応用物理II

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理II
科目番号 0073 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子工学分野 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:初歩から学ぶ基礎物理学「電磁気・原子」(大日本図書),初歩から学ぶ基礎物理学「力学II」(大日本図書),参考書:初歩から学ぶ基礎物理学「熱・波動」(大日本図書),電磁気・原子 問題集(大日本図書),単位が取れる電磁気学ノート(橋元淳一郎,講談社),単位が取れる力学ノート(橋元淳一郎,講談社),物理学(三訂版)(小出昭一郎,裳華房)
担当教員 浦家 淳博,小久保 慶一

到達目標

電流の作る磁場,電流間や荷電粒子に働く磁気力を計算できる.
電磁誘導の法則を理解し,誘導起電力を導出できる.
簡単な運動方程式を微分方程式として解くことができる.
剛体の回転運動やつりあいを記述できる.
基礎的な量子現象を定性的に説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電流周辺の磁場の基本的な計算公式を,電磁気学の基本法則から導出できる.基本的な公式を用いて,電流周辺の磁場の値を向きも含めて求められる.基本的な公式を用いて,電流周辺の磁場の値をおおむね求められない.
評価項目2電磁誘導が関わる簡単な電気回路での電流を,電磁誘導に基づいて求めることができる.ローレンツ力や誘導起電力を向きも含めて値を求めることができる.ローレンツ力や誘導起電力を公式を用いて,値をおおむね求められない.
評価項目3微積分を用いて力学,熱力学の問題を解くことができ,その現象を説明できる.微積分を用いて力学,熱力学の基本的な問題を解くことができる.微積分を用いて力学,熱力学の問題を解くことができない. 微分方程式として運動方程式をおおむね立てられない.
評価項目4簡単な立体の慣性モーメントの公式を積分を用いて導出できる. 回転運動方程式を立式し,解き,角加速度を求められる. 物理学の発展とその歴史について説明できる.簡単な立体の慣性モーメントの値を求められる. 回転運動方程式を立式し,解き,角加速度を求められる. 物理学の発展とその歴史について答えることができる.回転に関する物理量の値を,定義式からおおむね求められない. 回転運動方程式を解き,角加速度を求められない. 物理学の発展とその歴史について答えることができない.
評価項目5基礎的な量子現象について,粒子と波動の二重性を用いて数値的に解析できる.基礎的な量子現象について,粒子と波動の二重性を用いて定性的な説明ができる.古典論と量子論の違いについて,定性的な説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日常に起こる現象,様々な物理現象を視覚的,数理的にとらえる力を養う.
4学年では特に磁気,質点運動,剛体運動,現代物理の基礎を扱う.
授業の進め方・方法:
演習・実験・試験の際には,関数電卓が必要です.
数値化,図示をする場合は約束事(授業で指示)をふまえた表現が必要です.
ベクトル・微積分の基礎的知識が必要です.2,3年の数学を復習して授業に臨んで下さい.
予習として教科書を熟読してください.
復習として授業中に解いた問題を自身で解き直す習慣を身につけてください.
レポート提出は期日を厳守してください.
合否判定:4回の定期試験(80%)と課題等(20%)とで評価し,満点の6割以上であること.
最終評価:合否判定と同じ.
再試験は,定期試験で60点に満たなかった範囲の試験を受け,60点以上であれば合格.
再試験で合格した者の最終評価は60点とする.
用語や記号を覚えてしまうことで,授業の内容の理解も早まります.
授業は,新しい概念を得るだけでなく,誤った概念や先入観を正す場です.
皆さんの活発な発言が内容を豊かにします.
注意点:
前関連科目:3年応用物理I

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 数式で議論していくための準備をする.
2週 磁気量と磁気力 磁荷の間にはたらく磁気力を計算できる.
3週 磁場,磁力線 磁場,磁力線を図示できる.
4週 電流が作る磁場 電流が作る磁場を図示できる.
5週 ビオ・サバールの法則 直線電流,円電流の作る磁場を導出できる.
6週 アンペールの法則 対称性の高い電流の作る磁場を導出できる.
7週 アンペールの法則 対称性の高い電流の作る磁場を導出できる.
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 直線電流にはたらく磁気力 直線電流にはたらく磁気力を導出できる.
10週 平行電流間にはたらく磁気力 平行電流間にはたらく磁気力を導出できる.
11週 ローレンツ力,磁場中の荷電粒子の運動 荷電粒子にはたらくローレンツ力を導出できる.
12週 電磁誘導の法則 誘導起電力を算出できる.
13週 電磁誘導の法則 誘導起電力を算出できる.
14週 電磁誘導が関わる回路 電磁誘導が関わる簡単な回路を流れる電流を導出できる.
15週 電磁誘導が関わる回路 電磁誘導が関わる簡単な回路を流れる電流を導出できる.
16週 前期期末試験:実施する
後期
3rdQ
1週 位置・速度・加速度 座標を時間で微分し,速度や加速度を求められる.
2週 微分方程式としての運動方程式 微分方程式として運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
3週 微分方程式としての運動方程式 微分方程式として運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
4週 微分方程式としての運動方程式 微分方程式として運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
5週 回転に関する運動方程式 回転に関する運動方程式を解くことができる.
6週 微積分を用いた熱力学 微積分を用いて気体のした仕事を求めることができる.
7週 微積分を用いた熱力学 微積分を用いてエントロピーを求めることができる.
8週 後期中間試験:実施する
4thQ
9週 剛体のつりあい 剛体のつりあいの式を立てて解くことができる.
10週 剛体の慣性モーメント 剛体の慣性モーメントを算出できる.
11週 剛体の慣性モーメント 剛体の慣性モーメントを算出できる.
12週 剛体に関する運動方程式の適用例 定滑車,斜面上の物体などの回転運動の加速度を算出できる.
13週 剛体に関する運動方程式の適用例 定滑車,斜面上の物体などの回転運動の加速度を算出できる.
14週 物理学の発展とその歴史 古典物理学と現代物理学との相違を説明できる.
15週 物理学の発展とその歴史 古典物理学と現代物理学との相違を説明できる.
16週 後期期末試験:実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3後1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3後1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3後1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3後1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3後2,後9
運動方程式を用いた計算ができる。3後3,後4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3後3,後4
運動の法則について説明できる。3後3,後4
力のモーメントを求めることができる。3後5
角運動量を求めることができる。3後5
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3後5
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後9
重心に関する計算ができる。3後9
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後10,後11
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後12,後13
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後6
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後6
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後6
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後6
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後7
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000