建築設計演習I

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建築設計演習I
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 5
開設学科 建築学分野 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 5
教科書/教材 教科書-『建築設計製図』(検定教科書)/参考書-『建築設計資料集成』(丸善)、『木造住宅の断面設計』(彰国社)、『住環境の計画2 住宅を計画する』(彰国社)、『新建築 住宅特集』(新建築社)
担当教員 佐藤 彰治,西澤 岳夫

到達目標

1. 図面の種類を覚え,基本的製図法が理解できる。
2. 縮尺(スケール)の概念が理解できる。
3. 丁寧で正確な作図作業ができる。
4. 2階建て木造住宅の計画を立て、適切な図面表現をすることができる。
5. 丁寧で正確な住宅模型をつくることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1図面の種類,基本的製図法のほぼ全てが理解でき,関連課題を期限内に完成することができる。図面の種類,基本的製図法の最低限必要部分を理解でき,関連課題が完成できる。図面の種類,基本的製図法の関連課題が完成できない。
評価項目2縮尺の考え方が十分理解でき,図面から実大空間をイメージすることができる。さらに,関連演習課題を期限内に完成できる。縮尺の考え方が必要最低限理解でき,関連演習課題が完成できる。縮尺に関する演習課題が完成できない。
評価項目3十分に丁寧で正確な作図作業ができ,与えられた複数の演習課題を期限内に完成できる。必要最低限丁寧で正確な作図作業ができ,与えられた複数の演習課題が完成できる。与えられた複数の演習課題が完成できない。
評価項目4創意工夫にとんだ住宅計画のもと、正確かつ丁寧で適切な表現を用いながら図面をまとめることができる。無理の無い住宅計画を立てることができ、適切な表現で図面をまとめることができる。住宅計画を立案し、それらを適切な表現で図面にまとめることができない。
評価項目5図面にもとづきながら、表現豊かで、丁寧かつ正確な住宅模型をつくることができる。図面にもとづいた住宅模型を適切な表現手法で作成することができる。図面にもとづいた住宅模型を作成することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築空間を具体的に表現する基礎能力を養う。本授業は演習を主体とし、前期は既製図面のトレース(模写)作業が中心となる。
この中で製図器具の使用方法,建築設計図面の種類及び知識を習得する。
後期は、主に自らのアイディアのもと住宅設計を行い、適切な図面表現のもと作図を行い、関連して住宅模型の作成能力を習得する。
授業の進め方・方法:
半期で4テーマ程度の課題を与え、各テーマ5~8回程度で完成させる。毎回、製図用具一式を持参する。
後期では各自で木造住宅の設計課題に取り組むので、前期でトレースをした課題にかかわるテキストの第1章「木
構造の設計製図」を十分に復習しておくこと。
合否判定は、全ての課題が提出されており、かつ最終成績≧60点以上を合格とする。
最終成績は各演習課題の評点の平均値(90%)、授業態度(10%)。
前期各課題の評点内訳は、寸法の正確さ30%+丁寧さ40%+線の質・濃淡20%+提出期限10%。
後期課題1の評点内訳は、丁寧さと正確さ60%+線種の使い分け30%+提出期限10%。課題2は丁寧さと正確さ等40%+設計内容50%+提出期限10%、課題3は、模型の作り込み具合45%+正確さ・丁寧さ45%+提出期限10%。
授業時間内に課題を描き上げる努力をしてほしい。すなわち、丁寧さ、正確さと同時に効率よく素早く作業することも学んでほしい。後期の授業では前期で学んだ基礎知識を前提としているので十分に復習しておくこと。
未提出課題があり、不合格となった場合は再度締切日を設け課題の再提出を行う(60点以上で合格とする)。

後関連科目:建築設計演習Ⅱ、建築設計演習Ⅳ
注意点:
1. 製図室内は飲食禁止とする(やむを得ず持ち込む場合は鞄等にしまい内容物が漏れ出ることのないように注意すること)
2. 授業中は静粛な環境で作業できるよう周囲に配慮すること
3. 掃除当番は丁寧に製図室の清掃を心掛けること
4. 提出期限を厳守すること
5. 作図や模型製作に必要な道具類は各自で毎回忘れずに持ってくること

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,設計の位置付けと基本 授業の注意事項及び製図室の使用方法を理解できること
2週 製図器具の使用法,図面の種類等の解説 製図器具の使用法,図面の種類,寸法の描き方等が理解できること
3週 線引きおよび文字の練習 正確な水平・垂直線や線の濃さや種類を変えて正確に描くことができること
4週 投影法および立体の作図 投影法を理解し,与えられた立体から平面・立面を描くことができること
5週 簡単の透視図の作成 簡単な透視図法が理解できること
6週 縮尺の解説と演習 縮尺の考え方が理解できること
7週 課題1-方眼紙を使った平面図(木造住宅S1:100)のトレース 平面図の基本的製図法が理解できること
8週 前期中間試験:実施しない
2ndQ
9週 課題2-平面図・配置図(木造住宅S1:100)のトレース(1) 木造住宅(平面図・配置図)の基本的製図法が理解できること
10週 課題2-平面図・配置図(木造住宅S1:100)のトレース(2) 木造住宅(平面図・配置図)の基本的製図法が理解できること
11週 課題2-平面図・配置図(木造住宅S1:100)のトレース(3) 木造住宅(平面図・配置図)の基本的製図法が理解できること
12週 課題3-立面図・断面図(木造住宅S1:100)のトレース(1) 木造住宅(立面図・断面図)の基本的製図法が理解できること
13週 課題3-立面図・断面図(木造住宅S1:100)のトレース(2) 木造住宅(立面図・断面図)の基本的製図法が理解できること
14週 課題3-立面図・断面図(木造住宅S1:100)のトレース(3) 木造住宅(立面図・断面図)の基本的製図法が理解できること
15週 課題3-立面図・断面図(木造住宅S1:100)のトレース(4) 木造住宅(立面図・断面図)の基本的製図法が理解できること
16週 前期期末試験:実施しない
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(住宅計画の概略) 住宅に関する基礎知識を理解できること
2週 課題1 木造住宅のトレース(1) 前期で修得した作図に関する基礎知識を活かし適切な図面表現ができること(平面図・配置図)
3週 課題1 木造住宅のトレース(2) 前期で修得した作図に関する基礎知識を活かし適切な図面表現ができること(断面図)
4週 課題1 木造住宅のトレース(3) 前期で修得した作図に関する基礎知識を活かし適切な図面表現ができること(立面図)
5週 課題2 木造住宅の設計1 エスキス(1) 住宅に関する基礎知識を活かし、住宅プランの計画を立てることができること
6週 課題2 木造住宅の設計1 エスキス(2) 住宅に関する基礎知識を活かし、住宅プランの計画を立てることができること
7週 課題2 木造住宅の設計1 清書(1) 基本的製図法をもとに1/100スケールの図面(平面図・配置図)を完成させることができること
8週 後期中間試験:実施しない
4thQ
9週 課題2 木造住宅の設計1 清書(2) 基本的製図法をもとに1/100スケールの図面(平面図・配置図)を完成させることができること
10週 課題2 木造住宅の設計1 清書(3) 基本的製図法をもとに1/100スケールの図面(断面図)を完成させることができること
11週 課題2 木造住宅の設計1 清書(4) 基本的製図法をもとに1/100スケールの図面(立面図)を完成させることができること
12週 課題2 模型製作(1) 設計した住宅の模型(1階床と間仕切り)をつくり、建築空間に対する認識を深めることができること
13週 課題2 模型製作(2) 設計した住宅の模型(2階床と間仕切り)をつくり、建築空間に対する認識を深めることができること
14週 課題2 模型製作(3) 設計した住宅の模型(外壁と屋根)をつくり、建築空間に対する認識を深めることができること
15週 課題2 模型製作(4) 設計した住宅の模型(外構)をつくり、建築空間に対する認識を深めることができること
16週 後期期末試験:実施しない

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。3
線の描き分け(3種類程度)ができる。3
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。3
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。3前2
図面の種類別の各種図の配置を理解している。3
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。3
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。3
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。3
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。3
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。3
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。3
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。3
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。3
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。3
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。3
建築における形態(ものの形)について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00010900100
基礎的能力0000000
専門的能力00010900100
分野横断的能力0000000