幅回路 最大出力電圧を求められる固定バイアスを使ったエミッタ接地回路の電圧増幅度を求められる
6週 トランジスタ増幅回路 エミッタ接地回路を等価回路で表し、入出力インピーダンスを計算できる
7週 まとめ ここまでの内容を復習する
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 エミッタフォロワ回路 エミッタ接地回路とエミッタフォロワ回路の役割の違いを説明できる
10週 B級増幅回路 A級とB級の動作点の違い,クロスオーバー歪みについて説明できる
11週 B級増幅回路 B級増幅回路の動作と特徴を説明できる
12週 接合型電界効果トランジスタ N-ch JFETの特徴と動作を説明できる。バイポーラトランジスタとの違いを説明できる。等価回路記号を書ける。
13週 接合型電界効果トランジスタ 集積回路上のJFETの構造を説明できる。バイポーラトランジスタとの違いを説明できる
14週 接合型電界効果トランジスタ JFETを使ったA級増幅回路について説明できる
15週 まとめ ここまでの内容を復習する
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 後期範囲の概論 授業の内容について確認する
2週 発振回路 コレクタ同調形発振回路の動作原理を説明できる
3週 変調回路と復調回路 コレクタ変調回路とダイオード復調回路の動作原理を説明できる
4週 中間周波数増幅回路 中間周波数増幅回路の仕組みを説明できる
5週 AM波の性質 変調度や過変調について説明できる
6週 AM波の受信 AM波の受信回路について説明できる
7週 まとめ ここまでの内容を復習する
8週 後期中間試験
4thQ
9週 集積回路の概論 集積回路について説明できる
10週 オペアンプ回路 OPアンプ単体の特徴ついて説明できる
反転増幅回路の出力電圧を計算できる
11週 オペアンプ回路 非反転増幅回路と積分回路について説明できる
12週 直流安定化電源の特性 リプルや負荷特性の評価方法を説明できる
13週 トランジスタによる安定化電源回路 トランジスタによる安定化電源回路の仕組みを説明できる
14週 固定電圧レギュレータIC 三端子レギュレータの使い方を説明できる
15週 まとめ ここまでの内容を復習する
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前2
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前3,前4,前5,前6,前7
FETの特徴と等価回路を説明できる。3前12,前13,前14,前15
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前5,前6,前7,前9,前10,前11
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前4
演算増幅器の特性を説明できる。2後9
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。2後10,後11
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4後2
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4後3
電子工学電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。2前12,前13,前14

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00