応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0124 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 原康夫著 「物理学基礎」(第5版) 学術図書出版社 / プリント,新物理基礎(第一学習社),物理(啓林館)
担当教員 寺木 悠人

到達目標

1. 電場を理解し、ガウスの法則を使って電場を求めることができる。
2. 導体の性質を理解し、キャパシターの電気容量や極板間の電位差を求めることができる。
3. 電流と磁場について、数式(ベクトルや微分積分)を用いて理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (A-1)電場を直感的に理解し、ガウスの法則を使って電場を求めることができる。電場を理解し、ガウスの法則を使って電場を求めることができる。電場を直感的に理解できず、ガウスの法則を使って電場を求めることができない。
評価項目2 (A-1)導体の性質をよく理解し、様々なキャパシタ−の電気容量や極板間の電位差を求めることができる。導体の性質を理解し、キャパシタ−の電気容量や極板間の電位差を求めることができる。導体の性質を理解できず、キャパシタ−の電気容量や極板間の電位差を求めることができない。
評価項目3 (A-1)電流と磁場について、直感的に数式(ベクトルや微分積分)を用いて理解することができる。電流と磁場について、数式(ベクトルや微分積分)を用いて理解することができる。電流と磁場について、数式(ベクトルや微分積分)を用いて理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 機械システム工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
最初に質点や剛体の回転運動について学んだ後、真空中の静電場をベクトルや微分、積分を用いて扱う方法を学ぶ。続いて、導体や誘電体が存在するときの静電場や、静電場に対する導体・誘電体の振る舞いについて学ぶ。後半では、電流や電流が作る磁場について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書「物理学基礎(第4版)」に沿って講義を行う。また、課題のプリントを配布して問題演習を行ってもらうことがある。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-1(100%)とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・物理法則を表す公式を単に暗記するのではなく,物理現象と関連づけて直感的に理解すること。一つの公式に数値を当てはめる だけで満足せず,物理的イメージを持ち,それを元に考えることが重要である。
・演習と1・2・3年生で学んだ物理の復習を継続的におこなって、知識と理解を持続させること。わからない場合は,まず自分なりに理解する努力をし,それでも解決できない場合は遠慮せず教員に質問すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
第6章 質点の角運動量と回転運動の法則
6.1 質点の回転運動-平面運動の場合(その1)
・力のモーメントや角運動量の定義を理解できる。
・回転運動の法則を理解出来る。
2週 6.1 質点の回転運動-平面運動の場合(その2)
第8章 剛体の力学
8.1 剛体の運動方程式と剛体のつり合い
・角運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
・剛体の運動が重心の運動と重心のまわりの回転運動に分解できることを説明できる。
3週 8.2 固定軸のまわりの剛体の回転運動と慣性モーメント ・簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。
・剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
4週 第16章 真空中の静電場
16.1 電荷と電荷保存則
16.2 クーロンの法則
・クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。
5週 16.3 電場
16.4 電場のガウスの法則とその応用
・ガウスの法則を用いて電場を計算できる。
6週 16.5 電位 ・電位を、質点に対する仕事とエネルギーの関係と関係づけて理解できる。
7週 第17章 導体と静電場
17.1 導体と電場
次週、中間試験を実施する。
・導体の性質について、自由電子と関連させて説明できる。
8週 17.2 キャパシター ・キャパシターの電気容量や極板間の電位差を求めることができる。
2ndQ
9週 第18章 誘電体と静電場
18.1 誘電体と分極(その1)
・誘電体の性質について理解し説明できる。
10週 18.1 誘電体と分極(その2) ・キャパシターの極板間(電場の中)に誘電体を置くと、誘電体やキャパシターがどのような影響をうけるのかを理解できる。
11週 第19章 電流
19.1 電流と起電力
19.2 オームの法則
19.4 電流と仕事
・電流が荷電粒子の流れであることを理解できる。
・電圧、電流、抵抗、電力、ジュール熱などの物理量や合成抵抗を、オームの法則を利用して求めることができる。
12週 19.3 直流回路 ・キルヒホッフの法則を直感的に理解し、複雑な回路に適用することができる。
13週 第20章 電流と磁場
20.1 磁石と磁場
20.2 電流のつくる磁場1
20.3 荷電粒子に働く力(ローレンツ力)
・磁荷がそのまわりに磁場をつくることを理解できる。
・電流が磁場をつくることを理解できる。
・ローレンツ力について説明することができる。
14週 20.4 電流に働く力
20.5 電流の間に働く力
・磁場中の電流に力が働くことを理解できる。
・電流と電流の間に力が働くことを理解できる。
15週 20.6 電流の作る磁場2-ビオ‐サバールの法則
20.7 磁束と磁場Bのガウスの法則とアンペールの法則
・磁場に関するビオ−サバールの法則、ガウスの法則、アンペールの法則を理解することができる。
16週 期末試験 ・これまで学んだ内容について、試験で確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000