到達目標
自動制御理論は、どの学問体系にも属さない学問であり、その考え方を理解するのは目的の一つである。また状態をブロック線図で表し、フィードバックをかけて運用することを学ぶ。次に比例、微分、積分、一次遅れ、二次遅れ要素などの伝達関数を学び、さらに設計をまちがうと不安定になりやすい二次遅れ要素の安定判別法について学ぶ。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 自動制御の考え方を完全に理解する。 | 自動制御の考え方をほぼ理解する。 | 自動制御の考え方を理解できない。 |
評価項目2 | ブロック線図とフィードバック制御を完全に理解する。 | ブロック線図とフィードバック制御をほぼ理解する。 | ブロック線図とフィードバック制御を理解できない。 |
評価項目3 | 各種伝達関数、安定判別法を完全に理解する。 | 各種伝達関数、安定判別法をほぼ理解する。 | 各種伝達関数、安定判別法を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
最初にシステムとは何かを理解し、それを記述する方法を学ぶ。古典的な制御であるフィードバック制御を理解する。また本来時間関数である制御信号が、なぜラプラス変換を用いた周波数関数で記述されるかを理解する。各種の伝達関数を学び、周波数伝達関数を理解し、二次遅れ制御の安定判別法を理解する。
授業の進め方・方法:
使用する教科書に沿って話を進める。ブロック線図、フィードバック制御、畳み込み積分、周波数関数を用いた変換と逆変換、部分分数分解、比例要素、微分要素、積分要素、一次遅れ要素、二次遅れ要素の説明を行い、それから周波数入力を用いた伝達関数について学ぶ。その後二次遅れ要素の安定判別を行う方法を学ぶ。
注意点:
本講義で用いる教科書は、生涯役に立つ良書である。社会人で資格試験を突破するときにも役に立つ。必ず購入して、講義に用いてください。
教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(20%) D-1(40%) D-2(40%)とする.
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習(60時間)として,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題の考察時間,および試験準備のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
自動制御と自動機械の違いを学ぶ。 |
自動制御と自動機械の違いを理解する。
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2週 |
ブロック線図を学び、人間の行う制御動作を機械で行うモデルをブロック線図で描く。 |
ブロック線図を学び、人間の行う制御動作を機械で行うモデルをブロック線図で描けるようになる。
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3週 |
制御対象にパルス入力を与えた時の時間変化を測定し、インパルス応答を得ることを学ぶ。 |
制御対象にパルス入力を与えた時の時間変化を測定し、インパルス応答を得ること理解する。
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4週 |
インパルス応答と任意の入力関数の畳込み積分が、求める制御したシステムにおける物理量の変化になる事を学ぶ。 |
インパルス応答と任意の入力関数の畳込み積分が、求める制御したシステムにおける物理量の変化になる事を理解する。
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5週 |
時間積分で表現される計算を等価な周波数関数で表現する利点を学ぶ。 |
時間積分で表現される計算を等価な周波数関数で表現する利点を理解する。
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6週 |
ラプラス変換と逆変換の演習を行う。 |
ラプラス変換と逆変換を理解する。
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7週 |
後期中間試験 |
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8週 |
比例、微分、積分、一次遅れの伝達関数について学ぶ。入力にステップ入力があった時の出力について学ぶ。 |
比例、微分、積分、一次遅れの伝達関数について理解する。入力にステップ入力があった時の出力について理解する。
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4thQ |
9週 |
二次遅れ要素について学ぶ。入力にステップ入力があった時の出力を学ぶ。 |
二次遅れ要素について理解する。入力にステップ入力があった時の出力を理解する。
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10週 |
二次おくれ制御で減衰率が異なる時の出力の違いを学ぶ。 |
二次おくれ制御で減衰率が異なる時の出力の違いを理解する。
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11週 |
周波数応答について学び、制御システムの時間応答の意味を学ぶ。 |
周波数応答について学び、制御システムの時間応答の意味を理解する。
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12週 |
比例、微分、積分、一次遅れ要素の周波数伝達関数について学ぶ。 |
比例、微分、積分、一次遅れ要素の周波数伝達関数について理解する。
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13週 |
むだ時間制御について伝達関数、周波数伝達関数について学ぶ。システムが破壊される危険性について学ぶ。 |
むだ時間制御について伝達関数、周波数伝達関数について学ぶ。システムが破壊される危険性について理解する。
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14週 |
二次制御の周波数伝達関数について学ぶ。ラウス、フルビッツの安定判別法について学ぶ。周波数伝達関数を用いたナイキストの安定判別について学ぶ。 |
二次制御の周波数伝達関数について学ぶ。ラウス、フルビッツの安定判別法について理解する。周波数伝達関数を用いたナイキストの安定判別について理解する。
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15週 |
後期期末試験 |
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16週 |
試験の答案返却と解説を行う。 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系 | 制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 3 | |
ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。 | 3 | |
システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。 | 3 | |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 3 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 3 | |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |