計算機工学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計算機工学
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 例題で学ぶ論理回路設計(富川武彦著、森北出版)
担当教員 宜保 達哉

到達目標

1.論理回路の役割を説明し,論理式を簡単化できる。
2.組み合わせ回路や順序回路を設計できる。
3.計算機の構成要素を説明できる。
4.情報処理技術の応用例をプログラムで作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理回路の役割を説明できる。また,与えられた条件から適切な方法を選択し,論理式を簡単化できる。論理回路の役割を説明できる。また,カルノー図やQM法を用いて論理式を簡単化できる。論理回路の役割を説明できない。また,論理式を簡単化できない。
評価項目2初見の条件に基づき,組み合わせ回路や順序回路を設計できる。学習済みの組み合わせ回路や順序回路を設計できる。組み合わせ回路や順序回路を設計できない。
評価項目3計算機の構成要素を説明できる。計算機の構成要素を部分的に説明できる。計算機の構成要素を説明できない。
評価項目4情報処理技術の応用例をプログラムで作成できる。簡単な情報処理技術をプログラムで作成できる。簡単な情報処理技術をプログラムで作成できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
計算機の構成要素と論理回路を理解するとともに,応用方法について学ぶ。また,計算機を中心とした情報処理技術が社会において応用されている例を解説し、その簡単な例をコンピュータプログラミングにより再現する。
授業の進め方・方法:
授業の前半は知識や技術の解説に用いる。また,授業の後半は,前半で説明した知識・技術の理解度を確かめるために,小テストを実施する。
後期の授業では、コンピュータビジョンに関するプログラムを主に学ぶ。
「サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」により作成された教育コンテンツ(K-SEC教材)を使用する。
注意点:
計算機が利用されている様々な場面をイメージし,興味と問題意識をもって取り組む必要がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
基数
基数変換
補数
小数点表記
本科目の教育目標と概要などを説明できる。
2進数,8進数,10進数,16進数の構成を説明できる。
各基数を相互に変換できる。
補数を説明できる。
各基数の小数点表記を用いて数値を表現できる。
2週 ブール代数
ブール代数を基にした論理演算
主加法標準形
主乗法標準形
ブール代数と論理演算の関係を説明することができる。公理を用いて論理関数を簡単化できる。
真理値表から主加法標準形と主乗法標準形の論理式を導出できる。
3週 グレイコードとカルノー図
QM法
カルノー図を用いて論理式を簡単化できる。
QM法を用いて論理式を簡単化できる。
4週 組み合わせ回路の概要
組み合わせ回路の基礎
組み合わせ回路の設計
組み合わせ回路の概要を説明できる。
加算器や比較器などの組み合わせ回路を説明できる。
組み合わせ回路を設計できる。
5週 フリップフロップの概要
フリップフロップの設計
代表的なフリップフロップ
カウンタの概要
励起表によるカウンタの設計
フリップフロップの概念を説明できる。
フリップフロップを設計できる。
代表的なフリップフロップを説明できる。
カウンタの概念を説明できる。
励起表を用いてカウンタを設計できる。
6週 順序回路と組み合わせ回路 順序回路と組み合わせ回路を利用した回路を設計できる。
7週 中間試験 学んだ知識を確認できる。
8週 前期中間試験問題の解説 前期中間試験の問題で間違えた原因を理解できる。
2ndQ
9週 係数比較による基本的なカウンタの設計
係数比較によるカウンタの設計
係数比較によるカウンタの設計応用
係数比較を用いて基本的なカウンタを設計できる。
係数比較を用いてカウンタを設計できる。
係数比較を用いたカウンタ設計方法を応用できる。
10週 オートマトンの概要
オートマトンの形式
オートマトンと順序回路
オートマトンの概要を説明できる。
オートマトンの形式を説明できる。
オートマトンを基に順序回路を設計できる。
11週 3状態以上のオートマトン 状態数が3以上のオートマトンを基に順序回路を設計できる。
12週 コンピュータの構成要素と原理
プロセッサ技術
情報ネットワークとセキュリティ
コンピュータの構成要素を説明できる。
プロセッサを動作させるための命令を説明できる。
情報ネットワークのセキュリティインシデントの事例と原因を説明できる。
13週 コンピュータビジョンと計算機 コンピュータビジョンの応用例を説明できる。
14週 計算機と機械学習概要
機械学習の基礎
機械学習と計算機の関連についての概要を説明できる。
基礎的な機械学習の概要について説明できる。
15週 機械学習のアルゴリズム 基礎的な機械学習のアルゴリズムを説明できる。
16週 期末試験 学んだ知識を確認できる。
後期
3rdQ
1週 C++プログラミング基礎
Visual Studioの使用方法
プロジェクト作成方法
ソースファイル作成方法
ヘッダーファイル作成方法
ライブラリインストール方法
簡単な画像処理プログラミング
Visual Studioを使用できる。
プロジェクトを作成できる。
ソースファイルを作成できる。
ヘッダーファイルを作成できる。
ライブラリをインストールできる。
簡単な画像処理のプログラミングができる。
2週 複数枚の画像を連続で表示させる
カメラの制御
カメラで撮影した画像の保存と表示
複数枚の画像を連続で表示できる。
カメラを制御できる。
カメラで撮影した画像を保存・表示できる。
3週 Visual Studioを用いたプログラムのデバッグ 変数の値などを監視してプログラムをデバッグできる。
4週 画像処理の基礎
フォルダに保存されているファイルのリスト読み込み
背景差分
フレーム間差分
画像処理の基礎的な知識を説明できる
フォルダに保存されているファイルのリストを読み込める。
背景差分法を使って差分画像を作成できる。
フレーム間差分法を使って差分画像を作成できる。
5週 動き検知 動画像中の動きを検知するプログラムを作成できる。
6週 Visual Studioを用いたプログラムのデバッグ応用 バグが存在する範囲を特定できる
プリプロセッサを用いてプログラムをデバッグできる
7週 画像特徴量 画像の特徴量について説明できる。
8週 機械学習応用 機械学習をプログラムで実現する方法を説明できる。
4thQ
9週 機械学習プログラミング 機械学習をプログラムで実現することができる。
10週 機械学習プログラミング応用1 高度な機械学習方法をプログラムで実現することができる。
11週 機械学習プログラミング応用2 高度な機械学習方法をプログラムで実現することができる。
12週 モザイキング基礎 モザイキングのための基礎的なプログラムを作成できる。
13週 モザイキング応用 モザイキングのための応用的なプログラムを作成できる。
14週 実践的ソフトウェア作成1 コンピュータビジョンの知識を生かして、実際にソフトウェアの基礎部分を作成できる。
15週 実践的ソフトウェア作成2 コンピュータビジョンの知識を生かして、実際にソフトウェアの応用部分を作成できる。
16週 実践的ソフトウェア作成3 実際にソフトウェアのバグを修正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシーコンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3前12
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3前1
基本的な論理演算を行うことができる。3前1,前2
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3前2
論理式の簡単化の概念を説明できる。3前2
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3前4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3前6
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3前12

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合5050100
基礎的能力101020
専門的能力403070
分野横断的能力01010