到達目標
1.基本的な電気回路の過渡応答を理解し,過渡応答の現象を説明・計算できる。
2.電気回路の過渡応答について,ラプラス変換を用いて計算できる。
3.分布定数回路の基本式を導くことができ,回路の諸定数等について,説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1(A-2,D-1,D-2) | 電気回路の過渡応答を計算し,過渡応答の現象を正しく説明できる。 | 電気回路の過渡応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる。 | 電気回路の過渡応答を計算できず,過渡応答の特徴を説明できない。 |
評価項目2(A-2,D-1,D-2) | 複合的な回路の過渡応答についてもラプラス変換を用いて計算できる。 | 基本的な電気回路の過渡応答について,ラプラス変換を用いて計算できる | 基本的な電気回路の過渡応答について,ラプラス変換を用いて計算できない。 |
評価項目3(A-2,D-1,D-2) | 分布定数回路の基本式を導き,回路の諸定数について,計算できるとともに説明できる。 | 分布定数回路の基本式を導き,回路の諸定数について,説明できる。 | 分布定数回路の基本式を導けず,回路の諸定数について,説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
前半では定常状態と異なり,回路状態が変化した場合の過渡的現象を中心に学習する。後半では空間的広がりを考慮した場合の回路(分布定数回路)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
過渡現象では,まず微分方程式の解法に基づく解析方法を学び,過渡現象の基礎を理解し,次にラプラス変換を用いた解法を修得し,応用的な複合回路網の過渡現象の解析法を学ぶ。
分布定数回路では,長距離送電線路や通信線路の電圧や電流は時間と場所の関数として考える必要があることを理解し,分布定数回路に関する基本方程式・諸定数について学ぶ。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2(80%)D-1(10%),D-2(10%)とする。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・数学で学んだ知識(微分方程式,ラプラス変換,偏微分等)を用いて回路解析を行うため,これらの数学の知識が十分でないと良く理解できないので,不十分である場合には数学を良く復習しておくこと。また,演習問題を通じて理解を深めて行くことも大切であるので,授業中随所に演習を入れて行くが,授業以外でも時間を設けて演習問題を解いて理解を深めること。これらの演習課題等は評価につながるものであるため,提出期限を守り,必ず提出すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
微分方程式の解法 |
数学で習った微分方程式の復習を行う。
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2週 |
過渡的現象と初期条件 |
過渡的現象と初期条件について理解する。
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3週 |
RL,RC直列回路の過渡現象 |
RL,RC直列回路の過渡現象の解析および計算ができる。
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4週 |
LC直列回路の過渡現象 |
LCの過渡現象の解析および計算ができる。
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5週 |
RLC直列回路の過渡現象 |
RLC直列回路の過渡現象の解析および計算ができる。
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6週 |
一般回路網の過渡現象① |
応用となる複合的な一般回路網の過渡現象を解くことができる。
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7週 |
一般回路網の過渡現象② |
基本的な交流回路の過渡現象の解析および計算ができる。
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8週 |
中間試験 |
学んだ知識の確認ができる
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2ndQ |
9週 |
ラプラス変換による微分方程式の解法 |
数学で習ったラプラス変換の復習を行う。
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10週 |
ラプラス変換による基本回路の過渡現象解析 |
ラプラス変換を用いてRL,RC,LC,RLC直列回路の過渡現象の計算ができる。
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11週 |
ラプラス変換による一般回路網の過渡現象解析 |
ラプラス変換を用いて応用となる複合的な一般回路網の過渡現象を解くことができる。
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12週 |
集中定数回路と分布定数回 路 |
長距離送電線路や通信線路では,電流や電圧が時間と場所の関数で表現されることを学ぶ。
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13週 |
基礎方程式(伝搬方程式) |
分布定数回路の基本方程式を導くことができる。
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14週 |
特性インピーダンスと伝搬定数および無ひずみ条件 |
伝搬線路における伝搬定数と特性インピーダンスおよび無ひずみ条件とは何かを説明できる。
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15週 |
期末試験 |
学んだ知識の確認ができる
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16週 |
答案返却と解説 |
学んだ知識の再確認と修正ができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系 | 電気回路 | RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 3 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他(演習・レポート) | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 75 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 25 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |