応用数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学Ⅱ
科目番号 0041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:4
教科書/教材 高専テキストシリーズ「線形代数」「応用数学」(森北出版)
担当教員 冨永 徳雄

到達目標

1. 周期関数を三角級数で表現する考え方を理解し,周期関数のフーリエ級数への展開およびその活用ができる。
2. 複素数および複素関数の基本的性質を理解できる。
3. スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味を理解し,活用することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1様々な周期関数をフーリエ級数に展開でき,偏微分方程式などに応用することができる。フーリエ級数の考え方が理解でき,簡単な周期関数をフーリエ級数へ展開できる。簡単な周期関数をフーリエ級数へ展開できない。
評価項目2複素数および複素関数の基本的性質を理解し,様々な問題に適切に活用できる。複素数および複素関数の基本的性質を理解し,計算ができる。複素数および複素関数の基本的な計算ができない。
評価項目3スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味を理解し,活用することができる。スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味を理解し,計算することができる。スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用数学Iに引き続き,固有値・固有ベクトルによる行列の対角化(対称行列の場合)を学ぶ。3年時に関数をべき級数に展開することを学んだが,本科目では,周期関数を三角級数に展開するフーリエ級数の基本を学ぶ。
次に,複素関数について学ぶ。はじめに,複素数と複素平面とも関係について理解した後,複素変数の関数の基本的な性質について学ぶ。 最後に,電磁気学などで使われるベクトル解析について学ぶ。はじめに,空間ベクトルのベクトル積やベクトル関数について触れた後,スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転について学ぶ。
授業の進め方・方法:
工学や科学における数学の活用において,数学的な表現の中に含まれている意味を理解して計算ができるようにする。自分の考えを数学的に表現し考察・議論するために,授業以外にも自学自習も多くこなす。定期試験(80%),学習への取り組み(レポート)(20%)にて評価する。
注意点:
これまでの数学を理解していることを前提とする。新たな定義や概念を習得するための演習は各自で行うこと。学習した内容が実際にどのような場面で応用されているか,自ら調べることも大切である。
総時間数90時間(自学自習30時間)
自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であることが認められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 7.3 対称行列の対角化 対称行列の性質を理解し,適当な直交行列を用いて対角化することができる。
2週 2次曲線の標準形とその分類 2次の直交行列が平面上の回転移動または対称移動を表すことを理解できる。与えられた2次曲線の標準形を求め,それがどのような図形を表すか理解できる。
3週 「応用数学」第4章 フーリエ解析
1 フーリエ級数
1.1 周期関数
周期関数の基本的性質を確認し,フーリエ級数についての概要を理解できる。三角関数が直交関数系をなすことを理解できる。
4週 1.2 フーリエ級数 周期2πの周期関数をフーリエ級数に展開できる。
5週 1.2 フーリエ級数 一般の周期の周期関数をフーリエ級数に展開できる。
6週 1.2 フーリエ級数 フーリエ級の収束定理について理解し,これを利用して級数の和を求めることができる。
7週 1.3 偏微分方程式とフーリエ級数 フーリエ級数を応用して,熱伝導方程式の解を求めることができる。
8週 第2章 複素関数論
1.1 複素平面
「後期中間試験」
複素平面上に複素数を図示できる。複素数の四則演算を複素平面上で解釈できる。
4thQ
9週 1.2 極形式
複素数を極形式で表すことができる。複素数の累乗および累乗根を求めることができる。
10週 2.1 複素関数
2.2 基本的な複素関数
複素関数についての基本的な性質を理解できる。複素変数の指数関数および三角関数の基本的な性質を理解できる。
11週 2.3 複素関数の極限
2.4 コーシー・リーマンの関係式
2.5 正則関数とその導関数
正則性の意味を理解し,コーシー・リーマン関係式を用いて正則性を判定できる。正則な関数の導関数を求めることができる。
12週 第2章 ベクトル解析
1.1 ベクトルとその内積
空間ベクトルの基本事項の確認。
内積の計算ができる。
13週 1.2 ベクトルの外積 行列式を利用してベクトルの外積を計算でき,応用することができる。
14週 2.1 スカラー場とベクトル場
2.2 勾配
スカラー場とベクトル場の概念を理解し,場の様子を図示できる。スカラー場の勾配の概念を理解し,計算できる。
15週 2.3 発散
2.4 回転
ベクトル場の発散と回転の意味を理解し,計算することができる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000