数値計算特論

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数値計算特論
科目番号 0010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設・生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト:自作のテキスト
参考書: ①だれでもわかるMATLAB―即戦力ツールブック, 池原・他2名, 培風館, ②MATLAB/C++で学ぶ物理学のための数値法(上)・(下), A.ガルシア著, ピアソン・エデュケーション, ③MATLABとOctaveによる科学技術計算, A.クアルテローニ, F.サレリ, P.ジェルヴァシオ著, 丸善出版
担当教員 赤堀 匡俊

到達目標

到達目標1:定数,変数,配列,入出力,繰り返し処理,条件分岐,関数についてのプログラムが作成できる.
到達目標2:常微分方程式の各種数値解析法(オイラー法,中点法,ルンゲ・クッタ法、等)のプログラムを作成し,常微分方程式の数値解析を行うことができる.
到達目標3:偏微分方程式の各種数値解析法(陽解法,陰解法、クランク・ニコルソン法、等)のプログラムを作成し,偏微分方程式の数値解析を行うことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定数,変数,配列,入出力,繰り返し処理,条件分岐,関数について正しいプログラムが作成できる.定数,変数,配列,入出力,繰り返し処理,条件分岐,関数についての正しいプログラムが理解できる.定数,変数,配列,入出力,繰り返し処理,条件分岐,関数についての正しいプログラムを理解できない.
評価項目2常微分方程式の数値解析法の概念を的確に説明でき,正しいプログラムが作成できる.常微分方程式の数値解析法の概念を理解し,正しいプログラムが理解できる.常微分方程式の数値解析法の概念が理解できず,正しいプログラムも理解できない.
評価項目3偏微分方程式の数値解析法の概念を的確に説明でき,正しいプログラムが作成できる.偏微分方程式の数値解析法の概念を理解し,正しいプログラムが理解できる.偏微分方程式の数値解析法の概念が理解できず,正しいプログラムも理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学のあらゆる分野では、コンピュータを用いた「数値シミュレーション」がますます活発に使われるようになってきている。「数値シミュレーション」とは、自然現象や人工物の振る舞いを微分方程式でモデル化し、適切な数値解析法を適用したうえで、コンピュータを用いて微分方程式を解く営みを指す。
数値解析特論では、研究機関で先端実験装置の熱流体設計を行った実務経験を持つ教員が、数値シミュレーション、可視化、プログラミングが簡単に行えるプログラム言語MATLABを用いて、微分方程式の数値シミュレーション手法の基礎を学び、さまざまな工学問題の解決を図る能力を育成する。
授業の進め方・方法:
合否判定は、授業毎に課す確認レポートの平均点(20%)と単元毎に課す演習レポートの平均点(80%)の合計が60点を超えていることで合格とする。理由なく授業に欠席・遅刻した場合はレポート点を減点する。
成績評価:確認レポート(20%)+演習レポート(80%)
演習レポート評価基準:課題の正しい解答
成績評価が60点に至らない場合には、確認レポートがすべて提出されていることを条件に,再レポートを実施し60点以上を合格とする。このときの最終評価は60点とする。

前関連科目:本科で勉強する数学科目。特に微積分、線形代数、常微分方程式、偏微分方程式、ベクトル解析。
注意点:
・微積分、線形代数、常微分方程式(ただし解析的に解けるものに限る)、ベクトル解析を理解していることを前提に、演習主体の講義構成とする。
・自作テキストを基に講義を行う。
・プログラミング演習室の各PCにMATLABがインストールされているので、予習、復習、レポートの実施では適宜プログラミング演習室を使うこと。
・MATLABは有償ソフトウェアであり、高専のネットワーク外では使用できない。自宅等で予習、復習、レポートを行 う場合は、MATLABのフリーウェア版とも言えるOctaveやScilab(ともに文法はほとんどMATLABと同じ)をダウンロ ード・インストールして使用できる。
・プログラミングの得意不得意によって演習の進度に個人差が生じる場合がありますが、配布教材にじっくり取り組めば成果を身をもって実感できます。そのため、特にプログラミングが不得手と感じている学生ほど欠席しないこと。
・本科目は学修単位科目であるため、授業時間相当の自主学習(授業の予習・復習を含む)を行う必要がある。
・講義の理解度を深めるため、毎回(8週と15週を除く)、演習課題レポートを課す。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ・ガイダンス
・数値計算法の概要
・授業目的と方針を理解する。
・数値計算の概要、目的、意義が理解できる
2週 MATLABの使用方法(1)
MATLABの起動と終了,変数や配列,行列,四則演算など
MATLABの基本的な用法が理解できる
3週 MATLABの使用方法(2)
行列計算,グラフ描画など
MATLABの基本的な用法が理解できる
4週 MATLABの使用方法(3)
関数Mファイル,if文,for文,while文など
MATLABの基本的な用法が理解できる
5週 常微分方程式の解法(1)
 オイラー法、中点法
オイラー法、中点法を用いた1階常微分方程式の数値解法を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
6週 常微分方程式の解法(2)
 ルンゲ・クッタ法
ルンゲ・クッタ法を用いた1階常微分方程式の数値解法を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
7週 連立常微分方程式の解法
オイラー法、中点法、ルンゲ・クッタ法を用いた連立1階常微分方程式の数値解法を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
8週 総合レポート課題(1) 物理現象や人工物を常微分方程式を用いてモデル化し、それに適切な数値解法を適用して、MATLABシミュレーションを行い、レポートとしてまとめることができる。
4thQ
9週 偏微分方程式の解法(1)
 ・有限差分法の基礎
・偏導関数の差分近似を理解する。
10週 偏微分方程式の解法(2)
 ・楕円型偏微分方程式の解法
・偏導関数の差分近似を用いた1次元および2次元楕円型偏微分方程式の数値解法を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
11週 偏微分方程式の解法(3)
 ・放物型偏微分方程式の陽解法
・1次元放物型偏微分方程式の陽解法を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
12週 偏微分方程式の解法(4)
 ・放物型偏微分方程式の陰解法
・1次元放物型偏微分方程式の陰解法(クランク・ニコルソン法を含む)を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
13週 偏微分方程式の解法(5)
 ・双曲型偏微分方程式の陽解法
・1次元双曲型偏微分方程式の陽解法を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
14週 偏微分方程式の解法(6)
 ・双曲型偏微分方程式の陰解法
・1次元双曲型偏微分方程式の陰解法を理解し、MATLABによる数値シミュレーションができる。
15週 総合レポート課題(2) 物理現象や人工物を偏微分方程式を用いてモデル化し、それに適切な数値解法を適用して、MATLABシミュレーションを行い、レポートとしてまとめることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000