1. 歯車ポンプの仕組みを理解し,仕様に基づいた主要部の設計ができる。
2. 機械部品の規格を理解し,汎用機械部品を活用した設計ができる。
3. 三次元CAD システムのCAD データベースを活用し,三次元CAD システムにより歯車ポンプの三次元モデルや組立図などを作成できる。
概要:
機械設計演習Ⅰに引き続き,平歯車を用いた機械として,外接かみあい歯車ポンプ(以下,歯車ポンプ)の設計を行い,三次元CAD により,部品のモデリングとそれらのアセンブリを行なう。
授業の進め方・方法:
歯車ポンプの設計を行う。各自に与えられた設計仕様に基づき,設計計算と製図作成(モデリング)とを交互に行い,強さ(材料力学など),動き(機構学など),製作方法(機械加工学など)を検討しながら,形状・寸法・材質・製作工程を決定する。また,JISなどの規格,標準品などを適切に使用することが求められる。なお,設計図面の作成は三次元CADで行う。
各自が自宅学習にて設計活動を随時進めていかなければ,授業時間のみで課題をこなすことは厳しい。自学自習の時間を含め各自の自主性,計画性および積極性が強く求められる。設計計算書および図面の提出期限を厳守すること。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標は,A-2,D-1,D-2とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に係わる理論についての予習復習時間,解析結果を検討しレポートにまとめる時間などを総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・「地域・社会の要求への対応力(A-2)」,「基礎工学・専門工学知識活用力(D-1)」および「分析力(D-2)」の各項目全てを,「設計計算書と設計図面」と「設計計算と製図の取組」の両方から評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
Ⅰ.歯車ポンプの設計製図 (1)課題説明 (2)性能についての計算 |
・授業の概要と評価方法が理解できる。 ・設計課題について理解することができる。
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2週 |
(3)軸の強度計算 (4)ケースの強度計算 |
・資料に基づいて主要部品の設計計算ができる。
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3週 |
(5)カバー取付けボルトの強度計算 (6)リリーフ弁ばねの諸元計算 |
・資料に基づいて主要部品の設計計算ができる。
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4週 |
(7)歯車の諸元計算 (8)その他の部品の選定① |
・資料に基づいて主要部品の設計計算ができる。
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5週 |
(8)その他の部品の選定② (9)ケースおよびカバーのモデリング① |
・資料に基づいて主要部品の設計計算ができる。 ・三次元CADにより主要部品および関連部品のモデリングができる。
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6週 |
(9)ケースおよびカバーのモデリング② |
・三次元CADにより主要部品および関連部品のモデリングができる。
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7週 |
(9)ケースおよびカバーのモデリング③ |
・三次元CADにより主要部品および関連部品のモデリングができる。
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8週 |
(10)作業状況の中間チェック (11)ケースおよびカバーを除いた部品のモデリングとアセンブリ①
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・設計計算書の中間提出により,担当 教員へ課題の進行状況を報告し,訂正が必要な箇所を明らかすることができる。 ・三次元CAD により,部品のモデリング,アセンブリおよび図面作成ができ る。
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4thQ |
9週 |
(11)ケースおよびカバーを除いた部品のモデリングとアセンブリ② |
・三次元CAD により,部品のモデリング,アセンブリおよび図面作成ができる。
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10週 |
(11)ケースおよびカバーを除いた部品のモデリングとアセンブリ③ |
・三次元CAD により,部品のモデリング,アセンブリおよび図面作成ができる。
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11週 |
(11)ケースおよびカバーを除いた部品のモデリングとアセンブリ④ |
・三次元CAD により,部品のモデリング,アセンブリおよび図面作成ができる。
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12週 |
(11)ケースおよびカバーを除いた部品のモデリングとアセンブリ⑤ |
・三次元CAD により,部品のモデリング,アセンブリおよび図面作成ができる。
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13週 |
(12)アセンブリの完成 |
・三次元CAD により,部品のモデリング,アセンブリおよび図面作成ができる。
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14週 |
(13)全体組立図の作成と完成 |
・線種の区別,切断,はめあい記号,仕上げ記号などJIS の製図法に基づき,図面を作成できる。
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15週 |
(14)設計計算書の完成 |
・設計計算書と設計図面などを期日までに完成させることができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 製図 | CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
機械設計 | 標準規格の意義を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後15 |
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後15 |
標準規格を機械設計に適用できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後15 |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。 | 4 | 後1,後3,後15 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。 | 4 | 後1,後3,後15 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。 | 4 | 後1,後3,後15 |
軸の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 後1,後2,後15 |
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。 | 4 | 後1,後2,後15 |
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 4 | 後1,後4,後15 |
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。 | 4 | 後1,後4,後15 |
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。 | 4 | 後1,後4,後15 |
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。 | 4 | 後1,後4,後15 |