システム工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 システム工学
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 新版 システム工学通論(中村嘉平,浜岡尊,山田新一 著,朝倉書店)/プリント(資料, 図表など)
担当教員 岡田 昌樹

到達目標

1. システム制御の概念を説明でき,制御系を数学的に表現できる。
2. 制御系の特性を解析でき,それを評価できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1システム制御の概念を正しく説明でき,制御系を導き出せる。システム制御の概念を説明でき,制御系を数学的に表現できる。システム制御の概念を説明できず,制御系を数学的に表現できない。
評価項目2制御系の特性を正しく解析でき,それを正しく評価できる。制御系の特性を解析でき,それを評価できる。制御系の特性を解析できず,それを評価できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
メカトロニクスとは,メカニズムとエレクトロニクスが融合された技術であり,様々な要素技術をシステムとして管理・制御する学問にシステム工学がある。システム工学では,基本概念と種々の技法概略を理解し,システム計画技法の代表例である予測技法,構造化技法,評価技法,管理技法,システムの最適化技法である線形計画法と割当て法について学ぶ。
さらに,システム制御の根幹となるフィードフォワード制御,フィードバック制御を理解し,種々のシステムをモデルにより視覚的に表現する手法を学ぶ。応用例としては,各分野で多用されているファジィ理論,遺伝的アルゴリズム,ニューラルネットワークを具体的技術と関連付けて学び,理解を深める。
授業の進め方・方法:
機械の知能化を実現するメカトロニクスにおいて,管理・制御技術としてのシステム工学の手法を理解できるようにし,最適なメカトロニクス・システムを計画・開発・運用するために必要な知識と技術を身に付けられるような授業を実施する。
注意点:
システム工学は,技術社会の発展に伴ってその内容が日々進歩する学問である。常に最新の社会現象に結びつけて授業内容を理解するよう心がけていただきたい。また,システム工学の内容の一部は技術者倫理に深く関連するため,技術者がシステム設計に対して負うべき責任を常に念頭におきつつ,各種システム設計技法の修得に努めていただきたい。
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 【システム工学の概要】・システム工学の歴史、需要に合わせたシステムの供給スタイルを説明し、具体的な事例に合わせて受講生は摸式する。
・システムの落とし穴を解説し、今後の全授業の概要を説明する。
・システム工学の概要、視点による分類と考察の違いを理解する。
・システムの特性と信頼性を理解し、システム構築の基本を考察する。
2週 【システムズアプローチ1】・システム思考の大切さ、工学技法の抑えどころを解説し、受講生は費用対効果を提案できるようにする。
・ウォーターフォール開発の基本を解説し、受講生はアジャイル開発への応用につなげてみる。
・システム思考と分析手法を理解し、模式することができる。
・システム開発計画を考え、Gantt Chartへ落とし込める。
3週 【システムズアプローチ2】・予測技法と構造化技法の解説を通じ、自ら課題発見やその解決に使用を試みる。
・管理技法を説明できるようになり、管理工数と費用提案のバランスを考察する。
・予測技法と構造化技法を理解し、模式できる。
・管理技法から新規案件を提案ができるようになる。
4週 【システム計画技法1】・数理計画法からPERT及びCPM に基づいたシステム管理について説明でき、工程表を設計できるようにする。
・動的多段階の決定過程を理解し、最適提案を考察する。
・数理計画法を行列と生産に応用して模式できる。
・最大輸送計画と割当法から動的計画法の提案ができるようになる。
5週 【システム計画技法2】・制御による自動化の問題点を理解し、リスクヘッジについて考察する。
・知的システムと知的制御システムの設計を通じ、ファジーコントロール
・システム制御の概念を理解し、実システムへの応用を提案できる。
6週 【システム最適化】・システムを最適化するための基礎知識と実情についての理解する。 ・数理計画法、スケジューリング線形計画法を説明できる。また、情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。
7週 【システム最適化2】・割り当て法を理解し、動的計画法、在庫管理と資金配分について説明する。 ・割り当て法の計算ができる。システムの最適化する要素について必要な知識を得る。
8週 中間試験 ・学んだ知識と各種設計ができることを確認する。
4thQ
9週 【システム制御1】・制御システムの伝達関数について説明できるようにする。 ・伝達関数を説明できる。
10週 【システム制御2】・フィードフォワード制御システムの状態方程式を導けるようにする。 ・制御システムの設計の種類とファジーについて説明できる。
11週 【システム信頼性1】・信頼度関数を導けるようにする。システムの信頼性の要素を説明する。 ・システムの信頼度関数、信頼性を説明を説明できる。
12週 【システム信頼性2】信頼性の管理、信頼性設計フィードバック制御システムの状態方程式を導けるようにする。また、制御システムの可制御性を判定できるようにする。 ・フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。FMEAチャートを提案できる。
13週 【シミュレーションとモデリング1】・数学モデルについて理解でき、図的モデル(信号モデル、ブロック線図、フローモデル、 フローダイヤグラム)によりシステム内の信号、情報、物の流れを明確化できるようにする。 ・ブロック線図を用いて制御系を表現できる。
14週 【シミュレーションとモデリング2】知的情報処理の概念を理解でき、シミュレーション技術の種類を説明する。 ・自動制御のシミュレーションの定義と種類を説明できる。
15週 【情報処理とネットワーク】・情報処理システム、情報ネットワークシステムについて説明する。 ・情報処理の知的処理とその活用について説明できる。また、論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。さらに、コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。
16週 学年末試験 学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3後2,後3,後4,後5,後6
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3後15
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3後15
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3後1
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後10,後11,後14,後15
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3後8,後12
伝達関数を説明できる。3後9
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3後13

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000