技術者倫理

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0001 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設・生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書[細見担当部分]: 畑村洋太郎 『失敗学実践講義 文庫増補版』(講談社文庫, 637円) ☆ 参考書: 秋山仁他著 『技術者倫理』(2018年、実教出版) ☆ 参考書: 黒田光太郎他編 『誇り高い技術者になろう 第2版』(名古屋大学出版会) ☆ 参考書: 比谷根均著 『技術の知と倫理』(理工図書) ☆ 参考書: 中村昌允『事故から学ぶ技術者倫理』(工業調査会) ☆ 参考書: 電気学会倫理委員会『事例で学ぶ技術者倫理 第2集』(2014年,電気学会) ☆ 参考書: 基礎原子力工学(2013年,国立高専機構)
担当教員 高橋 剛,川村 淳浩,細見 佳子

到達目標

技術者倫理の必要性と関係する法制度を理解できる。
技術が社会に及ぼす影響を理解できる。
技術者が社会に対して負っている責任を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術者倫理の必要性と関係する法制度を正確に理解し応用できる。技術者倫理の必要性と関係する法制度を正確に理解できる。技術者倫理の必要性と関係する法制度が理解できない。
評価項目2技術が社会に及ぼす影響を正確に理解し応用できる。技術が社会に及ぼす影響を正確に理解できる。技術が社会に及ぼす影響が理解できない。
評価項目3技術者が社会に対して負っている責任を正確に理解し応用できる。技術者が社会に対して負っている責任を正確に理解できる。技術者が社会に対して負っている責任が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術者が持つスキルは,上手く使えば社会を便利で豊かなものにできます,悪用することだって出来てしまいます。さらに,当の本人は〈良い選択〉をしたつもりでも,社会全体にとっては害悪をもたらす(困った行動〉ということもあります。この講義では,《技術者は社会の中でどのように振る舞うよう努めるべきであるかを理解できる》ことを目標とします。全15週のうち、第11週から第15週の授業は、民間企業と国立研究機関で企画・研究・開発・設計を担当・運営していた教員が担当する。
授業の進め方・方法:
学修単位科目であるため授業時間外(事前・事後)学習の課題レポート(4編)を課し、下記の成績評価をおこなう。
担当者3名の出した評価を各1/3として均等に合算し,その総合評価が満点の6割に達した者を合格とする。不合格となった場合には,課題の再提出等によって評価の変更を行い,満点の6割に達していれば合格とする。
◇ 高橋剛: 確認テスト(33.3%)とレポート(2件;各33.3%によって評価する(計100%)
◇ 細見佳子: 提出課題(10%)とレポート(90%)により評価する
◇ 川村淳浩: レポートによって評価する(100%)
注意点:
授業では、よく知られている技術者倫理に関する典型的な問題を取り上げ、その問題に関するグループ討議を行うと同時に、技術や環境に関わるリアルタイムの社会問題を感度よくキャッチできるように関心を持ち続けるための調査課題を与え、発表する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【 高橋剛 担当部分 】
事例に学ぶ技術者倫理(二律相反問題)について
「開発」と「自然保護」など,一見二律相反するジレンマ問題を両立・共存させるため方法が必要であることを理解できる。
2週 安全安心社会のための技術倫理について 科学技術の専門家になぜ倫理が必要か, 科学技術が社会に受け入れられるために何が必要かが理解できる。
3週 組織の問題「技術者の自立」について考える 技術者が組織の中でどう判断し行動できるかが判断できる。
4週 内部告発: ギルベインゴールドを例に考える 組織の中の技術者が倫理的に行動する手段や責任が理解できる。
5週 内部告発: ギルベインゴールドを例に考える 組織の中の技術者が倫理的に行動する手段や責任が理解できる。
6週 【 細見佳子 担当部分 】
ガイダンス
危険学とハインリッヒの法則( 回転ドア事件)
6~10回目授業の概要と進め方、目標等について理解する。倫理学とは何かについて説明できる。回転ドア事件について理解したうえで、自らの考えを述べることができる。
7週 人間がもつ注意力の限界と安全対策(日本航空の連続トラブル) 日本航空の連続トラブルに関する事案を理解したうえで、自らの考えを述べることができる。
8週 企業改革と安全性(JR福知山線事故) JR福知山線事故について理解したうえで、自らの考えを述べることができる。
2ndQ
9週 技術者倫理に関する自由課題のプレゼンテーション① 技術者倫理を欠いたために発生した事故の実例を知ったうえで,技術者として望ましい行動を説得的に説明できる。
10週 技術者倫理に関する自由課題のプレゼンテーション② 技術者倫理を欠いたために発生した事故の実例を知ったうえで,技術者として望ましい行動を説得的に説明できる。
11週 【 川村淳浩 担当部分 】
エネルギー・資源と現代社会
現代社会の構図と科学・技術に携わる者の責務を理解できる。
12週 グループ討議・発表・討論 現代社会の構図と科学・技術に携わる者の責務を理解できる。
13週 福島第一原子力発電所事故 リスクマネジメント、トリレンマ、地政学、世代間倫理など様々な視点からの考察と理解ができる。
14週 グループ討議・発表・討論 リスクマネジメント、トリレンマ、地政学、世代間倫理など様々な視点からの考察と理解ができる。
15週 グループ討議・発表・討論 リスクマネジメント、トリレンマ、地政学、世代間倫理など様々な視点からの考察と理解ができる。
16週 前期期末試験:実施しない

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000