概要:
建築の計画・設計・施工に関して建築材料選定の善し悪しが,建築物の外観・構造・耐久性・機能性・居住性などに大きく影響する。従って使用材料について,その特性・品 質・耐久性・形状・寸法などを知ることは安全で快適な建築への第一歩となる。本講義では,構造材料,非構造材料,機能材料,仕上げ材料についての基礎知識 を初歩から学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業用ノートをしっかりと記録し,復習を怠ることのないようにしましょう。
合否判定:3回(前期中間,前期末,学年末)の定期試験結果の平均が60点以上であること。
最終評価:3回(前期中間,前期末,学年末)の定期試験結果の平均(90%)とレポート及び授業への積極的参加の評価(±10%)
再試験は60点以上を合格とする。
最終評価において,レポート提出のほか授業中の授業に関する積極的な発言は加点対象とする。
最終評価において,居眠り,私語・暴言,本授業に関連しない事などを行っていた場合や理由のない遅刻・欠席が認められる場合には減点対象とする。
前関連科目:建築概論
後関連科目:コンクリート工学特論,建設材料学,寒中コンクリート工学
注意点:
建築材料の範囲はきわめて広く,私たちの身の回りにあるもの全てがそうであるとも言えます。まずは身近なところから興味を持ちましょう。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
授業に取り組む姿勢,建築材料学とは何か理解できる。
|
2週 |
建築材料の一般的性質 |
建築材料の発達と発展の過程が理解できる。 建築材料の分類・必要な性能および性質・規格などが説明できる。
|
3週 |
木材 |
木材の種類,用途,構造と組織について理解している。
|
4週 |
木材 |
木材の物理的性質について説明できる。
|
5週 |
木材 |
木材の耐久性や耐火性を理解している。
|
6週 |
木材 |
木材製品(集成材など)について理解している。
|
7週 |
セメント・コンクリート |
セメント・コンクリートの歴史について理解している。セメントの製造方法を理解している。
|
8週 |
前期中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
セメント・コンクリート |
セメントの物理的性質を理解し,種類・特徴について説明できる。
|
10週 |
セメント・コンクリート |
コンクリート用骨材の性質・特徴を説明できる。
|
11週 |
セメント・コンクリート |
混和材料の種類と特徴を理解している。
|
12週 |
セメント・コンクリート |
コンクリートの調合計算ができる。 フレッシュコンクリートの性質を説明できる。
|
13週 |
セメント・コンクリート |
コンクリートの強度や応力と歪みの関係について説明できる。
|
14週 |
セメント・コンクリート |
乾燥収縮・中性化・塩害・凍害などを理解している。
|
15週 |
セメント・コンクリート |
各種コンクリートの性質を理解している。
|
16週 |
前期末試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
金属材料 |
製鉄の歴史について理解している。
|
2週 |
金属材料 |
鋼材の製造方法について説明できる。
|
3週 |
金属材料 |
鋼材の組織・組成を理解している。
|
4週 |
金属材料 |
鋼材の性質,腐食と抑制方法について説明できる。
|
5週 |
金属材料 |
建築用構造用鋼材の種類・性質について説明できる。
|
6週 |
金属材料 |
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼など)の特徴・性質を説明できる。
|
7週 |
金属材料 |
非鉄金属(アルミ,銅,ステンレスなど)の分類,特徴について理解している。
|
8週 |
石材 |
石材の種類・性質について理解している。
|
4thQ |
9週 |
石材 |
石材の使用方法について説明できる。
|
10週 |
高分子材料 |
プラスティックやゴムなどの製法,性質,種類などを説明できる。
|
11週 |
高分子材料 |
防水材料中の水分の挙動を理解でき,各種防水工法の説明ができる。
|
12週 |
機能材料 |
断熱材料の性質や各種断熱材料の説明ができる。
|
13週 |
機能材料 |
断熱材料の性質や各種断熱材料の説明ができる。
|
14週 |
仕上材料 |
仕上げ材の種類と必要な機能が説明できる。
|
15週 |
仕上材料 |
仕上げ材の種類と必要な機能が説明できる。
|
16週 |
後期末試験 |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 材料 | 建築材料の変遷や発展について説明できる。 | 4 | |
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。 | 4 | |
木材の種類について説明できる。 | 4 | |
傷(節など)について説明できる。 | 4 | |
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。 | 4 | |
耐火性について説明できる。 | 4 | |
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。 | 4 | |
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。 | 4 | |
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。 | 4 | |
セメントの種類・特徴について説明できる。 | 4 | |
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。 | 4 | |
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。 | 4 | |
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。 | 4 | |
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。 | 4 | |
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。 | 4 | |
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。 | 4 | |
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。 | 4 | |
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。 | 4 | |
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。 | 4 | |
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。 | 4 | |
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。 | 4 | |
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。 | 4 | |
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。 | 4 | |
石材の種類・性質について説明できる。 | 4 | |
石材の使用方法について説明できる。 | 4 | |
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。 | 4 | |
タイルの種類、特徴をあげることができる。 | 4 | |
ガラスの製法、種類をあげることができる。 | 4 | |
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。 | 4 | |
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。 | 4 | |
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。 | 4 | |
内装材料(壁・天井)として(モルタル、しっくい、クロス、珪藻土、合板、ボードなど)をあげることができる。 | 4 | |