半導体工学I

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 半導体工学I
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学分野 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 森北出版 ‘半導体工学 高橋 清著  参考書  電気大出版局 半導体工学     丸善 C. Kittel著, 山下次郎訳「キッテル固体物理学入門、上下」  電子工学科で作成した半導体工学の演習書     
担当教員 坂口 直志

到達目標

・原子の構造を理解し基礎的量子現象を説明できる。
・電子の性質を理解し、固体材料中の電子のエネルギーが帯構造になることを説明
できる。 考察できる。
・半導体の電気的特性や物理的特性の基本を理解し、PN接合構造を用いた基礎的な
電子部品の構造や電気特性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 ・原子の構造を理解し基礎的量子現象を説明できる。・原子の構造を理解し基礎的量子現象を説明でき、適切に考察できる。・原子の構造を理解し基礎的量子現象を説明でき、考察できる。・原子の構造を理解し基礎的量子現象を説明できない。
評価項目2 電子の性質を理解し、固体材料中の電子のエネルギーが帯構造になることを説明 できる。 電子の性質を理解し、固体材料中の電子のエネルギーが帯構造になることを説明 でき、適切に考察できる。 電子の性質を理解し、固体材料中の電子のエネルギーが帯構造になることを説明 でき、考察できる。電子の性質を理解し、固体材料中の電子のエネルギーが帯構造になることを説明 できない。
評価項目3 ・半導体の電気的特性や物理的特性の基本を理解し、PN接合構造を使った基礎的な 電子部品の構造や電気特性を説明できる。 ・半導体の電気的特性や物理的特性の基本を理解し、PN接合構造を使った基礎的な 電子部品の構造や電気特性を説明でき、適切に考察できる。・半導体の電気的特性や物理的特性の基本を理解し、PN接合構造を使った基礎的な 電子部品の構造や電気特性を説明でき、考察できる。・半導体の電気的特性や物理的特性の基本を理解し、PN接合構造を使った基礎的な 電子部品の構造や電気特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は、半導体材料の電気特性を最小限の量子論を用いて学び、半導体の接合や
その電気的特性を理解する。その後、PN接合構造を使った基本的な半導体デバイスの
動作及び電気的特性を理解し 半導体材料やデバイスの基礎知識を習得し、応用する
ための基本を身につける。
授業の進め方・方法:
授業は座学形式で実施し、概要で示した目標理解を目指す。

評価は合否判定 2回の定期テストの平均点が60点(100点満点)を超えていること
最終評価 2回の定期テストの平均点が90%と演習等の平均点10%で評価する、
(テストの平均が60に満たない場合は、点数が満たされないテスト範囲 (授業範囲)で再試験を行う。再試験は筆記試験で実施し、60点以上を 合格とする。)

教科書 森北出版 ‘半導体工学 高橋 清著 
参考書 電気大出版局 半導体工学
      工学図書 ‘固体電子材料
      丸善 C. Kittel著, 山下次郎訳「キッテル固体物理学入門、上下」
      また項目ごとに、参考プリントおよび演習問題をを配布するので、有効に活用して下さい。


(関連科目 : 電子材料Ⅰ、電磁気学Ⅰ、半導体工学Ⅱ、電子材料Ⅱ)
注意点:
授業中には演習がありその際電卓を使います。電卓を用意して下さい。また 4年生で学習
した電子材料Ⅰの基礎知識は必ず必要になります。基礎知識を理解しておいてください。なお
演習やレポート提出も増えてきます。自ら考え学習しできる自学自習の習慣を身につけてください。

講義はプロジェクターを使用することが多く、配布資料に沿って行います。また、配布資料
が多くなるので、それを綴じるファイルを用意してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.半導体工学のガイダンス(1回)
・半導体が発見された時考えられた基本的現象を理解し、基本的電子部品の概要を説明できる。

2週 2.半導体材料の歴史と基本的量子力学(1)
・光や電子の波動性と粒子性を理解し、基本的量子現象が説明できる。
3週 2.半導体材料の歴史と基本的量子力学(2)
・光や電子の波動性と粒子性を理解し、基本的量子現象が説明できる。
4週 3.波動方程式の基礎(1)
・シュレーデインガーの波動方程式の使い方を学び代表的な計算事例が理解できる。
5週 3.波動方程式の基礎(2)
・シュレーデインガーの波動方程式の使い方を学び代表的な計算事例が理解できる。
6週 3.波動方程式の基礎(3)
・シュレーデインガーの波動方程式の使い方を学び代表的な計算事例が理解できる。
7週 4.固体の帯理論の定性的説明(1) ・材料によるエネルギーのバンド構造の違いを説明できる。
8週 前期中間試験 ・7週までの理解度を確認する。
2ndQ
9週 5.エネルギーバンドの確認(1)


・エネルギーバンドの復習と金属と半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
10週 6.エネルギー分布則とその種類(1)
・エネルギー分布則の違いを理解できる
11週 6.エネルギー分布則とその種類(2)
・エネルギー分布則の違いと理解できる
12週 7.半導体の電気伝導(1) ・半導体の電気抵抗の基本的計算が理解できる。
13週 7.半導体の電気伝導(2) ・半導体の電気抵抗の基本的計算が理解できる。
14週 8.PN接合の電圧一電流特性(1) ・PN接合の電圧一電流特性を説明できる。
15週 8.PN接合の電圧一電流特性(2) ・PN接合の電圧一電流特性を理解し、簡単な計算ができる。
16週 前期末試験 ・15週までの理解度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000