応用数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用数学Ⅱ
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:4
教科書/教材 高専テキストシリーズ「応用数学」(森北出版)
担当教員 長岡 耕一

到達目標

1. 周期関数を三角級数で表現する考え方を理解し,周期関数のフーリエ級数への展開およびその活用ができる。
2. 複素数および複素関数の基本的性質を理解できる。
3. スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を理解し,活用することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス変換および逆ラプラス変換を用いて初期値問題を解くことができる。ラプラス変換および逆ラプラス変換を用いて,簡単な初期値問題を解くことができる。ラプラス変換および逆ラプラス変換を用いて初期値問題を解くことができない。
評価項目2周期関数のフーリエ級数への展開の考えを深く理解し,級数展開およびその幅広い活用ができる。周期関数のフーリエ級数への展開の考えを理解し,級数展開およびその活用ができる。周期関数をフーリエ級数へ展開すること,およびその意味を理解することができない。
評価項目3複素数および複素関数の基本的性質を深く理解し,複素積分を様々な問題に適切に活用できる。複素数および複素関数の基本的性質を理解し,複素積分を様々な問題に活用できる。複素数および複素関数の基本的性質を理解すること,および複素積分を活用することができない。
評価項目4スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を深く理解し,幅広く活用することができる。スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を理解し,活用することができる。スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転の意味やそれらに関する種々の定理を理解および活用ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE A-1 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 まず,微分方程式の新たな解法として用いられる,ラプラス変換を学ぶ。
 次に,第3学年で関数をべき級数に展開することを学んだが,本科目では,周期関数を三角級数に展開するフーリエ級数の基本を学ぶ。
 次に,複素関数について学ぶ。はじめに,複素数と複素平面とも関係について理解した後,複素変数の関数の基本的な性質について学ぶ。そして複素関数の積分とその基本的性質について学ぶ。
 最後に,電磁気学などで使われるベクトル解析について学ぶ。はじめに,空間ベクトルのベクトル積やベクトル関数について触れた後,スカラー場の勾配やベクトル場の発散,回転について学び,最後に,これらに関する種々の積分公式を学ぶ。
授業の進め方・方法:
工学や科学における数学の活用において,数学的な表現の中に含まれている意味を理解して計算ができるようにする。自分の考えを数学的に表現し考察・議論するために,授業以外にも自学自習も多くこなす。定期試験(80%),学習への取り組み(レポート,宿題等)(20%)にて評価する。
注意点:
これまでの数学を理解していることを前提とする。新たな定義や概念を習得するための演習は各自で行うこと。学習した内容が実際にどのような場面で応用されているか,自ら調べることも大切である。
教育プログラムの学習・教育到達目標はA-1とする。
総時間数90時間(自学自習30時間)
自学自習時間(30時間)は,日常の授業(60時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 第3章 ラプラス変換
3.1 ラプラス変換と逆ラプラス変換(その1)
ラプラス変換を理解し,初等的な関数のラプラス変換を求めることができる。
2週 3.1 ラプラス変換と逆ラプラス変換(その2) ラプラス変換の基本的性質を理解し,活用できる。
3週 3.1 ラプラス変換と逆ラプラス変換(その3) 関数の逆ラプラス変換を求めることができる。
4週 3.2ラプラス変換の応用
(次週,小試験)
ラプラス変換を用いて、微分方程式の初期値問題が解ける。
5週 第4章 フーリエ解析
2 フーリエ級数
周期関数の基本的性質を確認し,フーリエ級数についての概要を理解できる。三角関数が直交関数系をなすことを理解できる。周期関数をフーリエ級数に展開できる。
6週 1.2 フーリエ級数(続き) フーリエ級の収束定理について理解し,これを利用して級数の和を求めることができる。
7週 1.3 偏微分方程式とフーリエ級数
次週,中間試験を実施する。
変数分離法による解法を理解し,初期値問題においてフーリエ級数を応用できる。
8週 第2章 複素関数論
1.1 複素平面
1.2 極形式
複素数を極形式で表し,複素平面上に図示できる。複素数の四則演算を複素平面上で解釈できる。
4thQ
9週 1.2 極形式(続き)
2.1 複素関数
2.2 基本的な複素関数
複素数の累乗および累乗根を求めることができる。複素関数についての基本的な性質を理解できる。複素変数の指数関数および三角関数の基本的な性質を理解できる。
10週 2.3 複素関数の極限
2.4 コーシー・リーマンの関係式
2.5 正則関数とその導関数
正則性の意味を理解し,コーシー・リーマン関係式を用いて正則性を判定できる。正則な関数の導関数を求めることができる。
11週 第2章 ベクトル解析
2.1 ベクトル(その1)
空間ベクトルの基本事項の確認。
内積・外積の計算ができる.
12週 2.1 ベクトル(その2)
(次週、小試験)
ベクトル関数の微分・積分が計算できる。
空間の曲線のベクトル方程式を理解し、曲線の長さが計算できる。
13週 2.2スカラー場・ベクトル場と積分公式(その1) スカラー場とベクトル場の概念を理解し,スカラー場の勾配,ベクトル場の発散および回転を計算できる。
14週 2.2スカラー場・ベクトル場と積分公式(その2) スカラー場の勾配,ベクトル場の発散および回転を計算できる。スカラー場およびベクトル場の線積分を理解し,計算できる。
15週 2.2スカラー場・ベクトル場と積分公式(その3) スカラー場とベクトル場の面積分を計算できる。
16週 後期末試験 これまで学んだ内容について確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000