電気電子計測Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気電子計測Ⅱ
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 プリント(講義プリント・演習プリント)
担当教員 有馬 達也

到達目標

1. .抵抗,インピーダンスの測定原理を説明できる。
2. 電力・電力量の測定原理とその方法を説明できる。
3. 磁気測定の原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-2,D-1,D-2)抵抗,インピーダンスの測定原理を 正しく説明できる。抵抗,インピーダンスの測定原理 を説明できる。抵抗,インピーダンスの測定原理を 説明できない。
評価項目2(A-2,D-1,D-2)電力・電力量の測定原理とその方法 を正しく説明できる。電力・電力量の測定原理とその方 法を説明できる。電力・電力量の測定原理とその方 法を説明できない。
評価項目3(A-2,D-1,D-2)磁気測定の原理について正しく説明 できる。磁気測定の原理について説明で きる。磁気測定の原理について説明でき ない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 この科目は企業で計測装置・制御装置の計装と保守を担当していた教員が、その経験を活かし、電気現象を定量的に扱うための測定値の処理方法や各種計器の動作原理,測定法について講義形式で授業を行うものである。電気・電子工学に携わる者として電気諸量の把握のための最低限の知識を身につける。
授業の進め方・方法:
 4年前期で行う電気電子計測Ⅱでは,3 年後期の電気電子計測Ⅰに引き続いて,インピーダンスの測定,電力測定,磁気測定ならびに電子計測に関する手法などを学ぶ。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目は,A-2,D-1,D-2とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,小テストのための学習時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.電圧、電流、抵抗の定義と直流、交流電圧


測定対象である電気の物理量について学び、直流と交流の違いを理解する。
2週 1.直流回路における電力測定
直流回路における電力の定義を学び、電圧と電流の測定から電力を計算できる。
3週 2.交流回路における電力測定
-     抵抗      -
交流回路における電流測定、電圧測定と電力の求め方を学ぶ。
素子は抵抗である。実効値は積分を使う式である事を理解すること。小テストを行う。
4週 2.交流回路における電力測定
- インダクタンス -
交流回路における電流測定、電圧測定と電力の求め方を学ぶ。素子はインダクタンスである。位相の違いと電力測定方法について理解できる。なお電力はゼロとなる事を理解する。
5週 2.交流回路における電力測定
- RL回路の電力 -
交流回路における電流測定、電圧測定と電力の求め方を学ぶ。RL回路における電力測定は、複雑な波形となり、インピーダンスと位相差を考慮する必要がある事を理解する。
6週 2.交流回路における電力測定
- キャパシタンス -
キャパシタンスのみの電気回路では電流の変化が電圧より半波長ほど速く生じる。消費電力はゼロとなる事を理解する。
7週 2.交流回路における電力測定
- RC回路の電力 -
RC回路の電力測定に関する理論を学ぶ。実効値でしか表現できない交流電力測定でインピーダンスの重要性を理解する。演習を行う。また次週の中間試験を行う。
8週 中間試験 交流電力測定について学んだ知識を確認できる。
2ndQ
9週 3.単相電力計 単相電力計の動作原理と構造について理解する。指示が実効値で表されることを理解する。
10週 3.三相回路の電流、電圧と電力 三相回路の電流、電圧と電力について理解する。単相電力回路とは異なる点を説明できる。
11週 3.三相回路の電力測定 単相電力計を用いて三相回路の電力測定を行う方法を理解する。小テストを行う。
12週 4.三電圧計法を用いた電力測定 単相電庄計を3つ用いた交流回路の電力測定について理解する。ベクトル図を説明できる。
13週 5.三電流計法を用いた電力測定 単相電流計を3つ用いた交流回路の電力測定について理解する。ベクトル図を説明できる。
14週 6.電力波形の瞬時値と測実効値,磁気測定 電力は実効値で求められるが、交流の場合ピーク値が高い値では同じ測定値でも絶縁が不足する場合が生じ、危険であることを理解する。電力計測の注意点となる。ホール効果を用いた磁気測定の原理を説明できる。
15週 8.演習 具体的な電力計測方法と電力計の原理、構造に関する試験前の演習を行う。次週期末試験を行う。
16週 期末試験 学んだ知識の確認ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前1
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前2,前3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4前1
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前5,前6
計測電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4前1
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4前1,前2,前4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4前6
電力量の測定原理を説明できる。4前9
オシロスコープの動作原理を説明できる。4前11,前12

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合65500030100
基礎的能力3000001545
専門的能力3550001555
分野横断的能力0000000