基礎電磁気学

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 基礎電磁気学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 電気磁気学(安達三郎/大貫繁雄,森北出版)
担当教員 大島 功三

到達目標

1. 静電界における電荷,電界,電位等を説明でき,それらを計算できる。
2. 導体,誘電体を説明できる。
3. 静電容量を説明でき,それらを計算できる。
4. 定常電流を説明でき,それらを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1静電界における電荷,電界,電位等を正しく説明でき,それらを導き出せる。静電界における電荷,電界,電位等を説明でき,それらを計算できる。静電界における電荷,電界,電位等を説明できず,それらを計算できない。
評価項目2導体,誘電体について正しく説明でき,それらを導き出せる。導体,誘電体について説明でき,それらを計算できる。静電界における電荷,電導体,誘電体について説明できない。
評価項目3静電容量を正しく説明でき,それらを導き出せる。静電容量について説明でき,それらを計算できる。静電容量について説明できず,それらを計算できない。
評価項目4定常電流について正しく説明でき,それらを導き出せる。定常電流について説明でき,それらを計算できる。定常電流について説明できず,それらを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
科学技術の急速な発達により,家庭にはテレビ,電話,パソコンなど様々な電化製品があふれている。電磁気学は,それらを作り出す上で不可欠な基礎科目として大きな役割を担っている。本年は電気(電界)を中心に学び,クーロンの法則,ガウスの法則,コンデンサ,抵抗について理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
毎時間,前回の授業の振り返りとして小テストを実施する。

前半は,電荷と電荷に働く力,電界と電位についての基本事項を学習し,クーロンの法則を用いた力の求め方,ガウスの法則を用いた電界の求め方について学ぶ。また,導体系について基本事項を学習し,静電容量の求め方について学ぶ。後半は,誘電体についての基本事項を学習し,真空中との違いについて学ぶ。さらに,定常電流について学習する。
注意点:
電磁気学を学ぶ上で,微分・積分やベクトルといった数学的知識を良く理解していなければならない。また,数多くの演習問題を解くことによって理解を深めることも重要である。課題(演習等)は期限内に遅れずに提出すること。また,後で理解しようと思わず,わからないことはすぐに解決するように心がけていくことが大切である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物質と電荷 電荷について説明できる。
2週 クーロンの法則と静電誘導(1) クーロンの法則について説明でき,点電荷に働く力を計算できる。
3週 クーロンの法則と静電誘導(2) クーロンの法則について説明でき,点電荷に働く力を計算できる。
4週 電界と電気力線 電界と電気力線について説明でき,これらを用いた計算ができる。
5週 電位差と電位 電位差と電位について説明でき,これらを用いた計算ができる。
6週 等電位面と電位の傾き 電界と電位の関係を説明できる。
7週 演習
次週,中間試験を実施する
8週 ガウスの法則(1) ガウスの法則を説明でき,電界の計算に用いることができる。
2ndQ
9週 ガウスの法則(2) ガウスの法則を説明でき,電界の計算に用いることができる。
10週 帯電導体 導体の性質を説明でき,導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。
11週 静電界の計算(1) 電気双極子,電気二重層について説明できる。
12週 静電界の計算(2) 電気影像法について説明できる。
13週 導体系と静電しゃへい 導体系と静電しゃへいについて説明できる。
14週 静電容量 静電容量を説明でき,その計算ができる。
15週 演習
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 答案返却・解説
2週 コンデンサの接続 静電容量の接続を説明し,その合成静電容量を計算できる。
3週 静電界におけるエネルギーと力 静電エネルギーと力について説明できる。
4週 誘電体 誘電体について説明できる。
5週 誘電体の分極 分極について説明できる。
6週 誘電体中のガウスの法則 誘電体中のガウスの法則を説明でき,電界の計算に用いることができる。
7週 誘電体境界面での境界条件 電界と電束密度の境界条件について説明できる。
8週 演習
次週,中間試験を実施する
4thQ
9週 誘電体中におけるエネルギーと力 誘電体中の静電エネルギーと力について説明できる。
10週 電流 定常電流について説明できる。
11週 オームの法則と抵抗 電流が空間的に分布している場合のオームの法則と抵抗
12週 ジュールの法則・電源と起電力 電力,ジュールの法則を説明でき,それを用いた計算ができる。
13週 定常電流界 定常電流の保存則について説明できる。
14週 演習
15週 演習
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前2,前4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前1
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3前1
電場・電位について説明できる。3前4
クーロンの法則が説明できる。3前2
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3前3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1,前2,前3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前4,前5,前6
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前8,前9,後6
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前10,前11,前12,前13
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4後3,後4,後5,後6
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前14,後2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4後1
静電エネルギーを説明できる。4後2,後3,後9

評価割合

試験小テスト・演習・課題合計
総合評価割合3070100
基礎的能力104050
専門的能力203050
分野横断的能力000