応用数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学Ⅱ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 高専テキストシリーズ「線形代数」「応用数学」(森北出版)
担当教員 冨永 徳雄

到達目標

1. 2次および3次の正方行列を対角化し,活用することができる。
2. 周期関数をフーリエ級数で表すことができる。
3. 複素数および複素関数の基本的性質を理解し,活用することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1行列の対角化を広く活用することができる。行列の対角化を活用することができる。行列の対角化を活用することができない。
評価項目2周期関数をフーリエ級数で表すことができ,活用することができる。周期関数をフーリエ級数で表すことができる。周期関数をフーリエ級数で表すことができない。
評価項目3複素数および複素関数の基本的性質を深く理解し,広く活用できる。複素数および複素関数の基本的性質を理解し,活用できる。複素数および複素関数の基本的性質の理解が不十分で,活用することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE A-1 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 初めに「応用数学Ⅰ」の続きとして,正方行列の対角化および対角化の応用について学ぶ。
 次に,周期関数を三角級数に展開するフーリエ級数の基本を学ぶ。
 最後に,複素数を複素平面上の点に対応させることで複素数の四則演算の図形的な関係について学び,複素変数の関数の基本的な性質について学ぶ。
授業の進め方・方法:
工学や科学における数学の活用において,数学的な表現の中に含まれている意味を理解して計算ができるようにする。自分の考えを数学的に表現し考察・議論するために,授業以外にも自学自習も多くこなす。定期試験(80%),学習への取り組み(レポート,宿題等)(20%)にて評価する。
注意点:
これまでの数学を理解していることを前提とする。新たな定義や概念を習得するための演習は各自で行うこと。学習した内容が実際にどのような場面で応用されているか,自ら調べることも大切である。
教育プログラムの学習・教育到達目標は,A-1とする。
総時間数45時間(自学自習15時間)
自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 [教科書「線形代数」]
7.1 固有値と固有ベクトル②
3次の正方行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる。
2週 7.2 行列の対角化 正方行列を対角化できる。
3週 7.3 対称行列の対角化 対称行列を適当な直交行列を用いて対角化できる。
4週 補遺B3 2次曲線の標準形とその分類
2次曲線を直交変換を用いて標準形にすることできる。
5週 [教科書「応用数学」]
第4章 フーリエ級数とフーリエ変換
1 フーリエ級数
1.1 周期関数
周期関数の基本的性質を確認し,フーリエ級数についての概要を理解できる。
6週 1.2 フーリエ級数①
周期2πの関数について,そのフーリエ級数を計算できる。
7週 1.2 フーリエ級数② 一般の周期関数のフーリエ級数を計算できる。フーリエ級数の収束について理解できる。
8週 中間試験 第1週から第7週までの内容について理解できる。
4thQ
9週 1.3 偏微分方程式とフーリエ級数 熱伝導方程式を解くことができる。
10週 第2章 複素関数論
1 複素数
1.1 複素平面
複素数の四則演算を複素平面上で解釈できる。
11週 1.2 極形式① 複素数を極形式で表し,複素平面上に図示できる。
12週 1.2 極形式② ド・モアブルの公式を理解し,複素数の累乗および累乗根を計算できる。
13週 2 複素関数
2.1 複素関数
2.2 基本的な複素関数
複素関数についての基本的な性質を理解できる。複素変数の指数関数および三角関数について理解し,その値を求めることができる。
14週 2.3 複素関数の極限
2.4 コーシー・リーマンの関係式
複素関数の極限について理解できる。コーシー=リーマンの方程式について理解できる。
15週 2.5 正則関数とその導関数 複素関数の正則性の判定ができる。簡単な複素関数の導関数を計算できる。
16週 後期末試験 第9週から第15週までの内容について理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000