建築設計演習II

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 建築設計演習II
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 6
開設学科 建築学分野 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 6
教科書/教材 [教科書] 1. 建築設計製図, 実教出版. [参考書] 1. コンパクト設計資料集成, 建築学会編, 丸善. 2. 新建築 各号, 新建築社. [問題集] 特には設定しない
担当教員 松林 道雄,西澤 岳夫

到達目標

評価項目1:他の専門分野の知識を総合しつつ、建築空間を具体的に表現する能力を身につけることができる。
評価項目2:各課題の要求に応えうる建築を明快なコンセプトを定めた上、計画的に設計できる。
評価項目3:コンセプトを分かりやすく伝える事を意識した建築模型を図面をもとに作成することができる。
評価項目4:指定された期限内に、各課題の要求に応えうる作品を完成させ提出できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1他の専門分野の知識を総合しつつ、建築空間を具体的かつ適切丁寧に表現する能力を身につけることができる。他の専門分野の知識を総合しつつ、建築空間を具体的に表現する能力を身につけることができる。他の専門分野の知識を総合し、建築空間を考えることができず、具体的な建築表現をすることができない。
評価項目2各課題の要求に応えうる建築を、明快なコンセプトを定めた上で、計画的に完成度の高い設計ができる。各課題の要求に応えうる建築を、コンセプトを定めた上で、計画的に設計ができる。各課題の要求に応えうる建築にコンセプトを設けることができず、設計をまとめることもできない。
評価項目3図面をもとに、コンセプトを分かりやすくする伝えることを意識した完成度の高い模型を作成することができる。図面をもとに、コンセプトを分かりやすくする伝えることを意識した模型を作成することができる。図面をもとに、模型を作成することができない。
評価項目4指定された期限内に各課題の要求に応えうる作品を完成させ、提出できる。成績入力期限までに各課題の要求に応えうる作品を完成させ、提出できる。定められた期限内に作品を完成させ、提出することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 F 説明 閉じる
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JABEE f 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築設計は、デザイン性のみならず利用者の要望や周囲の環境など様々な外的要因により決まってくる。このため、与条件を的確に読み取り、計画に生かすことが重要となる。また、専門科目が少しずつ増えてくる3年次では、他の関連科目を意識した企画・構想を立てる努力が求められる。そこで、建築設計演習Ⅱでは、2000㎡前後の鉄筋コンクリート造の設計課題(教育施設)を通じて上記能力を養いつつ、RC造の図面表現を身に付けることを目指す。
授業の進め方・方法:
前期は、店舗併用住宅のトレース(第1課題)と、校内福利厚生施設の設計・模型作成(第2課題)を通じて鉄筋コンクリート造の基本を学ぶ。 後期は、学校建築の計画・設計手法(第3課題)と透視図法について学ぶ。
作図に必要なT定規や勾配定規、筆記具等の製図道具一式、教科書類は必ず毎回用意すること。また、前期の14週から16週で予定されている模型作成時に必要な工作道具類は各自で用意し持参すること。
建築設計演習Ⅰで得た知識・技術が活用できる。

合否判定は第1〜第3課題で要求される作品を全て提出し、それぞれが100点満点中60点以上で合格とする。
成績評価は作品内容(80%)と取り組み姿勢・提出期限(20%)から決定する。
提出されない作品については、担当教員ごとに再試験に対応する期限が設定される。
注意点:
1. 授業中は、無断で建築製図室・建築CAD室から出ないこと。
2. 提出期限を守ること。
3. 授業中のヘッドホン・イヤホンの使用を禁止する。
4. 建築製図室・建築CAD室における飲食を禁止する。
5. 掃除当番は、建築製図室をきれいに掃除すること。
6. 授業中は良好な製図環境が保てるよう静かに作業すること。

後期の事例調査については、パースの練習に変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1課題:RC造のトレース
・RC造と課題説明
・配置図のトレース
使用教科書のRC構造の設計に関する基礎知識を理解できる。
2週 平面図のトレース 配置図の描き方が理解し、適切な作図表現をすることができる。
3週 平面図のトレース 平面図の描き方を理解し、適切なRC造の図面表現をすることがきる。
4週 断面図・立面図のトレース 断面図と立面図の描き方を理解し、適切なRC造の図面表現をすることがきる。
5週 第二課題:学生厚生施設の設計課題
・課題説明
・グループワーキングによる問題発見
課題の条件を理解し、グループワーキングを通じて現施設の問題点を発見できる。
6週 ・設計方針の検討
・エスキスの作成
設計条件にグループワーキングの成果を取り入れ、設計方針を検討し、コンセプトを考えることができる。
7週 エスキスの作成 与条件を整理し、コンセプトをもとに下書きを作成することができる。
8週 エスキスチェック 指摘された内容を理解し、設計内容の改善につなげることができる。
2ndQ
9週 清書1 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、要求図面を正確に作成することができる。
10週 清書2 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、要求図面を正確に作成することができる。
11週 清書3 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、要求図面を正確に作成することができる。
12週 清書4 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、要求図面を正確に作成することができる。
13週 清書5 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、要求図面を正確に作成することができる。
14週 模型制作1 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、清書図面をもとに正確に模型の作成することができる。
15週 模型制作2 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、清書図面をもとに正確に模型の作成することができる。
16週 模型制作3 コンセプトをわかりやすく伝えることを意識しつつ、清書図面をもとに正確に模型の作成することができる。
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション, 学校建築の基本知識
学校建築の基本知識が理解できる。
2週 事例調査, 発表準備 設計の参考となる事例を取り上げ調査することができる。事例調査の結果をスライドにまとめることができる。
3週 事例調査の発表 スライドを使用して事例調査に関する発表ができる。
4週 課題説明(第三課題:学校建築の設計) 設計課題の内容を理解し、作図の計画を立てることができる。
5週 エスキス1 与条件をもとに、コンセプトがまとめられ、動線・ゾーニングのエスキスができる。
6週 エスキス2 与条件をもとに、配置図、各階平面図がかける。
7週 エスキス3 与条件をもとに、各階平面図がかける。
8週 エスキス4 与条件をもとに、立面図、断面図がかける。
4thQ
9週 ドローイング(配置図, 平面図) コンセプトをわかりやすく伝えることを意識し、要求図面を正確に作成できる。
10週 ドローイング(平面図) コンセプトをわかりやすく伝えることを意識し、要求図面を正確に作成できる。
11週 ドローイング(立面図) コンセプトをわかりやすく伝えることを意識し、要求図面を正確に作成できる。
12週 ドローイング(断面図) コンセプトをわかりやすく伝えることを意識し、要求図面を正確に作成できる。
13週 ドローイング(パース) 設計した建築物のパースを製作できる。
14週 ドローイング(パース, その他) 設計した建築物のパースを製作できる。
15週 作品発表 講評会において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。
16週 (後期中間試験、後期末試験ともに実施しない)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。3後9,後10,後11,後12
線の描き分け(3種類程度)ができる。3後9,後10,後11,後12
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。3後9,後10,後11,後12
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。3後9,後10,後11,後12
図面の種類別の各種図の配置を理解している。3後9,後10,後11,後12
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。3後9,後10,後11,後12
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。3後13,後14
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。3
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。3後5
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。3後5
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。3後6,後7,後8
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。3後13,後14
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。3後15
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。3後6
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。3後15
建築における形態(ものの形)について説明できる。3後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合010010800100
基礎的能力0000000
専門的能力010010800100
分野横断的能力0000000