数値解析

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 数値解析
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子工学分野 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:Cによる数値計算法入門 第2版新装版(堀之内總一ほか,森北出版),参考書:数値計算法基礎(田中敏幸,コロナ社),数値計算の常識(伊理正夫ほか,共立出版)
担当教員 山田 昌尚

到達目標

1. コンピュータにおける数値の扱いについて説明できる。
2. 数値計算問題を,アルゴリズムに従って計算し,解くことができる。
3. 数値計算問題を,C言語を用いて実際に解くことができる。
4. データ駆動型社会においてデータサイエンスを学ぶことの意義を説明できる。
5. データ分析の⽬的に応じて適切なデータ分析⼿法やデータ可視化⼿法を選択できる。
6. データを収集・処理・蓄積するための技術の概要を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. コンピュータにおける数値の扱いについて説明できる。コンピュータにおける数値の扱いについて具体的な値にもとづいて誤差を評価しながら説明できる。コンピュータにおける数値の扱いについて具体的な値にもとづいて説明できる。コンピュータにおける数値の扱いについて説明できない。
2. 数値計算問題を,アルゴリズムに従って計算し,解くことができる。数値計算問題を,アルゴリズムに従って正確に計算し,解くことができる。数値計算問題をアルゴリズムに従ってある程度正確に計算し解くことができる。数値計算問題をアルゴリズムに従って計算し解くことができない。
3. 数値計算問題を,C言語を用いて実際に解くことができる。 数値計算問題を解くプログラムをC言語で自力で書き,解くことができる。 サンプルプログラム等が与えられればそれを変更することで,数値計算問題をC言語を用いて解くことができる。 数値計算問題のアルゴリズムをC言語を用いて解くことができない。
4. データ駆動型社会においてデータサイエンスを学ぶことの意義を説明できる。データ駆動型社会の特徴とデータサイエンスを学ぶことの意義を具体的に説明できる。データ駆動型社会の特徴とデータサイエンスを学ぶことの意義を説明できる。データ駆動型社会の特徴とデータサイエンスを学ぶことの意義をどちらも説明できない。
5. データ分析の⽬的に応じて適切なデータ分析⼿法やデータ可視化⼿法を選択できる。データ分析の⽬的に応じて適切なデータ分析⼿法やデータ可視化⼿法を選択し,実際にデータ分析や可視化ができる。データ分析の⽬的に応じて適切なデータ分析⼿法やデータ可視化⼿法を選択できる。データ分析⼿法やデータ可視化⼿法を選択できない。
6. データを収集・処理・蓄積するための技術の概要を説明できる。データを収集・処理・蓄積するための技術の概要を説明し,実践できる。データを収集・処理・蓄積するための技術の概要を説明できる。データを収集・処理・蓄積するための技術を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義の目標は,数値解析の手法を学ぶことによってコンピュータにおける計算の問題を扱うことができるようになること,およびデータサイエンスに関する応用技術の基礎について学び実践できるようになることである。工学において解決すべき問題は定式化されても数学的な手法では解くことができない場合も多いことから数値解析を用いて解を得ることは現実的な需要も高い。また今日のデータ駆動形社会においてビッグデータとそれを処理するデータエンジニアリングを学ぶことの意義は今後ますます重要になると考えられる。この科目では両者を実践的な視点を重視して学んでいく。
授業の進め方・方法:
数学的な取り扱いと,コンピュータによるプログラミング実践との両方の内容を扱うため,これまでに学習した数学とプログラミングの内容を必要に応じて復習すること。 テーマごとにプログラミングまたはデータ処理の課題がある。

合否判定:定期試験(2回)の平均60点以上を合格とする
最終評価:定期試験(2回)の平均+課題提出(最大10点)
再試験:合否判定において不合格の場合,再試験を受験し60点以上であれば合格とし最終評価を60点とする。

前関連科目:数学,プログラム言語Ⅰ・Ⅱ
後関連科目:計測工学
注意点:
数値解析に関しては数学的な原理を理解したうえで,計算とプログラムができるようにしてください。 数学で学んだ内容を別な視点から捉え直し理解を深めることを期待します。データサイエンスに関しては自分なりの視点でデータ駆動社会をとらえ,その関連技術を学んでください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
誤差と有効桁数
講義の目的,全体像および進め方がわかる。
真値と近似値から絶対誤差および相対誤差誤差を求めることができる。有効桁数を求めることができる。
2週 コンピュータでの数の表現 10進数の実数と,固定小数点の2進数表現およびIEEE754浮動小数点数との変換ができる。
3週 非線形方程式 二分法,ニュートン法を用いて非線形方程式の解を求めることができる。
4週 最小二乗法と回帰分析(1) 最小二乗法を用いて近似多項式を求めることができる。単回帰分析,重回帰分析の意味と計算方法を説明できる。
5週 最小二乗法と回帰分析(2) 最小二乗法を用いて近似多項式を求めることができる。単回帰分析,重回帰分析の意味と計算方法を説明できる。
6週 数値積分(1) 台形公式,シンプソンの公式を用いて数値積分を求めることができる。
7週 数値積分(2) 台形公式,シンプソンの公式を用いて数値積分を求めることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 微分方程式(1) ルンゲ・クッタ法を用いて微分方程式を解くことができる。
10週 微分方程式(2) ルンゲ・クッタ法を用いて微分方程式を解くことができる。
11週 データ駆動型社会とデータサイエンス データ駆動型社会においてデータサイエンスを学ぶことの意義を説明できる。
12週 データ分析とその設計(1) データ分析の⽬的に応じて適切なデータ分析⼿法やデータ可視化⼿法を選択できる。
13週 データ分析とその設計(2) データ分析の⽬的に応じて適切なデータ分析⼿法やデータ可視化⼿法を選択できる。
14週 ビッグデータとデータエンジニアリング(1) ICT(情報通信技術)の進展とビッグデータが活用されている事例をふまえてデータを収集・処理・蓄積するための技術の概要を説明できる。
15週 ビッグデータとデータエンジニアリング(2) ICT(情報通信技術)の進展とビッグデータが活用されている事例をふまえてデータを収集・処理・蓄積するための技術の概要を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000