電磁波工学

科目基礎情報

学校	旭川工業高等専門学校	開講年度	平成30年度 (2018年度)
授業科目	電磁波工学
科目番号	0085	科目区分	専門 / 選択
授業形態	講義	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	電気情報工学科	対象学年	5
開設期	後期	週時間数	後期:2
教科書/教材	電波工学（安達三郎/佐藤太一　森北出版）
担当教員	大島 功三

到達目標

1. 分布定数回路の計算ができ，スミスチャートを使うことができる。
2. マクスウェルの方程式を理解し，アンテナからの電磁波放射について説明できる。
3. 各種アンテナと特性を理解し，電波伝搬について説明できる。

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1 (A-2,D-1,D-2)	分布定数回路について正しく理解し，スミスチャートを正しく使うことができる。	分布定数回路の計算ができ，スミスチャートを使うことができる。	分布定数回路の計算ができない。スミスチャートを使うことができない。
評価項目2 (A-2,D-1,D-2)	マクスウェルの方程式から波動方程式を導き出し，アンテナからの電磁波放射について正しく説明できる。	アンテナからの電磁波放射について説明できる。	アンテナからの電磁波放射について説明できない。
評価項目3 (A-2,D-1,D-2)	各種アンテナの特性の違いについて説明でき，電波伝搬について説明できる。	アンテナの特性，電波伝搬について説明ができる。	アンテナの特性，電波伝搬について説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 電気情報工学科の教育目標② （情報工学，計算機工学等の情報技術を修得させ，ソフトウェアプログラミングやネットワークシステムに関する専門的能力を身に付けさせるとともに，電気電子技術と情報技術とが融合する新技術分野に柔軟に対応できる技術者を育てる。）

学習・教育到達度目標 本科の教育目標③ （工学基礎及び専門基礎をしっかり身に付けさせ，広い専門的視野と総合的判断力を持たせる。）

JABEE A-2 （基礎工学の知識・能力をもとに，地域・社会の要求を理解し，それに対応することができる。）

JABEE D-1 （基礎工学及び専門工学に関する知識・技術を有し，それを活用することができる。）

JABEE D-2 （データを分析・解釈し，正しく結論を導き出すことができる。）

JABEE基準 (d) （当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力）

教育方法等

概要:

電磁波工学は，無線通信，有線通信，リモートセンシング，電磁波エネルギー利用など，電磁波を手段として用いる諸技術を学ぶ上で欠くことのできない科目である。
高周波伝送路，アンテナ，電波伝搬について理解することを目的とする。

授業の進め方・方法:

前半は，分布定数回路の基本事項について学習し，スミスチャートの使用法を学ぶ。また，マクスウェルの方程式を用いて基本的なアンテナの解析を行う。
後半は，実際のアンテナについて学習し，電波伝搬の様式について学ぶ。

注意点:

・電磁波工学の重要な事項だけを説明していくが，電磁気学や数学の知識が必要となる。
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合はA-2(30%) D-1(35%) D-2(35%)とする。
・総時間数90時間（自学自習60時間）
・自学自習（60時間）については，日常の授業（30時間）のための予習復習時間，理解を深めるための演習課題の考察・解法の時間および小テストや定期試験の準備のための勉強時間を総合したものとする。

・評価については，合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合，各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること，教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	高周波伝送路（１）	高周波伝送路の解析に必要な分布定数回路論を説明できる。
		2週	高周波伝送路（２）	同軸線路，導波管などの高周波伝送路について説明できる。
		3週	スミスチャート（１）	スミスチャートを使用することができる。
		4週	スミスチャート（２）	スミスチャートを使用することができる。
		5週	マクスウェル方程式	マクスウェル方程式について説明できる。
		6週	微小ダイポールアンテナ	微小ダイポールアンテナからの電磁波を導出することができる。
		7週	開口面アンテナ 次週，中間試験を実施する	開口面アンテナからの電磁波を導出することができる。
		8週	電磁波の反射と透過	電磁波の反射係数と透過係数を導出することができる。
	4thQ
		9週	アンテナの特性	アンテナの性能・特性・分類について説明できる。
		10週	線状アンテナ	線状アンテナについて説明できる。
		11週	板状アンテナ	板状アンテナについて説明できる。
		12週	開口面アンテナ	開口面アンテナについて説明できる。
		13週	電波伝搬（１）	電波は周波数，伝送路および自然状況によって伝送様式に違いがあることを理解できる。
		14週	電波伝搬（２）	電波伝搬の様式について説明できる。
		15週	無線従事者国家試験演習	無線従事者国家試験問題を解くことができる。
		16週	学年末試験

評価割合

	試験	小テスト	レポート	合計
総合評価割合	50	20	30	100
基礎的能力	20	10	10	40
専門的能力	30	10	20	60
分野横断的能力	０	0	0	0