1. コンピュータにおける数値の扱いについて説明できる。
2. 数値計算問題を,アルゴリズムに従って計算し,解くことができる。
3. 数値計算問題を,C言語を用いて実際に解くことができる。
概要:
この講義の目標は,数値解析の手法を学ぶことによって,コンピュータにおける計算の問題を扱うことができるようになることである。工学において解決すべき問題は,定式化されても数学的な手法では解くことができない場合も多いことから,数値解析を用いて解を得ることは現実的な需要も高い。この科目では,そうした数値解析に関する考え方と実践的な方法を学んでいく。
授業の進め方・方法:
線形代数や解析学等の数学における理論と,コンピュータによるプログラミング実践との両方の内容を扱うため,これまでに学習した数学とプログラミングの内容を必要に応じて復習すること。 テーマごとにプログラミング課題がある。
合否判定:定期試験(2回)の平均60点以上を合格とする
最終評価:定期試験(2回)の平均+課題提出(最大10点)
再試験:合否判定において不合格の場合,再試験を受験し60点以上であれば合格とし最終評価を60点とする。
前関連科目:数学,プログラム言語Ⅰ・Ⅱ
後関連科目:計測工学
注意点:
数学的な原理を理解したうえで,計算とプログラムができるようにしてください。 数学で学んだ内容を別な視点から捉え直し,理解を深めることを期待します。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 誤差と有効桁数 |
講義の目的,全体像および進め方がわかる。 真値と近似値から絶対誤差および相対誤差誤差を求めることができる。有効桁数を求めることができる。
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2週 |
コンピュータでの数の表現 |
10進数の実数と,固定小数点の2進数表現およびIEEE754浮動小数点数との変換ができる。
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3週 |
非線形方程式 |
二分法,ニュートン法を用いて非線形方程式の解を求めることができる。
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4週 |
連立一次方程式(1) |
ガウスの消去法とLU分解を用いて連立一次方程式を解く計算ができる。
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5週 |
連立一次方程式(2) |
ガウスの消去法とLU分解を用いて連立一次方程式を解くことができる。
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6週 |
線形計画問題(1) |
連立一次方程式の解法を利用して,簡単な線形計画問題を解くことができる。
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7週 |
線形計画問題(2) |
連立一次方程式の解法を利用して,簡単な線形計画問題を解くことができる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
補間法(1) |
ラグランジュの補間法を用いて補間多項式を求めることができる。
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10週 |
補間法(2) |
ラグランジュの補間法を用いて補間多項式を求めることができる。
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11週 |
最小二乗法(1) |
最小二乗法を用いて近似多項式を求めることができる。
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12週 |
最小二乗法(2) |
最小二乗法を用いて近似多項式を求めることができる。
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13週 |
数値積分 |
台形公式,シンプソンの公式を用いて数値積分を求めることができる。
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14週 |
微分方程式(1) |
ルンゲ・クッタ法を用いて微分方程式を解くことができる。
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15週 |
微分方程式(2) |
ルンゲ・クッタ法を用いて微分方程式を解くことができる。
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16週 |
期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。 | 3 | |
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 3 | |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。 | 3 | |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。 | 3 | |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | |