機械制御工学概論

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械制御工学概論
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設・生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自作テキスト
担当教員 前田 貴章

到達目標

・制御系の解析・設計にScilabを利用できる.
・古典制御理論の結果をScilabの結果と比較して,制御理論を解析へ応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術的課題を分析・解決するためにコンピュータを充分に活用できる。技術的課題を分析・解決するためにコンピュータを活用できる技術的課題を分析・解決するためにコンピュータを活用できない。
評価項目2問題解法のために,各種解析手法を応用できる。問題解法のために,特定の解析手法を活用できる。問題解法のために,各種解析手法を活用できない。
評価項目3解法の結果データを,図表を効果的に用いて視覚的な手法で表現できる。解法の結果データを,視覚的な手法で表現できる。解法の結果データを,視覚的な手法で表現できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科で学んだ古典制御理論について,制御系設計計算ソフトウェアScilabを利用しながら主に演習問題を解くことにより,制御系の解析計算をできるようにする.
各講義時間ごとに演習問題を行い,Scilabのコマンド・操作方法の理解を深める.
授業の進め方・方法:
本科で制御工学を履修した学生が望ましいが,制御理論の概要を復習・説明してから,その解析手段としてのScilabの応用を学ぶため,本科で制御工学を未履修の学生であっても履修は十分可能である.講義内では必ず演習問題を課し,そのScilabのコマンドファイルを提出させる.

・合否判定:定期(中間,期末)試験は実施せず,替わりとして演習レポートのみによる評価とし各回(100点満点)の合計が6割(例えば合計1500点満点の場合は900点)を超えていること.なお,合計点が6割に至らない場合は,補講と再試験等を実施する.
・最終評価:定期試験は実施せず,替わりとして演習レポートのみによる評価とする.
・演習レポート評価基準:スクリプトの内容と考察について,期限内に提出された場合,100点満点で採点する.
            期限内に提出できなかったレポートは60点満点で採点する.
・再試験:演習レポートがすべて提出された場合に再試験の受験資格を与える.
     再試験,もしくは再演習レポートの結果が60点以上となった場合は最終評価を60点とする.
注意点:
講義はできるだけ平易におこなうが,わからないところなどは積極的に質問すること.
講義は月1回の対面授業とほかTeamsによる遠隔授業のハイブリッド方式となるので、留意すること.書籍は高専図書館に懸架されています.
講義終了後,演習室等のPCを利用し復習をすること.あるいは、オープンオフィスアワーを利用して遠隔接続にて質問すること.
各講義の前に配布資料を用意するが、学びを深化させたい学生は、講義の素となる参考図書:”ゼロからはじめる制御工学,竹澤 聡(単著), 講談社”を利用して学びを補強することを推奨する.
本科目は学修単位であるため,授業時間相当の自主学習(授業の予習・復習を含む)を行う必要がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
制御工学と建設・生産システム
制御工学と数学・Scilabの概略について
制御工学と建設・生産システムにおける制御工学の意義を整理できること.
制御工学に関係する数学が扱えること.
2週 動的システムのモデル化
微分方程式と数学モデル
静的システムと動的システムの違い
静的システムと動的システムの違いがわかる.動的システムを微分方程式で表すことができること.
3週 ラプラス変換と伝達関数
ラプラス変換と逆ラプラス変換
伝達関数とブロック線図
動的システムを微分方程式で表し、ラプラス変換および逆ラプラス変換ができること.
伝達関数をブロック線図表現ができること.
4週 ブロック線図の結合、等価交換および目標値応答 ブロック線図の結合、等価交換および目標値応答が,Scilabを利用して計算できること.
5週 動的システムの時間応答
インパルス応答
単位ステップ応答
インパルス応答および単位ステップ応答を理解し,Scilabを利用して計算できること.
6週 システムの過渡特性と定常特性
最終値の定理
動的システムを微分方程式で表し,過渡応答と定常特性の解析法がわかること.
最終値の定理を理解し活用できること.
7週 Scilabによるシステムの応答解析
1次遅れ系の応答
2次遅れ系の応答
1次遅れ系と2次遅れ系の違いを理解し、過渡応答と定常特性の解析法が,Scilabを利用して計算できること.
8週 中間総合課題 1~7週までの内容を統合した課題.
2ndQ
9週 システムの安定性
ラウスの安定判別法
システムの安定性について、ラウスの判定法を用いて判定することができること.
10週 伝達関数の周波数応答およびボード線図 周波数応答解析によるボード線図(ゲイン線図、位相線図)をScilabにより描画できること.
11週 制御系設計(PID制御) PID制御の手法を知り制御系設計ができること.
12週 ScilabによるPID制御 PID制御の手法をScilabにて設計できること.
13週 ScilabとArduinoを用いた制御系設計 Scilabを用いてArduinoを制御し,指定された制御系を設計できること.
14週 デジタルツイン・メタバースと拡張現実との融合・全体のまとめ デジタルツイン・メタバース現状の知り,学びの全体をまとめることができること.
15週 最終課題 前週までの内容を統合した最終課題.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習レポート演習課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000000100
基礎的能力0000000
専門的能力01000000100
分野横断的能力0000000