到達目標
半導体や半導体デバイスの基本的事項を習得することを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 半導体の基本的性質を正しく理解し、pn接合の特性やトランジスタの動作原理等を詳細に説明できる。 | 半導体の基本的性質を正しく理解し、pn接合の特性やトランジスタの動作原理等を詳細に説明できる。 | 半導体の基本的性質を理解できず、pn接合の特性やトランジスタの動作原理等を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
現在の科学技術の中核ともいえる半導体について,図と数式を用いて原理を学ぶ。トランジスタ,ダイオード,IC等のデバイスを構成する半導体の性質やデバイスの特性を学ぶための学問分野である。
授業の進め方・方法:
量子力学の基礎を理解し,バンドの概念を説明できること,及び半導体のキャリア濃度を計算することができて,デバイスの電流・電圧特性を考察できることが到達目標である。半導体は基本的な物理(力学,電磁気)の知識で充分理解できるが,その背景となる量子力学などに興味を持つことで更に半導体の知見が深まる。
注意点:
これまで学んできた電気・電子に関わる知識の積み重ねがないと理解が困難なので,復習と継続的な学習が必要不可欠である。これを確認するために毎時間小テストや課題を行う。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(40%) D-1(40%) D-2(20%)とする.
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習(60時間)は,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察時間,および試験準備のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 物質の構造 ・結晶構造・空間格子
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半導体の結晶構造・格子の概念が説明できる。
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2週 |
2. 量子力学の基礎 ・電子の波動性 シュレーディンガー方程式 |
電子の波動性・粒子性について説明できる。シュレーディンガー方程式を理解し,色々な問題に適応できる。
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3週 |
井戸型ポテンシャルとトンネル効果 |
シュレーディンガー方程式を解いて,量子現象を説明できる。
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4週 |
水素原子 |
水素原子のシュレーディンガー方程式の基礎を理解し,量子数と電子軌道について説明できる。
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5週 |
3. バンド理論 ・クローニヒ・ペニー・モデル
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半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
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6週 |
・クローニヒ・ペニー・モデル4. 分布則 |
クローニヒ・ペニー・モデルからバンドの概念を導ける。 古典統計,量子統計の式の物理学的意味が分かる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
5.半導体の電気物性 ・真性半導体のキャリア濃度
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真性半導体と不純物半導体を説明できる。 真性半導体のキャリア濃度を計算できる。
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2ndQ |
9週 |
不純物半導体のキャリア濃度 |
不純物半導体のキャリア濃度を計算できる。
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10週 |
6. 半導体の電気伝導機構 ・連続の方程式
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少数キャリア連続の方程式を導ける。
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11週 |
キャリアの発生・再結合 |
キャリアの発生や再結合の機構が説明できる。
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12週 |
7. 接合の物理と物性 ・pn接合
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pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
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13週 |
ショットキー障壁 |
ショットキー障壁の電流・電圧特性の式が導ける。
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14週 |
トランジスタ |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
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15週 |
8.半導体の熱・光学特性 ・光学遷移 ・熱電現象
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半導体の光吸収・発光の原理が説明できる。 半導体の熱電的特性が説明できる。
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系 | 電子工学 | 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前16 |
評価割合
| 試験 | 小テスト・課題・レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |