電気情報工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気情報工学実験Ⅰ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材
担当教員 宜保 達哉,篁 耕司,技術職員 ,平 智幸

到達目標

1. 電気電子に関する各種の計測、試験法等についての技術を習得するとともに、専門科目について学習した内容を実験を通して理解することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を正しく理解し、実験から得られたデータについて工学的に深く考察し、詳細に説明できる。実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を理解し、実的に考察し、説明できる。実験装置・器具・情報機器等を利用して目的を達成する手法を理解できず、実験から得られたデータについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標② 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
今までの講義,演習,実験を通して学び,身につけた技術を用いて,情報機器,分析機器を使いこなしながら,様々な電気に関わる現象を実証する。新しい技術に対応できる能力を養成するため,電気電子情報工学の広い範囲にわたる応用的な実験を行い,その結果について考察する能力を身につける。クラスを小グループに分け,班のメンバー間で協調して実験を進める。
授業の進め方・方法:
講義で学んだ理論を実際の情報機器,分析機器を使いこなして実証し,実践的な技術を身につけると共に,さらに理解を深めることを目標とする。
注意点:
12グループにわけて,一週一テーマについて実験を行う。実験をスムーズに進めるために,実験テキストの予習が必要不可欠である。また,高価な実験機器を使うことが多いので,慎重に実験を行う集中力が必要となる。実験後,実験内容の考察と整理を行い,提出期限内にレポート提出する。12テーマすべての実験を行い,レポートを受理されることが必要である.
・総時間数90時間(自学自習30時間)
・自学自習(30時間)は,通常の実験(60時間)に対する実験のためのテキストの予習時間,実験結果の考察時間,およびレポート作成のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる.その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる.
・具体的な評価方法(指針や対象)については,初回の授業において開示する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験の説明及びレポート作成 実験の内容,進め方,注意点の説明,及びレポート作成を行なう。
2週 実験の内容,進め方,注意点の説明,及びレポート作成を行なう。
3週 安全講習 実験において必要な安全に関して理解する。
4週 実験(12テーマ)
(1) フィルター回路のシミュレーション
フィルター回路の動作をシミュレーションすることにより,その特性を理解する。
5週 (2) トランジスタ基本増幅回路の実験 基本トランジスタ回路のバイアスや動作量の関係を確かめ,その特性を理解する。
6週 (3) 波形整形回路 微分積分回路の特性を理解する。
7週 (4) 非正弦波の分析 波形分析を通して,フーリエ級数を理解する。
8週 (5) IC演算増幅器 IC演算増幅器の特性を測定することにより,使用法を修得する。
2ndQ
9週 (6) LCフィルター 各種フィルターを設計し,測定することにより,基礎を理解する。
10週 (7) マイクロコンピュータ マイコンの機械語プログラム演習を行い,機械語を修得する。
11週 (8) 低周波発振回路の設計製作 電気回路と電子回路の知識を使って,正弦波発振回路を設計する。正弦波発振回路を製作し,その特性と原理を理解する。
12週 (9) 太陽電池の充放電 太陽電池の充放電について説明できる。
13週 (10) コンピュータビジョンA 画像処理の基礎知識を基に、コンピュータビジョンについて説明できる。
14週 (11) コンピュータビジョンB パターン認識の知識を基に、機械学習について説明できる。
15週 (12)コンピュータビジョンC 画像処理の基礎知識を基に、アプリケーションソフトウェアを作成する方法を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前1,前2,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前1,前2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4前1,前2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前1,前3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前1
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前1
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4前1
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前5,前11
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前11
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前11
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4前5
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4前11
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4前9
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4前11
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前5,前6,前7,前8,前9
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前8
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前5
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前5
ディジタルICの使用方法を習得する。4前10
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3前15
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3前15
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。2前1
合意形成のために会話を成立させることができる。2前1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2前1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2前1
複数の情報を整理・構造化できる。2前1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2前1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1

評価割合

技術、知識習得度分析力達成度積極性・協調性合計
総合評価割合40202020100
基礎的能力00000
専門的能力402020080
分野横断的能力0002020