流体工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 流体工学Ⅰ
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 基本を学ぶ 流体力学 (藤田勝久 著,森北出版株式会社)
担当教員 宇野 直嗣

到達目標

1. 流体の性質について説明でき,流体の物性値を使い分けた計算ができる。
2. ポテンシャル流れの重ね合わせについて説明でき,その諸量を計算ができる。
3. 流れにおける流体の粘性の影響について説明でき,その諸量を計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の性質について説明でき,流体の物性値を導出できる。流体の性質について説明でき,流体の物性値を使い分けた計算ができる。流体の性質について説明できず,流体の物性値を使い分けた計算ができない。
評価項目2ポテンシャル流れの重ね合わせについて説明でき,その諸量を計算ができるとともに,関係式の導出もできる。ポテンシャル流れの重ね合わせについて説明でき,その諸量を計算ができる。ポテンシャル流れの重ね合わせについて説明できず,その諸量を計算ができない。
評価項目3流れにおける流体の粘性の影響について説明でき,その諸量の計算ができ,関係式の導出もできる。流れにおける流体の粘性の影響について説明でき,その諸量の計算ができる。流れにおける流体の粘性の影響について説明できず,その諸量の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 流体力学Ⅰ,Ⅱで学習した流れの知識を踏まえ,粘性流れで扱われるレイノルズ数を学び,円柱まわりや円管内の粘性流れを取り上げ,流体の粘性が流れに及ぼす影響を学習する。次に,粘性と圧縮性を考慮した流れの運動方程式であるナビエ・ストークス方程式の各項の詳細について学び,扱う流れに応じてナビエ・ストークス方程式を変形し,数学的に解くことを学習する。
授業の進め方・方法:
 流体力学Ⅰ,Ⅱで習得した流体力学の知識を元に,外部流れおよび内部流れにおける流体の粘性の影響の解説と,粘性流れに関する基礎式の導出について講義を行う。また,適宜,例題と類似の演習問題を解かせ,必要に応じてレポート提出を課す。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標は,D-1,D-2とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の回答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・予習復習の成果を確認するために,学習ノートの提出を求めることがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ポテンシャル流れの重ね合わせ① ・簡単なポテンシャル流れの重ね合わせにより,複雑なポテンシャル流れを扱うことができる。
2週 1.ポテンシャル流れの重ね合わせ② ・簡単なポテンシャル流れの重ね合わせにより,複雑なポテンシャル流れを扱うことができる。
3週 1.ポテンシャル流れの重ね合わせ③
2.粘性流体流れの基礎
(1)粘性流れに作用する力とその条件
・簡単なポテンシャル流れの重ね合わせにより,複雑なポテンシャル流れを扱うことができる。
・粘性流れに作用する力とその条件に
ついて説明することができる。
4週 (2)レイノルズ数と流れとの関係 ・レイノルズ数と流れとの関係について説明することができる。
5週 (3)円柱まわりの粘性流れ① ・円柱まわりの粘性流れの性質について説明し,各種諸量を求めることができる。
6週 (3)円柱まわりの粘性流れ② ・円柱まわりの粘性流れの性質について説明し,各種諸量を求めることができる。
7週 (3)円柱まわりの粘性流れ③
(4)円管内の粘性流れ①
次週,中間試験を実施する
・円柱まわりの粘性流れの性質について説明し,各種諸量を求めることができる。
・円管内の粘性流れの性質について説明し,各種諸量を求めることができる。
8週 中間試験 ・学んだ知識の確認ができる。
2ndQ
9週 答案返却および解説
(4)円管内の粘性流れ②
・学んだ知識の再確認および修正ができる。
・円管内の粘性流れの性質について説明し,各種諸量を求めることができる。
・円管内の粘性流れの性質について説明し,各種諸量を求めることができる。
10週 (4)円管内の粘性流れ③ ・円管内の粘性流れの性質について説明し,各種諸量を求めることができる。
11週 3.粘性流れの基礎方程式
(1)連続の式
・圧縮性流れおよび非圧縮性流れの連続の式を導くことができる。
12週 (2)ナビエ・ストークス方程式① ・流体粒子に作用する粘性力について説明し,ナビエ・ストークス方程式を導くことができる。
13週 (2)ナビエ・ストークス方程式② ・流体粒子に作用する粘性に伴う応力について説明し,ナビエ・ストークス方程式を導くことができる。
14週 (3)基礎方程式の簡略化と厳密解① ・基礎方程式の簡略化ができ,厳密解を求めることができる。
15週 (3)基礎方程式の簡略化と厳密解② ・基礎方程式の簡略化ができ,厳密解を求めることができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4前1,前2,前3,前8,前11,前12,前13,前14,前15,前16
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前1,前2,前3,前8,前11,前12,前13,前16
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4前3,前4,前8,前12,前13,前16
定常流と非定常流の違いを説明できる。3前11,前12,前13,前14,前15,前16
流線と流管の定義を説明できる。4前11,前12,前13,前14,前15,前16
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前11,前14,前15,前16
オイラーの運動方程式を説明できる。4前12,前13,前14,前15,前16
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前16
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前16
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4前7,前8,前9,前10,前16
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4前9,前10,前16
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4前5,前6,前7,前8
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4前5,前6,前7,前8
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4前5,前6,前7,前8

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力6416000080
専門的能力160000016
分野横断的能力0400004