熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱力学Ⅰ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 「工業熱力学入門」山本春樹,江頭竜 共著(森北出版)
担当教員 石向 桂一

到達目標

1.熱力学の第一法則および理想気体の状態式を理解し説明できる.
2.理想気体の各状態変化について理解し,それぞれの変化について膨張仕事と工業仕事を計算できる.
3.熱力学の第二法則の表現を理解し説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1閉じた系および開いた系におけるエネルギー式および理想気体の状態式を理解し,正しく計算できる.熱力学の第一法則および理想気体の状態式を説明できる.熱力学の第一法則および理想気体の状態式を説明できない.
評価項目2理想気体の各状態変化について理解し,可逆カルノーサイクルの各状態における諸量を計算できる.理想気体の各状態変化について説明でき,それぞれの変化について膨張仕事と工業仕事を計算できる.理想気体の各状態量について説明できず,それぞれの変化について膨張仕事と工業仕事の計算ができない.
評価項目3熱力学の第二法則の表現を理解し,実際のサイクルについてカルノーサイクルとの関係を説明できる.熱力学の第二法則の表現を説明できる.熱力学の第二法則の表現について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学が科学技術にとって極めて重要な科目であることの認識を深め,基本となる法則やいくつかの概念について十分に理解し,さらに熱的諸量の計算ができることを目標とする.これを達成するために,熱力学の第一法則を学び,また,動作流体の例として理想気体の状態変化を学ぶ.
授業の進め方・方法:
熱力学に関する法則や概念について講義し,式については導出過程を詳細に説明する.授業内容の理解のため,適宜演習問題などに取り組み,レポート提出をする.中間試験および期末試験時に授業内容をレポートにまとめ提出する.
注意点:
・レポートを期限内に提出すること.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の達成レベルが標準以上であることが認められる.
・熱が人間をはじめ生命の命の営みにどのような関係があるかにも関心を寄せるよう留意する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
基礎的事実と定義
授業の概要と評価方法について理解できる.
熱力学的系,系の平衡,SI多単位について理解できる.
2週 熱力学の第一法則 エネルギー保存則・熱収支を理解し計算できる,
3週 閉じた系と開いた系1 熱・仕事・内部エネルギー・エンタルピー・p-v線図を理解できる.両系のエネルギー式を理解できる.
4週 閉じた系と開いた系2
外界にする仕事1
膨張仕事と工業仕事の違いを理解し,計算による扱いができる.
5週 外界にする仕事2 膨張仕事と工業仕事の違いを理解し,計算による扱いができる.
章の演習.
6週 理想気体の状態式 理想気体の定義について,3通りの表現を理解できる.
7週 気体分子の運動
圧力,温度,内部エネルギーについてミクロな見解を理解できる.
8週 中間試験 学んだ知識を確認できる.
2ndQ
9週 中間試験の振り返り
理想気体の状態変化1
中間試験を振り返る
等圧・等積・等温・ポリトロープの各状態変化における熱と仕事の関係を理解し,計算の扱いができる.
10週 理想気体の状態変化2 等圧・等積・等温・ポリトロープの各状態変化における熱と仕事の関係を理解し,計算の扱いができる.
11週 理想気体の状態変化3 等圧・等積・等温・ポリトロープの各状態変化における熱と仕事の関係を理解し,計算の扱いができる.
12週 気体の混合 ダルトンの法則を理解し,混合気体の状態変化を扱うことが出来る.
章の演習.
13週 カルノーサイクル1 サイクルを理解し,カルノーサイクルの特性を理解できる.
14週 カルノーサイクル2 サイクルを理解し,カルノーサイクルの特性を理解できる.
15週 不可逆現象と熱力学の第二法則 自然現象の方向性,熱力学の第二法則の表現を理解できる.
16週 期末試験 学んだ知識を確認できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4前1
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4前1
熱力学の第一法則を説明できる。4前2
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4前2,前3,前4,前5
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4前2,前3,前4,前5
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4前6,前7
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4前6,前7
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4前6,前7
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4前9,前10,前11
熱力学の第二法則を説明できる。3前15
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4前13,前14
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4前13,前14

評価割合

試験レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合703000000100
基礎的能力20100000030
専門的能力40100000050
分野横断的能力10100000020