流体工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 流体工学Ⅱ
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書は使用せず,適宜プリントを配布.参考書:流体機械工学(今木清康著,コロナ社),流体機械(大橋秀雄著 森北出版),ターボ機械-入門編-新改訂版(ターボ機械協会編 日本工業出版)
担当教員 石向 桂一

到達目標

1.運動量および角運動量の式を用い,流体の運動により作用する力およびトルクを計算できる.
2.ターボ機械の羽根車内の流れを理解し,ターボ機械に関する諸量を計算できる.
3.流体機械で見られる諸現象について理解し,事故や問題発生の回避方法を考えることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-1,D-1,D-2)運動量および角運動量の式を理解し,流体の運動により作用する力およびトルクを計算できる.運動量および角運動量の式を説明でき,流体の運動により作用する力を計算できる.運動量および角運動量の式を説明できず,流体の運動により作用する力を計算できない.
評価項目2 (A-1,D-1,D-2)ターボ機械の羽根車内の流れを理解し,相似法則や損失・効率からターボ機械に関する諸量を計算できる.ターボ機械の羽根車内の流れを説明でき,ターボ機械の損失と効率を計算できる.ターボ機械の羽根車内の流れを説明できず,ターボ機械の損失と効率を計算できない.
評価項目3 (A-1,D-1,D-2)流体機械で見られる諸現象について理解し,事故や問題発生の回避方法を考えることができる.キャビテーションおよび水撃現象について説明できる.キャビテーションおよび水撃現象について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
運動量の式,角運動量の式といった基本的な公式の習得と,ターボ機械の基礎的な事柄の習得を目的とする.これを達成するために,羽根車内の流れや羽根車が流体に作用する力について学習し,ターボ機械について運動量保存則が連続の式やベルヌーイの式とともに流体の流れに関する問題を解く際の基本法則であることの理解を深める.さらにターボ機械特有の現象であるキャビテーションや水撃現象についても学習する.
授業の進め方・方法:
運動量保存則や角運動量保存則など,流体に関する法則や概念について講義し.公式については導出過程を詳細に説明する.中間試験および期末試験時に授業内容をレポートにまとめ提出する.
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2(30%),D-1(50%),D-2(20%)とする.
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の達成レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
・流れの力学的概念(流体力学I,流体力学II,流体工学I)をしっかりと習得し,ターボ機械の作動原理を理解することが重要である.また,ターボ機械で見られる諸現象を認識し,その設計および使用において留意すべき点や事故などを回避する方法を身に付けるよう留意する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
運動量の式1
授業の概要と評価方法について理解できる.
流体力学の概要を復習し,流体工学IIの学習に備えることができる.
2週 運動量の式2 運動量の式を用いて,流体の運動により作用する力の計算方法を習得することができる.
3週 運動量の式3 運動量の式を用いて,流体の運動により作用する力の計算方法を習得することができる.
4週 流体機械の基本概念と角運動量の式1 運動量の式および角運動量の式を用いて,流体の運動により作用するトルクの計算方法を習得することができる.
5週 流体機械の基本概念と角運動量の式2 運動量の式および角運動量の式を用いて,流体の運動により作用するトルクの計算方法を習得することができる.
6週 ターボ機械の羽根車内の流れ 運動量の式や角運動量の式を用いてターボ機械の羽根車内の流れを説明することができる.
7週 エネルギー伝達の基礎式
次週,中間試験を実施する.
回転を伴う場合のエネルギー保存則(ベルヌーイの式)を説明することができる.
8週 損失と効率1 ターボ機械の損失と効率について知識を習得することができる.
4thQ
9週 損失と効率2 ターボ機械の損失と効率について知識を習得することができる.
10週 損失と効率3 ターボ機械の損失と効率について知識を習得することができる.
11週 相似法則1 相似法則によりターボ機械に関する諸量の計算方法を習得することができる.
12週 相似法則2 相似法則によりターボ機械に関する諸量の計算方法を習得することができる.
13週 相似法則3
キャビテーションおよび水撃現象
相似法則によりターボ機械に関する諸量の計算方法を習得することができる.
流体機械で見られる諸現象に関する知識を習得することができる.また,流体機械の設計や仕様において,現象を予測し,事故や問題発生の回避方法を考えることができる.
14週 その他の諸現象1 流体機械で見られる諸現象に関する知識を習得することができる.また,流体機械の設計や仕様において,現象を予測し,事故や問題発生の回避方法を考えることができる.
15週 学年末試験 学んだ知識を確認できる.
16週 答案返却
その他の諸現象2
答案の確認および理解度を確認することができる.
流体機械で見られる諸現象に関する知識を習得することができる.また,流体機械の設計や仕様において,現象を予測し,事故や問題発生の回避方法を考えることができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4

評価割合

試験レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合802000000100
基礎的能力2550000030
専門的能力4550000050
分野横断的能力10100000020