概要:
前半では定常状態と異なり,回路状態が変化した場合の過渡的現象を中心に学習する。後半では空間的広がりを考慮した場合の回路(分布定数回路)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
過渡現象では,まず微分方程式の解法に基づく解析方法を学び,過渡現象の基礎を理解し,次にラプラス変換を用いた解法を修得し,応用的な複合回路網の過渡現象の解析法を学ぶ。
分布定数回路では,長距離送電線路や通信線路の電圧や電流は時間と場所の関数として考える必要があることを理解し,分布定数回路に関する基本方程式・諸定数について学ぶ。
注意点:
・教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目の割合は,A-2(80%)D-1(10%),D-2(10%)とする。
・総時間数90時間(自学自習60時間)
・自学自習時間(60時間)は,日常の授業(30時間)に対する予習復習,レポート課題の解答作成時間,試験のための学習時間を総合したものとする。
・評価については,合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること,教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・数学で学んだ知識(微分方程式,ラプラス変換,偏微分等)を用いて回路解析を行うため,これらの数学の知識が十分でないと良く理解できないので,不十分である場合には数学を良く復習しておくこと。また,演習問題を通じて理解を深めて行くことも大切であるので,授業中随所に演習を入れて行くが,授業以外でも時間を設けて演習問題を解いて理解を深めること。これらの演習課題等は評価につながるものであるため,提出期限を守り,必ず提出すること。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6 |
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6 |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5 |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 前3,前4,前5 |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 前3,前4,前5 |
自然科学 | 物理 | 電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 4 | 前3 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | 前2,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | 前2,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前13,前14,前15 |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11 |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前10,前11 |