1. 回転機(直流機,誘導機,同期機)の原理と構造を説明できる.
2. 静止器(変圧器,パワーエレクトロニクス)の原理と構造を説明できる.
概要:
電気機器とは,電気エネルギーを利用するために電磁気現象を応用するエネルギー変換機器である.ここでは,電気エネルギーの発生,変換および利用に用いられる回転機(直流機,誘導機,同期機)と静止器(変圧器,パワーエレクトロニクス)の動作原理と構造を説明できることを目標とする.
他のエネルギーから電気エネルギーに,あるいは,電気エネルギーから他のエネルギーに変換する回転機(直流機,同期機および誘導機),効率的な電力伝送に欠かせない静止器(変圧器,パワーエレクトロニクス)の動作原理の理解,特性の算定方法について学習する.
授業の進め方・方法:
電気機器の動作原理を理解するために電磁気学(アンペアの法則,ファラデーの法則等)と,特性および等価回路の理解するために電気回路(直流,交流,三相交流における回路計算およびベクトル図の概念)が重要であるため,十分に復習しておくことが必要である.
授業において,演習問題のプリントを配布する.期限内に必ず提出すること.提出したプリントの採点結果は評定の30点分として評価する.
授業では理論の説明が中心となるため,事前にテキストを読み,演習等を通して理解を深めること.なお,本科目は電気主任技術者試験の一科目にも位置付けられている.
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2(60%),D-1(30%),D-2(10%)とする。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,演習問題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価について,合計点数が60点以上で単位修得する。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
直流発電機(1) |
直流発電機の原理と構造・種類・特性・用途を説明できる。
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2週 |
直流発電機(2) |
直流発電機の原理と構造・種類・特性・用途を説明できる。
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3週 |
直流電動機(1) |
直流電動機の原理と理論・特性・始動特性・速度制御を説明できる。
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4週 |
直流電動機(2) |
直流発電機や直流電動機の定格・電圧変動 率・速度変動率・効率について計算できる。
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5週 |
変圧器(1) |
変圧器の原理や構造について説明できる。
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6週 |
変圧器(2) |
等価回路を用いて電気的特性を説明でき,損失,電圧変動率,効率,温度上昇について説明できる。
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7週 |
変圧器(3) 次週,中間試験を実施する |
三相結線の方法について説明できる。
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8週 |
三相誘導電動機(1) |
誘導電動機の原理と構造を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
三相誘導電動機(2) |
誘導電動機の理論を説明でき,等価回路を示すことができる。
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10週 |
三相誘導電動機(3) |
誘導電動機の速度特性,トルク特性,始動法と速度制御法を説明できる。
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11週 |
三相同期発電機(1) |
同期発電機の動作原理を説明でき,等価回路を示すことができる。
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12週 |
三相同期発電機(2) |
同期発電機の特性,並行運転法を説明できる。
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13週 |
三相同期電動機 |
同期電動機の回転原理,位相特性を説明できる。
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14週 |
パワーエレクトロニクス(1) |
整流回路の基本回路の特性を説明することができる。
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15週 |
パワーエレクトロニクス(2) |
直流チョッパ,インバーターの基本回路の特性を説明することができる。
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16週 |
期末試験 |
学んだ知識の確認ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 3 | 前7 |
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | 前7 |
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | 前7 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | 前14,前15 |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | 前14,前15 |
自然科学 | 物理 | 電気 | 抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 4 | 前1,前2 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 4 | 前2 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | 前1 |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | 前1 |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前1 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | 前14 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前14 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | 前14 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | 前14 |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前14 |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前5 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
理想変成器を説明できる。 | 4 | 前5 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前8 |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 前14 |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | 前5 |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 4 | 前7 |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 4 | 前7 |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 4 | 前7 |
直流機の原理と構造を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4 |
誘導機の原理と構造を説明できる。 | 4 | 前8,前9,前10 |
同期機の原理と構造を説明できる。 | 4 | 前11,前12,前13 |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7 |
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。 | 4 | 前14,前15 |