機械力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 機械力学Ⅰ
科目番号 0115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 演習で学ぶ機械力学(小寺・矢野共著、森北出版)/プリント(演習問題、資料等)
担当教員 石井 悟

到達目標

1. 質点系の運動を運動方程式で表し、その運動を説明できる。
2. 剛体の回転運動を運動方程式で表し、その運動を説明できる。
3. 不減衰系および減衰系の1自由度振動系における自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(D-1,D-2) 質点系の運動について、質点に作用する力を考えて運動方程式を立て、その運動を十分に説明できる。質点系の運動について、質点に作用する力を考えて運動方程式を立て、その運動をほぼ説明できる。質点系の運動について、運動方程式を立てられず、その運動を説明できない。
評価項目2(D-1,D-2)慣性モーメントが理解でき、剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。また、その解を導き、その運動を十分に説明できる。慣性モーメントが理解でき、剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。また、その運動をほぼ説明できる。慣性モーメントが理解できておらず、剛体の回転運動を式で表すことができないため、その運動について説明できない。
評価項目3(D-1,D-2) 剛体の回転運動等が混ざった複雑な不減衰系および減衰系の1自由度振動系における自由振動を運動方程式で表し、その運動を説明できる。不減衰系および減衰系の1自由度振動系における自由振動を運動方程式で表し、系の運動をほぼ説明できる。不減衰系および減衰系の1自由度振動系における自由振動を運動方程式で表せず、系の運動を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標③ 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造物や機械の安全性を確保するためには、静的な状態だけでなく、動的な状態を考慮する必要がある。例えば、機械を動かす場合には、振動が発生するが、多くの場合、その振動は機械に好ましい影響を与えない。したがって、機械の性能向上には、その振動特性を理解し、それによって起る問題を回避する必要がある。機械力学Iでは、機械や構造物に対する動的な力学諸問題に対応する基礎力を養うため、簡単な質点系の運動の学習から出発し、剛体の運動、1自由度の振動を取り扱うため理論を学ぶ。
授業の進め方・方法:
4年生前期までに学習した機械力学に関係した内容については、理解の深さを確認しながら、復習・演習を中心に行う。工業的によく使われている内容を多くし、機械を設計するときに有用となる部分については、多くの演習と具体的な応用例に関連させながら学習する。
力学の基礎法則の意味を何度も確認しながら演習問題を解き、微積分、ベクトル等の有用性を理解する。自ら積極的に調べ、思考する事の重要性を在学中の経験を通して学ぶ。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は、D-1(50%)、D-2(50%)とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は、日常の授業(30時間)に対する予習復習、レポート課題の回答作成時間、試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については、合計得点が60点以上で単位修得となる。その場合、各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること、教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・予習・復習の効果を確認するために、レポートの提出を求めることがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.質点の運動
(1)ニュートンの運動法則
ニュートンの運動の三法則を理解できる。
これまで力学分野で学んできた知識を用いて運動方程式を立て、問題を解くことができる。
2週 (2)慣性系での運動
(3)加速度を持つ座標系での運動
(4)回転する座標系での運動
座標系によって、運動方程式の形が変わることを理解できる。また、対象とする問題に適した座標系を選択することで、問題を簡単に取り扱える場合があることが理解できる。
3週 2.剛体の運動
(1)慣性モーメント
慣性モーメントとは何かがわかる。
質点系および剛体の慣性モーメントを求めることができる。
4週 (2)回転の運動方程式 剛体の回転を運動方程式で表し、その運動を説明できる。
5週 (3)剛体の並進と回転 並進と回転が組み合わさった剛体の運動方程式を導き、その運動を説明できる。
6週 4.減衰系の1自由度振動
(1)不減衰系の振動
不減衰系の振動(調和振動)を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
7週 問題演習
次週、中間試験を実施する
6週で学んできた知識を用い、それに関連した問題を解くことができる。
8週 4.減衰系の1自由度振動
(1)不減衰系の振動
不減衰系の自由振動を表す運動方程式を解き、求めた解より、系の運動を説明できる。固有振動数を求められる。
4thQ
9週 (2)減衰系の振動 減衰系の自由振動を運動方程式で表せる。またその系の運動が減衰比によって3種類(超過減衰、臨界減衰、不足減衰)に変化することを理解できる。
10週   減衰系の振動 減衰系の自由振動の運動方程式を解き、減衰比によって変化する3つの解を求められる。またそれらの運動を説明できる。
11週 (3)ばねとダッシュポットの合成 おもりに接続された複数のばねおよびダッシュポットを、それと等価な1つのばねおよびダッシュポットで表せる。
12週 (4)複数のばねおよびダッシュポットで構成された振動系 複数のばねおよびダッシュポットで構成された1自由度振動系の運動方程式を導き、その系の運動を理解できる。
13週 (5)外力による強制振動 1自由度振動するおもりに、急に単純な外力が加わった場合の振動系の運動方程式を立てることができる。
14週 (6)外力による強制振動 急に単純な外力が加わった場合の振動系の運動方程式を立て、その解を導き、その系の運動を説明できる。
15週 (7)問題演習 これまで学んできた知識を用い、それに関連した問題を解くことができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4後3,後7,後8
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4後3,後7,後8
振動の種類および調和振動を説明できる。4後6,後7,後8
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4後6,後7,後8,後9
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3後10

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000