建築環境工学II

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建築環境工学II
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 建築学分野 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 3
教科書/教材 教科書:初学者の建築講座建築環境工学第三版(市ヶ谷出版社)参考書:最新建築環境工学改訂4版(井上書院)、図説やさしい建築環境(学芸出版社)、建築計画原論I(丸善)、建築設計資料集成(丸善)等
担当教員 桒原 浩平

到達目標

音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する専門用語を説明できる。
音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する基本的な演習問題が解ける。
音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境について物理的性質を理解し、実際に建築へどのように応用されるか説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する専門用語を具体例を交えて説明できる。音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する専門用語を説明できる。音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する専門用語を理解できない。
評価項目2音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する応用問題が解ける。音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する演習問題が解ける。音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境に関する基本的な演習問題が解けない。
評価項目3音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境について物理的性質を充分に理解し、実際に建築へどのように応用されるか具体例を交えて説明できる。 音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境について物理的性質を理解し、実際に建築へどのように応用されるか説明できる。 音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境について物理的性質を理解できず、実際に建築へどのように応用されるか理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建築技術者に必要な建築環境工学のうち主として音、日照・日射、光、色彩、都市・地球環境の分野を学習する。
物理学や数学をベースに建築環境工学の基礎知識を修得しそれを応用する能力を身につける。
週に音、日照・日射、光(90分)と色彩、都市気候(45分)を同時並行で行う。
授業の進め方・方法:
基礎知識として1~3学年の物理学が必要である。
関数電卓と三角定規を用意すること。
2回の定期テスト、理解を深めるための毎回の小テストと共に3~4回のレポート・課題の提出を求める。
合否判定:中間・期末試験において、音、日照・日射、光環境で200点満点、都市・地球、色彩環境で100点満点とし、合計300満点のうち180点以上を取れば合格とする。
最終評価:試験を100点満点に換算した点×0.8+小テスト・レポート・課題・試験での英語解答による加点を100点満点に換算した点×0.2を最終評価点とする。
不合格の場合は再試験を行い、60点以上を合格とする。
(関連科目)建築計画I,建築環境工学I,建築工学実験,建築設備I,II,建築環境設計演習
注意点:
単に言葉や計算方法を暗記するのではなく、自分の周りの建物や生活環境と照らし合わせながら、実生活に直結する学問であることを理解してもらいたい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 音の性質と単位
気温と湿度の形成
音の物理的特性について説明できる。音の単位とレベル表示について説明できる。
気温と湿度の形成要因を説明できる。
2週 レベルの合成、聴感
クリモグラフとデグリデー
デシベル和の計算ができる。聴覚の仕組みについて説明できる。
クリモグラフとデグリデーの説明ができる。
3週 騒音
外部風
騒音の定義、影響、防止について説明できる。
風配図について説明できる。
4週 遮音
雨と雪
遮音について説明できる。室内外の音圧レベル差の計算ができる。
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。
5週 吸音と残響時間
ヒートアイランド
吸音と遮音材料の仕組みについて説明できる。残響時間の計算ができる。
ヒートアイランドの現象について説明できる。都市環境における緑の役割について説明できる。
6週 室内音響計画
ビル風
残響と音響計画の関係について説明できる。
ビル風について説明できる。
7週 中間試験
実施する
音で100点満点、気温からビル風までで50点満点とする。
8週 太陽位置
地球温暖化
建設地と太陽位置について説明できる。
地球温暖化のメカニズムを説明できる。
2ndQ
9週 日照と日影1
大気汚染
日影曲線を用いて日影時間を求めることができる。
大気汚染の歴史と現象について説明できる。
10週 日照と日影2
風土と建築1
日差し曲線を用いて日照条件を検討できる。
風土と建築について説明できる。
11週 日射
風土と建築2
紫外線および可視光線について説明できる。日射の効用を説明できる。壁面に当たる日射量の計算ができる。
風土と建築について説明できる。
12週 日射の調整
色の概念
建物に対する日射受熱の特性を説明できる。日射の調節方法を説明できる。
表色系について説明できる。
13週 視覚と測光量
表色系
視覚と光の関係について説明できる。照度の計算ができる。明視、グレアの現象について説明できる。
表色系について説明できる。
14週 採光
色彩の効果
昼光率や立体角投射率が計算できる。採光および採光計画について説明できる。
色彩計画の概念を知っている。
15週 人工照明
色彩計画
人工照明について説明できる。照明計画および照度の計算ができる。
色彩計画の概念を知っている。
16週 期末試験 実施する
日照・日射、光で100点満点、地球温暖化から色彩計画までで50点満点とする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備風土と建築について説明できる。4前10,前11
気候、気象について説明できる。4前1,前2,前3,前4
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。4前1
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。4前4
ヒートアイランドの現象について説明できる。4前5
大気汚染の歴史と現象について説明できる。4前9
都市環境における緑の役割について説明できる。4前5
建設地と太陽位置について説明できる。4前8
日照および日射の調節方法について説明できる。4前9,前12
日照時間および日照時間図について説明できる。4前9,前10
日照と日射の使い分けについて説明できる。4前11
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。4前11
視覚と光の関係について説明できる。4前13
明視、グレアの現象について説明できる。4前13
採光および採光計画について説明できる。4前14
人工照明について説明できる。4前14
照明計画および照度の計算ができる。4前13,前15
表色系について説明できる。4前12,前13
色彩計画の概念を知っている。4前14,前15
音の単位について説明できる。4前1
聴覚の仕組みについて説明できる。4前2
音心理の三大特性、大きさとうるささ、音の伝搬、減衰、回折について説明できる。4前2,前3
吸音と遮音、残響について説明できる。4前4,前5
遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。4前6
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。3前11
エネルギー削減に関して建築的手法(建築物の外皮(断熱、窓など))を適用することができる。4前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000