到達目標
安定で低廉なエネルギーである電気を絶えず供給し続ける電気事業の役割や責務は、時代が変わろうとも変化せず重要となっている。電力システム工学は電気技術者として電気の発生を理解するうえで不可欠な基礎科目として大きな役割を担っている。本科目は電気事業の基本事項と技術計算について習得することを目的とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1(B-3,D-1,D-2) | 電力系統における線路定数、故障計算等を正しく説明でき、それらを導き出せる。 | 電力系統における線路定数、故障計算等を説明でき、それらを計算できる。 | 電力系統における線路定数、故障計算等を説明できず、それらを計算できない。 |
評価項目2(B-3,D-1,D-2) | 電力系統における保護方式、問題点、安定度について正しく説明でき、それらを導き出せる。 | 電力系統における保護方式、問題点、安定度について説明でき、それらを計算できる。 | 電力系統における保護方式、問題点、安定度について説明できず、それらを計算できない。 |
評価項目3(B-3,D-1,D-2) | 電気事業における各種法律・規定、その変遷を正しく説明できる。 | 電気事業における各種法律・規定、その変遷を説明できる。 | 電気事業における各種法律・規定、その変遷を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
1.電力系統における線路定数、故障計算等を説明でき、それらを計算できる。
2.電力系統における保護方式、問題点、安定度を説明でき、それらを計算できる。
3.電気事業における各種法律・規定、その変遷を説明できる。
授業の進め方・方法:
電力発生(発電所)から電力流通(送電、変電、配電)までの電力供給設備全般に関する電気理論や電気事業一般について学ぶ。電力設備の基本的技術の理解に主眼を置き、電気理論の基本的事項に関しては演習問題などにより学習する。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,B-3(20%),D-1(50%),D-2(30%)とする。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たことが認められる。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
電力流通設備の概要 |
送電線・変電所・配電線などの電力流通設備の概要が説明できる
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2週 |
送電方式と送電電圧 |
電力系統の送電方式と送電電圧について説明できる
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3週 |
線路定数と送電特性 |
送電線の線路定数の物理的意味、導出方法について説明できる
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4週 |
中性点接地方式と異常電圧 |
各種中性点接地方式の特徴および異常電圧の発生理由について説明できる
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5週 |
電力系統の故障計算 |
対象座標法理論の説明および故障計算ができる
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6週 |
電力系統の保護(その1) |
各種保護方式の適用目的や動作原理について説明できる
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7週 |
電力系統の保護(その2) |
各種保護方式の適用目的や動作原理について説明できる
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8週 |
中間試験 |
学んだ知識の確認ができる
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4thQ |
9週 |
電力品質に関する諸問題とその対策 |
瞬時電圧低下、高調波など電力品質に影響を与える現象とその対策について説明できる
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10週 |
誘導障害とコロナによる障害 |
送電線に起因する各種障害の内容と対策について説明できる
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11週 |
電力系統の安定度 |
電力系統の安定度について説明できる
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12週 |
電力系統の運用・制御 |
電力系統の周波数や電圧の調整方法について説明できる
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13週 |
電気事業法の概要 |
日本における電気事業の変遷および電気事業法の目的や事業規制について説明できる
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14週 |
電力系統計画 |
適正な電力系統を維持するため、電源開発や設備更新などの考え方を説明できる
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15週 |
学年末試験 |
学んだ知識の確認ができる
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16週 |
答案返却と解説 |
学んだ知識の再確認と修正ができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系 | 電力 | 電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 3 | |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴について説明できる。 | 3 | |
高調波障害について理解している。 | 3 | |
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。 | 3 | |
電力システムの経済運用について理解している。 | 3 | |
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。 | 4 | |
火力発電の原理について理解し、火力発電主要設備を説明できる。 | 4 | |
原子力発電の原理について理解し、原子力発電主要設備を説明できる。 | 4 | |
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。 | 4 | |
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて理解できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
専門的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |