塑性加工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 塑性加工学
科目番号 0067 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 なし/塑性学と塑性加工(葉山益次郎著,オーム社), 基礎塑性加工学(第2版)(川並高雄ほか,森北出版)
担当教員 安田 洋平

到達目標

1. 塑性加工法の種類を説明できる。
2. 塑性力学に基づいて、被加工材料に生じる応力とひずみを計算できる。
3. 鍛造、押出し、圧延、引抜き、プレス加工などの特徴を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1塑性加工法の種類を正しく説明できる。塑性加工法の種類を説明できる。塑性加工法の種類を説明できない。
評価項目2塑性力学に基づいて被加工材に生じる応力とひずみを正しく計算できる。塑性力学に基づき被加工材に生じる応力とひずみを計算できる。塑性力学に基づいて被加工材に生じる応力とひずみを計算できない。
評価項目3鍛造、押出し、圧延、引抜き、プレス加工などの特徴を正しく説明できる。鍛造、押出し、圧延、引抜き、プレス加工などの特徴を説明できる。鍛造、押出し、圧延、引抜き、プレス加工などの特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
身の回りの製品の多く,例えば,自動車・航空機・電子機器は,塑性加工もしくは機械加工により製造されている。これら加工プロセスの基礎理論を知っておくこととその理論を実際に適用する考え方を身につけることは重要である。本講義では,理論面では,塑性加工に焦点を当てて概説し,将来,塑性加工に関連する研究,技術に従事するときに必要となるであろう知識を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
前半に,塑性加工を理解するための基礎となる塑性力学を学んだのち,後半において押出し,引抜き,圧延といった塑性加工の各論を学ぶ。講義では,私たちの身近にある製品を取り上げ,それらがどのように造られているのか説明を加えながら進める。また,専門書籍には記載されていない重要事項や記載されていても説明不足の事項に重点をおいて講義する。
注意点:
単に授業に出席するだけではなく,授業中に疑問を持ったらすぐに質問をするようにして欲しい。細かい事例を覚えるよりも,塑性加工が製品完成までに占める役割について学ぶよう心掛けること。
・教育プログラムの学習・教育到達目標は,A-2, D-1, D-2とする.
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間および定期試験の準備のための勉強時間を総合したものとする.
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 塑性加工とは(総論) 塑性とは何か,塑性加工の目的について理解できる.
2週 応力とひずみ 公称応力と真応力,公称ひずみと真ひずみの違いについて理解できる.
3週 応力-ひずみ曲線の数式表示 応力とひずみを関係付ける構成式について理解できる。
4週 応力状態と応力成分 単軸応力,平面応力,静的釣り合いについて理解できる.
5週 多軸応力下の金属の降伏条件 材料が塑性変形するための条件について理解できる.
6週 静水応力と偏差応力,主応力 静水応力と偏差応力,主応力について理解できる.
7週 ひずみ増分理論の構成式 多軸応力下の応力と塑性ひずみ増分の関係式について理解できる.
8週 中間試験 学んだ知識の確認ができる.
4thQ
9週 押出し加工 押出し加工と塑性力学を関連づけて考えることができる.
10週 引抜き加工 引抜き加工と塑性力学を関連づけて考えることができる.
11週 鍛造加工 鍛造加工と塑性力学を関連づけて考えることができる.
12週 曲げ加工 曲げ加工と塑性力学を関連づけて考えることができる.
13週 圧延加工 圧延加工と塑性力学を関連づけて考えることができる.
14週 せん断加工 せん断加工と塑性力学を関連づけて考えることができる.
15週 板成形加工 板成形加工と塑性力学を関連づけて考えることができる.
16週 期末試験 学んだ知識の確認ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4後5,後6
応力とひずみを説明できる。4後2
工作塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4後11
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4後11

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40600000100
基礎的能力40600000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000
態度・志向性(人間力)0000000