建築構造力学II

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建築構造力学II
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学分野 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 テキスト:山田・松本・持田・船戸共著 建築構造力学Ⅱ第3版(森北出版),参考書:最新建築構造力学Ⅰ(森北出版),テキスト建築構造力学Ⅱ(学芸出版社),建築構造力学演習(共立出版)など
担当教員 鈴木 邦康

到達目標

弾性曲線式,モールの定理および仮想仕事法により静定構造物の変形を求めることができる。
変位の境界条件を用いて不静定構造物の応力を求めることができる。
異なる支持条件に対するEulerの座屈荷重を計算することができる。
たわみ角法を用いて不静定構造物の応力を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1仮想仕事法によりラーメンを含む静定構造物の変形を求めることができる。弾性曲線式,モールの定理および仮想仕事法により静定梁の変形を求めることができる。弾性曲線式,モールの定理および仮想仕事法の計算方法を理解できていない。
評価項目2変位の境界条件を用いて不静定梁の応力を求めることができ,モーメント図が作図できる。変位の境界条件を用いて1次不静定梁の応力を求めることができる。梁構造物の安定・不安定の判別ができない。
評価項目3Euler式の適用範囲を理解し,座屈荷重を計算することができる。異なる支持条件に対する部材のEulerの座屈荷重を計算することができる。両端ピンの部材のEulerの座屈荷重を計算することができない。
評価項目4有効剛比を取り入れたたわみ角法を用いて不静定構造物の応力を求めることができる。たわみ角法を用いて節点移動のある不静定構造物の応力を求めることができる。たわみ角法を用いて節点移動のない 不静定構造物の応力を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
静定構造物の変形を求める解法について学ぶ。
次に,力(モーメント)のつり合いのみでは応力を求めることができない不静定構造物の解法を学ぶ。不静定構造物として,不静定梁,不静定ラーメンを扱う。
圧縮力を受ける柱の座屈荷重についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
静定梁,ラーメンの解析はできるものとして講義を進める。
簡単な関数の積分,連立方程式の解法,変数分離形の微分方程式の解法を復習しておくこと。
解法の習得には,数多くの演習問題を解くことが効果的であるが,講義中に扱う問題数には限りがあるので,参考書などを利用し,自学自習を行うことが必要。
成績の評価は,4回の定期試験の結果の平均とし,60点以上を合格とする。
不合格者には,再試験を行い60点以上を合格とする。
注意点:
定規,関数電卓を準備すること。
わからない点は放置せず,早い段階で解決することが大事である。
質問は歓迎するが,疑問点を明確にすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静定梁の変形
弾性曲線式によるたわみとたわみ角
弾性曲線式の方法によりたわみやたわみ角を計算できる。
2週 静定梁の変形
弾性曲線式によるたわみとたわみ角
弾性曲線式の方法によりたわみやたわみ角を計算できる。
3週 静定梁の変形
モールの定理によるたわみとたわみ角
モールの定理によりたわみやたわみ角を計算できる。
4週 静定梁の変形
モールの定理によるたわみとたわみ角
モールの定理によりたわみやたわみ角を計算できる。
5週 静定・不静定の判別 骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。
6週 不静定梁の解法 不静定梁構造物の応力を求めることができる。
7週 不静定梁の解法 不静定梁構造物の応力を求めることができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 Euierの座屈荷重 圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。
10週 仕事とひずみエネルギ
外力の仕事と内力の仕事
外力の仕事とひずみエネルギーを求めることができる。
11週 仕事とひずみエネルギ
エネルギー保存の法則
エネルギー保存の法則により,によりたわみやたわみ角を計算できる。
12週 仮想仕事法
梁構造物の変形
仮想仕事法によりたわみやたわみ角を計算できる。
13週 仮想仕事法
ラーメン構造物の変形
仮想仕事法によりたわみやたわみ角を計算できる。
14週 仮想仕事法
トラス構造物の変形
仮想仕事法によりたわみやたわみ角を計算できる。
15週 仮想仕事法
トラス構造物の変形
仮想仕事法によりたわみやたわみ角を計算できる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 たわみ角法
基本式の誘導
たわみ角法の基本式の誘導が理解できる。
2週 たわみ角法
固定端モーメントの算出
固定端モーメントの算出ができる。
3週 たわみ角法
不静定梁の解法
たわみ角法により不静定梁の応力を求めることができる。
4週 たわみ角法
不静定梁の解法
たわみ角法により不静定梁の応力を求めることができる。
5週 たわみ角法
門型ラーメンの解法
たわみ角法により門型ラーメンの応力を求めることができる。
6週 たわみ角法
節点が移動するラーメンの解法
たわみ角法により水平力を受ける不静定梁の応力を求めることができる。
7週 たわみ角法による解法
節点が移動するラーメンの解法
たわみ角法により水平力を受ける不静定梁の応力を求めることができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 たわみ角法
対象条件と有効剛比
対象条件に基づく有効剛比を求めることができる。
10週 たわみ角法
剛な梁をもつラーメン
剛な梁を持つラーメンの柱のせん断力を求めることができる。
11週 たわみ角法
節点方程式の機械的作表
たわみ角法における節点方程式を組み立てることができる。
12週 たわみ角法
層方程式の機械的作表
たわみ角法における層方程式を組み立てることができる。
13週 たわみ角法による解法
水平力を受ける多層多スパンラーメンの解法
たわみ角法により水平力を受ける多層多スパンラーメンの応力を求めることができる。
14週 たわみ角法
独立部材角と従属部材角
独立部材角と従属部材角の関係式を求めることができる。
15週 たわみ角法
異形ラーメンの解法
たわみ角法により異形ラーメンの応力を求めることができる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。4前1
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。4前5
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4前1,前2
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4前6,前7
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4前9
ラーメンやその種類について説明できる。4後5,後10,後13,後15
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。4後5,後6,後7,後13,後15
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。4前10
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。4前11
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4前5
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。4前6,前7
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000