到達目標
2変数の積分に関して数学的な概念を理解し,積分を求め,活用することができる。
1階および2階の微分方程式の解を求めることができる。
ラプラス変換および逆ラプラス変換を,微分方程式の初期値問題に応用することができる。
行列の固有値と固有ベクトルを求めることができ,それらを利用することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1(A-1) | 2変数の積分に関して数学的な概念を正しく理解でき,積分を工夫して求め,活用することができる。 | 2変数の積分に関して数学的な概念を理解でき,積分を求めて活用することができる。 | 2変数関数の積分に関する数学的な概念を理解することおよび積分の計算や活用ができない。 |
評価項目2(A-1) | 1階および2階の微分方程式の解を様々な工夫により求めることができ,活用することができる。 | 基本的な1階および2階微分方程式を解くことができる。 | 基本的な1階および2階微分方程式を解くことができない。 |
評価項目3(A-1) | ラプラス変換および逆ラプラス変換を用いて初期値問題を解くことができる。 | ラプラス変換および逆ラプラス変換を用いて,簡単な初期値問題を解くことができる。 | ラプラス変換および逆ラプラス変換を用いて初期値問題を解くことができない。 |
評価項目4(A-1) | 固有値・固有ベクトルうぃ利用した計算をすることができる。 | 行列の固有値および固有ベクトルを求めることができる。 | 行列の固有値および固有ベクトルを求めることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
まず,第3学年で学んだ2変数関数の微分法に続き,2変数関数の積分(重積分)について学ぶ。その後,これまで学んだ微分法および積分法の知識を基礎として,1階および2階の微分方程式の解法を学び,続いて,定数係数線形微分方程式の初期値問題を解く方法としてのラプラス変換を学ぶ。最後は,行列の応用として,行列の固有値および固有ベクトルについて学び,これの応用である対角化を学ぶ。
授業の進め方・方法:
第3学年までに学んだ微分積分,ベクトルおよび行列をもとに,ここでは重積分および微分方程式の解法を中心として発展させる。専門科目における数学の活用において,数学的表現に含まれる意味を理解した上で数学的な処理ができるようになることを目標とする。
注意点:
3年生までの数学の内容を理解していることを前提とする。必ず予習をし,そこで疑問点を整理し,授業に臨むこと。授業をしたその日のうちに復習を行い,授業内容を理解すること。授業以外において問題演習を数多くこなすことも必要である。
教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-1(100%)とする。
総時間数90時間(自学自習30時間)
自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス [教科書「新版微分積分Ⅱ」] 二重積分①二重積分の定義と累次積分・累次積分の順序交換 |
二重積分の定義を理解し,累次積分になおして計算できる。累次積分の積分順序を交換して計算できる。
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2週 |
二重積分②変数変換による二重積分の計算 |
積分変数を極座標に変換して二重積分を計算できる。
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3週 |
二重積分③二重積分の応用 |
二重積分を用いて立体の体積を求めることができる。ガウス型積分の計算ができる。
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4週 |
[教科書「応用数学」] 微分方程式①微分方程式と解・変数分離形の微分方程式の解法 |
微分方程式の意味を理解し,変数分離形の微分方程式を解くことができる。
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5週 |
微分方程式②同次形微分方程式の解法・1階線形微分方程式の解法 |
同次形微分方程式を解くことができる。定数変化法によって,1階線形微分方程式を解くことができる。
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6週 |
微分方程式③階数低下法による2階微分方程式の解法・斉次2階定数係数線形微分方程式の解法 |
適当な方法で,2階微分方程式を1階微分方程式に帰着させて解くことができる。定数係数の斉次2階定数係数微分方程式を解くことができる。
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7週 |
微分方程式④非斉次2階定数係数線形微分方程式の解法 |
定数係数の非斉次2階定数係数線形微分方程式を解くことができる。
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8週 |
前期中間試験 [教科書「応用数学」] ラプラス変換 |
第1週から学んだ内容について確認できる。ラプラス変換を理解し,初等的な関数のラプラス変換を求めることができる。
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2ndQ |
9週 |
ラプラス変換(続き) |
ラプラス変換の基本的性質を理解し,活用できる。
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10週 |
逆ラプラス変換 |
関数の逆ラプラス変換を求めることができる。
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11週 |
ラプラス変換の応用 |
ラプラス変換を用いて,微分方程式の初期値問題を解くことができる。
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12週 |
[教科書「新版線形代数」] 1次変換と行列の固有値 |
1次変換の基本的な事項を確認する。行列の固有値および固有ベクトルを理解し,それらを求めることができる。
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13週 |
行列の対角化 対角化の応用 |
行列を対角化可能か判定し,可能なときは対角化行列を用いて対角化できる。 対角化を用いて行列の累乗を求められる。
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14週 |
対称行列の固有値と対角化 |
対称行列の固有値と固有ベクトルの関係を理解し,適当な直交行列により対角化できる。 直交変換の意味を理解し,直交変換による2次曲線の像を求められる。
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15週 |
前期末試験 |
第8週から学んだ内容について確認できる。
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16週 |
答案返却と解説 |
学んだ知識について再確認および修正ができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 2重積分の定義を理解している。 | 2 | |
2重積分を累次積分になおして計算することができる。 | 2 | |
極座標に変換することによって2重積分を計算することができる。 | 2 | |
2重積分を用いて、基本的な立体の体積を求めることができる。 | 2 | |
微分方程式の意味を理解している。 | 2 | |
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 2 | |
基本的な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 2 | |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | 小テスト・レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |