電気情報工学基礎実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気情報工学基礎実験Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:4
教科書/教材 プリント(実験テキスト)
担当教員 笹岡 久行,畑口 雅人,平 智幸,大島 功三,技術職員

到達目標

1.実験テーマの目的,原理,測定方法を理解し,測定器を適切に選択してグループで測定を実施できる。
2.各種素子,電気回路,論理回路などの測定方法を習得するとともに,簡単な論理回路を構成できる。
3.実験結果および結果に対する考察を報告書にまとめ,決められた期日までに提出することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1目的,原理,測定方法を的確に理解し,グループのリーダーとして実験を遂行できる. 目的,原理,測定方法をほぼ理解し,グループの一員として実験を遂行できる. 目的,原理,測定方法をあまり理解できず,グループの一員として実験に参加できない.
評価項目2テキストの内容と実験結果を十分理解し,テキストにない測定方法も自ら考え実施できる. テキストに沿って,各種素子,電気回路,論理回路の測定を的確に実施することができる. テキストの書かれた測定方法が理解できず,実験が遂行できない.
評価項目3実験結果に対して的確な考察ができ,正しい日本語を用いて報告書をきれいにまとめ,期日までに提出できる. 実験結果を表や図に表して,考察とともに報告書を作成し,期日までに提出することができる.実験結果を報告書にまとめることができず,期日までに報告書を提出できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
基礎的な電気現象を扱う実験を通して,講義・演習で習得した理論と関連付けをする。
実験データの解析を通してレポート作成技術の習得をする。
授業の進め方・方法:
予め配布された実験書に目を通し、実験の理論、方法等を確認した上で実験を行い、その後、データを処理するなどの後にレポートを提出する。
注意点:
講義・演習などで身につけた知識を元に実験を行うだけではなく,あらかじめ各テーマに関する調査,検討をした上で協調性をもって実験を行う必要がある。
また,実験レポートは必ず期限内に提出すること。
「サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」により作成された教育コンテンツ(K-SEC教材)を使用する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,説明 実験の内容,進め方,注意点などの説明を行う。
2週 (1) Operation Amplifierに関する実験 OPアンプの標準的な動作を理解し、回路の作製およびその特性を測定できる。
3週 (2) バイポーラトランジスタの静特性 バイポーラトランジスタの基本動作を理解し、その特性を測定できる。
4週 (3) 波形整形回路 電気回路の基本となる素子を用いて、入力波形を整形し出力する基本的な回路を作製することができる。
5週 レポート作成指導① レポートの効果的な表現を学び、作成できる。
6週 (4) AI基礎演習 ニューラルネットワークや深層学習の動作原理について説明することができる。機械学習を用いたシステムを動作させ,性能評価することができる。
7週 (5) サイバーセキュリティ演習 パケット送受信の仕組みについて説明できる。「サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC)」により作成された教育コンテンツ(K-SEC教材)を使用する。
8週 (6) データサイエンス基礎演習Ⅱ 実データを用いて,統計処理を行うことができる。また、処理結果を見て,考察を行い,データの特性を説明することができる。
2ndQ
9週 (7) インダクタブリッジの実験 インダクタンスブリッジの動作原理を理解し、測定を行うことが出来る。
10週 レポート作成指導② レポートの効果的な表現を学び、作成できる。
11週 (8) 交流回路の電力測定 単相電力計法および三電圧計法などの電力想定方法を理解し、実際に電力を測定できる。
12週 (9) ベクトル軌跡について アドミタンスベクトルおよびインピーダンスベクトル軌跡について、計測と数値計算により特性を説明できる。
13週 (10) 重ねの理について 重ねの理を理解し、実験の測定結果により確認できる。
14週 レポート作成指導③ レポートの効果的な表現を学び、作成できる。
15週 レポート作成指導④ レポートの効果的な表現を学び、作成できる。
16週 普通救命講習 心肺蘇生(AEDを含む)、けがの手当の方法を習得する。
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,説明 実験の内容,進め方,注意点などの説明を行う。
2週 (11) 整流・平滑回路 整流回路と平滑回路の動作原理と特性を理解できる。
3週 (12) 光導電素子(CdS)およびフォトトランジスタの特性 CdSおよびフォトトランジスタの動作原理と特性を理解できる。
4週 (13) 高次多項式の応用 テイラー展開とチェビシェフ展開について理解できる。
5週 (14) 補間法を用いたデータ処理 データ補間法などのデータ処理手法を学び,そのプログラムを作成できる。
6週 (15) 電子回路のシミュレーション実験 電子回路のシミュレーションについて理解できる。
7週 (16) 増幅回路の動作量の測定 増幅回路の動作原理を学び,その特性を理解できる。
8週 レポート指導③
レポートの効果的な表現を学び、作成できる。
4thQ
9週 (17) 7セグメント・デコーダの設計 7セグメント・デコーダを設計し、その回路を製作できる。
10週 (18) バイアス回路の設計 バイアス回路を作製し、その特性を理解できる。
11週 (19) 電子回路の設計と作製 電子回路を設計し、テスト回路の作製と動作の説明ができる。
12週 (19) 電子回路の設計と作製 設計した電子回路を作製し、動作させることができる。
13週 (20) 技術発表会 技術について整理し、プレゼンテーションを行うことができる。
14週 (20) 技術発表会 技術について整理し、プレゼンテーションを行うことができる。
15週 レポート指導④ レポートの効果的な表現を学び、作成できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前3,前4,前6,前9,前10,前13,前14,後3,後7
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前3,前4,前6,前9,前10,後3,後7
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前3,前4,前6,前9,前10,前13,前14,後3,後7
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前3,前4,前6,前9,前10,前13,前14,後3,後7
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前3,前4,前6,前9,前10,前13,前14,後3,後7
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前13
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前1
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前1
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前1
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前1
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4後14,後15
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4後14,後15
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前4,前9,前10
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前1,前15,後1
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4前5
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3前11
共振について、実験結果を考察できる。4前12
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3前1,前3,後7
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3前4
ディジタルICの使用方法を習得する。3後8
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。2前1
合意形成のために会話を成立させることができる。2前1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2前1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前13
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前13
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前13
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前13
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前13
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2前13
複数の情報を整理・構造化できる。2前13
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前13
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2前1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2前1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2前1
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2前1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2前1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2前1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2前1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2前1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2前1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2前1

評価割合

実験レポート実験取組度合計
総合評価割合7030100
基礎的能力201030
専門的能力201030
分野横断的能力301040