概要:
これまで学んできた電気回路網(2端子網)の知識を基礎として,「2端子対網」の考え方に基づく回路解析法,分布定数回路における波形伝搬に関する解析法,インダクタンスやキャパシタンスを含む回路の過渡現象に関する解析法,非正弦波交流回路における解析法を理解することを目標とする.
この科目を習得することにより,電子工学技術者としての基礎的な回路解析技術を修得する.
授業の進め方・方法:
〈授業の進め方について〉
座学形式
〈必要な用具について〉
筆記用具,電卓
〈前提知識について〉
電気回路Ⅰb,電気回路Ⅱbなど
〈成績評価項目について〉
定期試験,課題(Excel課題,導出課題など)
〈合否判定について〉
合格条件:4回の定期試験(前期中間試験と前期末試験,後期中間試験,後期末試験)の平均点が60点以上
〈成績評価方法について〉
合格条件を満たした者は定期試験に課題点を加減したものが最終成績となる
〈再試験評価方法について〉
合格条件を満たさない者は60点未満の定期試験(前期中間試験と前期末試験,後期中間試験,後期末試験)に再試験を課し,再試験の全てが60点以上で合格(最終成績60点)
〈関連科目について〉
応用数学Aなど
注意点:
課題は期限までに提出すること.
他の科目も含め,回路について学んだ知識は,コンピュータを利用したハードウェア記述言語による回路設計において,理論的に裏付けされた回路解析技術へとつながるので,しっかりと学んでほしい.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電気回路の復習 |
電圧,電流,インピーダンス,アドミタンスと直列接続,並列接続,キルヒホッフの法則について正しく回路計算をすることができる
|
2週 |
電気回路の復習 |
重ねの理,テブナンの定理,電磁結合回路,変圧器結合,電力について正しく回路計算をすることができる
|
3週 |
2端子対回路 |
2端子対回路の特性としてZ,Y,G,H,Fパラメータを説明することができる
|
4週 |
2端子対回路 |
2端子対回路の特性としてZ,Y,G,H,Fパラメータを回路計算から求めることができる
|
5週 |
2端子対回路 |
2端子対回路の特性としてZ,Y,G,H,Fパラメータを相互に変換することができる
|
6週 |
2端子対回路 |
2端子対回路の直列接続,並列接続,縦続接続について回路計算から解析することができる
|
7週 |
2端子対回路 |
2端子対回路について入力と出力のインピーダンス,電圧と電流の増幅度を計算することができる
|
8週 |
2端子対回路 |
2端子対回路のT形とπ形等価回路と等価電源について回路計算をすることができる
|
2ndQ |
9週 |
伝送線路 |
集中定数回路と分布定数回路について説明することができる
|
10週 |
伝送線路 |
分布定数回路での正弦波の伝搬について説明することができる
|
11週 |
伝送線路 |
分布定数回路での入射波,反射波,進行波,定在波について説明することができる
|
12週 |
伝送線路 |
分布定数回路での伝搬定数,伝搬速度について計算することができる
|
13週 |
伝送線路 |
分布定数回路の基礎方程式について説明することができる
|
14週 |
伝送線路 |
分布定数回路の基礎方程式を用いて無限長線路,無ひずみ線路について計算することができる
|
15週 |
伝送線路 |
分布定数回路の基礎方程式を用いて平行線路,同軸線路について計算することができる
|
16週 |
定期試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
伝送線路 |
無損失線路上での開放と短絡,波動の反射と透過について計算することができる
|
2週 |
伝送線路 |
無損失線路上での進行波と定在波,定在波非について計算することができる
|
3週 |
定常現象と過渡現象 |
定常現象と過渡現象について説明することができる
|
4週 |
過渡現象 |
L回路,C回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができる
|
5週 |
過渡現象 |
LR回路,CR回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができる
|
6週 |
過渡現象 |
LCR回路の過渡現象を微分方程式を用いて解析することができる
|
7週 |
過渡現象 |
回路の微分方程式や信号波形をラプラス変換及び逆変換することができる
|
8週 |
過渡現象 |
ラプラス変換を用いてL回路,C回路の過渡現象を解析することができる
|
4thQ |
9週 |
過渡現象 |
ラプラス変換を用いてLR回路,CR回路,LCR回路の過渡現象を解析することができる
|
10週 |
過渡現象 |
ラプラス変換を用いてインディシャル応答とインパルス応答について説明することができる
|
11週 |
非正弦波交流回路 |
非正弦波交流とそれらをフーリエ級数展開した直流とcos,sin成分,スペクトルについて説明することができる
|
12週 |
非正弦波交流回路 |
非正弦波の実効値,ひずみ率,波高率,波形率について計算することができる
|
13週 |
非正弦波交流回路 |
非正弦波交流回路の瞬時電力,有効電力,皮相電力,力率,有効電力について計算することができる
|
14週 |
非正弦波交流回路 |
非正弦波電圧が印加されたR回路,L回路,C回路に流れる非正弦波電流について計算することができる
|
15週 |
非正弦波交流回路 |
非正弦波電圧が印加されたRL回路,RC回路に流れる非正弦波電流について計算することができる
|
16週 |
定期試験 |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | 後11,後12,後13,後14,後15 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 後11,後12,後13,後14,後15 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後11,後12,後13,後14,後15 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 後11,後12,後13,後14,後15 |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2,前3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2,前3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2,前3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | 前1,前2,前3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |