電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 旭川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0067 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 講義用プリントを配布および演習用プリントを配布
担当教員 吉本 健一

到達目標

1.分布定数回路において,境界条件が定まったときの各部の電圧・電流が計算できる。
2.分布定数回路における反射・透過現象,線路の共振現象について,これらの現象を説明でき,種々の値を計算できる。
3.ひずみ波交流において,フーリエ級数を用いて波形を分解でき,ひずみ波交流の電圧・電流・電力の関係を説明でき,計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(A-2,D-1,D-2)分布定数回路において,境界条件が定まったときの各部の電圧・電流が計算でき,位置角を利用して計算できる。分布定数回路において,境界条件が定まったときの各部の電圧・電流が計算できる。分布定数回路において,境界条件が定まったときの各部の電圧・電流が計算できない。
評価項目2(A-2,D-1,D-2)分布定数回路における反射・透過現象,線路の共振現象について,これらの現象を説明でき,スミス図表も利用できる。分布定数回路における反射・透過現象,線路の共振現象について,これらの現象を説明できる。分布定数回路における反射・透過現象,線路の共振現象について,これらの現象を説明できない。
評価項目3(A-2,D-1,D-2)ひずみ波交流において,フーリエ級数を用いて波形を分解でき,ひずみ波交流の電圧・電流・電力の関係を説明でき,計算できる。ひずみ波交流において,フーリエ級数を用いて波形を分解でき,ひずみ波交流の電圧・電流・電力の関係を説明できる。ひずみ波交流において,フーリエ級数を用いて波形を分解できず,ひずみ波交流の電圧・電流・電力の関係を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標① 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ 説明 閉じる
JABEE A-2 説明 閉じる
JABEE D-1 説明 閉じる
JABEE D-2 説明 閉じる
JABEE基準 (d) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半では分布定数回路を解析する手法を具体的に学ぶ。後半ではひずみ波交流(非正弦周期波)の発生とその取り扱い方に関する基本的考え方を理解する。
授業の進め方・方法:
分布定数回路では伝搬線路における電圧・電流分布を計算でき,線路の境界条件,位置角,反射・透過現象,定在波,共振現象等を理解するとともに,スミス図表を用いて分布定数回路を幾何学的に解析する手法の基礎も学ぶ。ひずみ波交流(非正弦周期波)では,フーリエ級数を用いてひずみ波形を解析する手法を学ぶとともに,ひずみ波交流における電圧,電流,電力の関係を理解する。また,非周期波を解析するときの基礎となるフーリエ変換についてもその基本を学ぶ。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2(80%)D-1(10%),D-2(10%)とする。
・総時間数45時間(自学自習15時間)
・自学自習時間(15時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・数学で学んだ知識(双曲線関数やフーリエ級数・変換等)を用いて回路解析を行うため,これらの数学の知識が十分でないと良く理解できないので,不十分である場合には数学を良く復習しておくこと。また,演習問題を通じて理解を深めて行くことも大切であるので,授業中随所に演習を入れて行くが,授業以外でも時間を設けて演習問題を解いて理解を深めること。これらの演習課題等は評価につながるものであるため,提出期限を守り,必ず提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 境界条件 境界条件が定まったときの伝搬方程式を導くことができる。
2週 位置角① 位置角とは何かを学ぶ。
3週 位置角② 位置角を用いて各種の演習問題を解くことができる。
4週 分布定数回路の 二端子対網としての取リ扱い 有限長線路を四端子回路網として取扱う考え方を理解する。
5週 反射・透過現象と定在波① 電圧や電流を波と考えることで,反射・定在波について学び
6週 反射・透過現象と定在波② 透過現象について学ぶ。
7週 線路の共振
次週,中間試験を実施する。
分布定数回路の共振現象について学ぶ。
8週 スミス図表① スミス図表とは何かを学ぶ。
4thQ
9週 スミス図表② スミス図表とは何かを学ぶ。
10週 スミス図表③ 幾何学的手法を用いて演習問題を解くことで,スミス図表の理解を深める。
11週 ひずみ波交流について ひずみ波交流(非正弦周期波)の発生とその取り扱いの基本的考え方を学ぶ。
12週 フーリエ級数とひずみ波の分解 フーリエ級数を用いて,ひずみ波形を分解することができる。
13週 ひずみ波交流の電圧,電流,電力① ひずみ波交流における電圧,電流,電力の関係を理解する。
14週 ひずみ波交流の電圧,電流,電力② ひずみ波交流における電圧,電流,電力の計算ができる。
15週 期末試験 学んだ知識の確認ができる
16週 答案返却と解説 学んだ知識の再確認と修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(演習・レポート)合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力6000001575
専門的能力200000525
分野横断的能力0000000