1. 回転機(直流機,誘導機,同期機)の原理と構造を説明できる.
2. 静止器(変圧器,パワーエレクトロニクス)の原理と構造を説明できる.
概要:
電気機器とは,電気エネルギーを利用するために電磁気現象を応用するエネルギー変換機器である.ここでは,電気エネルギーの発生,変換および利用に用いられる回転機(直流機,誘導機,同期機)と静止器(変圧器,パワーエレクトロニクス)の動作原理と構造を説明できることを目標とする.
他のエネルギーから電気エネルギーに,あるいは,電気エネルギーから他のエネルギーに変換する回転機(直流機,同期機および誘導機),効率的な電力伝送に欠かせない静止器(変圧器,パワーエレクトロニクス)の動作原理の理解,特性の算定方法について学習する.
授業の進め方・方法:
電気機器の動作原理を理解するために電磁気学(アンペアの法則,ファラデーの法則等)と,特性および等価回路の理解するために電気回路(直流,交流,三相交流における回路計算およびベクトル図の概念)が重要であるため,十分に復習しておくことが必要である.
授業において,演習問題のプリントを配布する.期限内に必ず提出すること.提出したプリントの採点結果は評定の40点分として評価する.
授業では理論の説明が中心となるため,事前にテキストを読み,演習等を通して理解を深めること.なお,本科目は電気主任技術者試験の一科目にも位置付けられている.
注意点:
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,演習問題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価について,合計点数が60点以上で単位修得する。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であることが認められる。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 3 | 前7 |
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | 前7 |
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | 前7 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | 前14,前15 |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | 前14,前15 |
自然科学 | 物理 | 電気 | 抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 4 | 前1,前2 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 4 | 前1,前2 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2 |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | 前1,前2 |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前1,前2 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | 前3,前14 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前3,前14 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | 前3,前14 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | 前14 |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前14 |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3,前5 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前3,前5 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3,前5 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3,前5 |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
理想変成器を説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前3,前8 |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 前14,前15 |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | 前5 |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 4 | 前6,前7 |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 4 | 前6,前7 |
直流機の原理と構造を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
誘導機の原理と構造を説明できる。 | 4 | 前9,前10 |
同期機の原理と構造を説明できる。 | 4 | 前11,前12,前13 |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。 | 4 | 前14,前15 |